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全国一般東京東部労働組合の記録

HTS組合員の残業代支払いを会社が回答・第10回団交報告

2007年11月08日 12時41分30秒 | 添乗員・旅行業界

(写真=東部労組本部で開かれたHTS第10回団交)

HTS組合員の過去分の残業代支払いを会社側が回答
全国の添乗員は未払い残業代をいっしょに請求しましょう!

全国一般東京東部労組HTS支部と阪急トラベルサポートとの第10回団体交渉が11月7日、東京・青戸の東部労組本部事務所でありました。組合側からは5人、会社側からは3人が出席しました。組合員の過去分の残業代支払いと、会社側が作成している就業規則(案)の2点について話し合いました。

HTS支部を代表して三田労働基準監督署に申告した組合員6人の過去2年分の残業代について、会社側は初めて支払い額を算出し、それを組合側に回答しました。それぞれの内訳は以下の通りです。

A組合員=180万4448円、B組合員=170万2592円、C組合員=166万9832円、D組合員=219万4508円、E組合員=167万8679円、F組合員=237万3565円です。6人合わせて1142万3624円です。

これまで会社側は添乗員の残業代について「事業場外みなし労働だから」として1円たりとも支払う意思を表明していませんでした。しかし、私たちHTS支部の運動に押される形で、ようやく重い腰を上げました。

旅行業界のなかで阪急トラベルサポートが他社に先がけて、未払い残業代を精算するという方針転換に動いたことは評価できます。ただ、会社側の算出・計算方法には多くの問題点があります。

会社は、添乗員が仕事中に飛行機、バス、電車などで移動している時間について、2時間以上の場合は「離陸(乗車)後30分、到着前30分」しか労働時間と認めないというのです。これは三田労基署が10月1日に阪急交通社と阪急トラベルサポートに出した是正勧告・指導の内容に明らかに反します。

労基署は指導文書のなかで「交通機関乗車中であってもマニュアル等を通じて業務指示が出ていることから、乗車中の時間も労働者が自由に利用できることが保障されている時間とは認められない」と記し、添乗員が飛行機やバスに乗っている間も労働時間と認定しています。当然、その時間を含めて残業代を計算しなければなりません。

交渉の結果、会社側はA組合員を例にとって組合要求(労基署の指導通り)の計算方法で試算してみること、組合側は今回の会社回答の額を精査すること、それを次回の団交でお互いに持ちよって調整することになりました。

会社側は6人以外の組合員にも請求があれば、支払いに応じると回答しました。阪急トラベルサポートの添乗員のみなさん、HTS支部に入って自分の残業代を取り戻しましょう。他社の添乗員のみなさん、HTS支部とともに未払い残業代を請求しましょう。

*****************************************************

会社が作成している就業規則(案)については、今回の団交で組合側からさまざまな問題点や疑問点を指摘しました。もっとも大きな問題は、労基署の勧告指導に従わず、事業場外みなし労働の適用を明記している点です。

「偽装みなし労働」の是正を国から明確に命令されながら、その違法行為を今後も続けます、という就業規則を平気で作ろうとしているのです。また従来の日当に3時間分の残業代を含めるという条文も到底認めることができません。労働条件の一方的な不利益変更です。

また、驚くべきことに、この日、再び改悪された別な就業規則(案)が提示されました。なんとここでは前回提示された就業規則(案)にあった「時間外手当3000円の支払い」が撤回=改悪されていることが交渉中に明らかにされたのです。これまで私たちは法定の残業代をきちんと支払うべきだと主張してきました。会社はそれに応じるどころか、3000円の手当すら払わず、事実上、深夜労働(夜10時~朝5時)以外の17時間を従来の日当だけで働かせようとしているのです。

深夜労働については深夜手当2000円を払い、不足分があった場合は日当を「みなし時間」の11時間(労基署は8時間で割れと指導)で割った額に法定割増率(50%増し)をかけた額を時間分支払うことになりました。有給休暇・雇用保険・社会保険の付与とあわせて、部分的ですが、法律に従った内容です。

HTS支部は、会社が検討している就業規則(案)の不当性を今後も追及し、拙速な制定と36協定の締結を許しません。「偽装みなし労働」の是正とともに、添乗員の地位向上につながる内容を求めていきます。全国の添乗員は団結しましょう。

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48 コメント

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あまりにも・・・・・ (組合員)
2007-11-08 14:47:31
昨日の団交に遅ればせながらも出席しましたが、会社からの回答には呆れるばかりです。
組合員は、私も含め不覚にも泣いてしまいました。
私達添乗員は、今まで文句も言わず厳しい仕事に耐えてきました。お客様の理不尽な要求にも応え、そして会社の利益を守りまた、利益を上げる仕事さえさせられてきました。
そんな私達に対する答えがこれです。
一番悲しい気分にさせられたのは、会社側に違法行為によって私たちから搾取してきた賃金をなんとか安く上げたいという意思を感じた事です。
この期に及んでも会社はなんとか逃げたいと、そう感じざるを得ない。
そんな回答とそんな態度に涙が流れたのです。
私達組合員は添乗員の代表として団交に臨んでいるのですから、こんなことで負けは、また引き下がりはしませんが、こうてしている間にも添乗員たちの負担はかさんでいるのだと思うと、涙が止まりません。
私たちはこれからも勇気を持って、誇りを持って頑張っていきます。誇りある添乗員の地位の実現の日まで。
でも、まだまだ力が足りません。
数は力です。
どうか、どうか私たちに力を貸してください。
出来る範囲で構いません。
今、会社側は、添乗員は無関心な人間の集まりだから
こんな組合活動は長くは続かないと思っています。
そのとうりにさせてはならないと思うのです。
人間らしく生きられる様に、その実現の為に一緒に頑張りましょう。
私たちは全力で皆さんを守る用意があります。
心配、不安も有ると思いますが、勇気を出して下さい
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組合の皆様へ (一社員)
2007-11-08 17:35:07
本当の責任は阪急交通社本社にあることはマスコミも世間もみんなが知っています。

阪急交通社の責任で、添乗員の皆様の入社以来の残業代を添乗員全員に戻すべきです。

添乗員の皆様が15時間・16時間労働でクタクタ、ヘトヘトになって働いた労働への正当な対価です。堂々と請求して堂々と受け取って下さい。

本社は、最低でも記者会見して全添乗員への謝罪はないのですか。払えばいいだろう、時効だから過去2年分だけ払ってやろうというのは、世間からは盗人猛々しい居直りと写りますよ。コンプライアンスがきいて呆れます。

なにせ人様の金を違法に奪っていたのですから。
普通一般世間ではそれをドロボウといいますが。

添乗員の方に申し訳なくて、今、世間の目も厳しくて社員も肩身が狭いです。

わが阪急交通社さま。一刻も早く世界に恥ずかしくない企業になって下さい。

HTS支部組合の皆様、
私のように考える社員もいることも覚えていてください。
返信する
一社員さんへ (組合員の一人)
2007-11-08 18:45:11
心温まる応援。ありがとうございました。
本当に元気がでます。
社員の方々の中にも私達の活動を応援して下さっている方がいらっしゃるのは、組合員の皆に力を与える原動力なります。
でも、私たちは私達添乗員だけが良い環境になればそれで良いと思っている訳ではありません。
この旅行業に携わる人々皆が苦しめられていると感じています。そんな人々の生活までに私たちの活動は広げていかなければならないと思っています。
一社員さん、貴方にもHTS支部に加入する資格があるのです。社員の皆様も一緒に立ち上がりましょう。
社員の方々にも、仕払われていない未払い残業代はあるのではないですか?待遇面や精神面で苦しめられている事は?
どうかHTS支部にご相談ください。
私たちは日本国中、また世界中の旅行業界で働く人々を、その生活の改善までをにらんでいます。
皆さん、協力してください。
力を貸してください。
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Unknown (ルネッサンス)
2007-11-08 22:47:38
かならずや、辛く流した涙の分以上の結果があると信じています。茨の道も何人も通れば道となり、あたり前の様に人々が通る路になるでしょう。
みなさんのがんばりは、すべての労働者の希望でもあり、陰ながらいつも応援しております。
がんばって!!!
返信する
旅行社だから? (Unknown)
2007-11-09 11:51:52
旅行社だから、法律を守らなくていいのか? 旅行社だから、詐欺まがいの事も許され,

旅行社だから、払わなくてはいけないものも,払えないからいいだと? いったい,旅行社は何様のつもりだ?そして、何故?そんな旅行社を野放しにしておくのか? おかしいぞ! 厚生労働省!!それならもう,税金なんか払わないぞ!理由は阪急と同じ理由だぞ!よく考えろ!
返信する
Unknown (Unknown)
2007-11-09 13:12:51
新聞や広告などで名前が知られているためコンプライアンス(法令遵守)に配慮したように会社の体裁はしているくせに、その業務の一端を担っている派遣会社の添乗員に対しての労働環境、条件を全く無視。
そもそも日本国の法律すらを順守せず、行政の指導にすらタテをつく。

いったいこれってどうゆうこと?
もっと新聞やメディアに訴えたい
返信する
不買運動!参加者側に協力できること (一参加者)
2007-11-09 23:46:50
旅行会社の違法性は明らかなのに、非を認めないばかりか逆ギレし、法律違反の主張を変えない旅行会社の姿勢には本当に呆れてしまいます。

ツアー旅行はお手軽で安価なので各社ともよく利用していますが、添乗員さんのお仕事は見ているだけでも大変なことがよ~くわかります。

阪急さんを含め、格安なツアーにも数十回は参加しておりますが、最近「格安」を売りにしているツアーが「格安」だとは感じられなくなりました。何故なら食事や入場料がついていないことが多く、オプション代金の支払いが旅行代金と同額近く・・なんてこともよくあるからです。加えて国内ではここ数年はバスガイドさんがいらっしゃらないツアーが増えました。

そして、あの格安料金のカラクリがここを読んでわかりました。要は客が払う高額のオプション代金に加えて、添乗員さんや乗務員さんの健康や生活を削っているから成り立つわけですね。会社側の立場にある添乗員さん。例え派遣であろうとなかろうと、会社が守るのが筋です。社員(派遣社員含む)を大切にできなくて、どうして見ず知らずの客を大切にできるのでしょうか?

考えてみると、格安のツアーになればなるほど電話受付の対応も悪いものです。最終の案内状も中々手元に届きません。アンケートでクレームを書き事情説明を求めてもその回答はきません。確かに個人で旅行をするよりはお安く、全てをお任せできるので安心なのは魅力ですが、ひとたび事故などが起これば、客も見捨てるのでしょうね。会社のために働いてくれる添乗員さんをここまで苦しめているわけですから。

消費者だってバカじゃありません。中には「安ければ安全なんか関係ない」というお客もいるでしょうが、少なくとも私と私の旅行仲間は北欧の旅198000円で命を落としたくはありません。

最初は「ツアー代金が安い!」に飛びついたとしても、様々旅を重ねるごとに消費者だって学習していきます。安い旅行ほど寄りたくもない土産物屋に監禁され、相場より高い土産を買わされ、それを苦情としてアンケートに書いても黙殺されるだけなのですね。旅行会社は、お客をもお客として見てないわけです。察するに自社の利益のために、あれだけ働いてる添乗員さんに対する仕打ちより、お客に対して実は見下してる部分が多いのではないでしょうか?

最近は食の安全に対する意識が高まっていて、食品を扱う会社がいろいろと問題になっておりますが、消費者の安全をないがしろにしている旅行業界が問題になる日は近いと思います。

添乗員さんやドライバーさん、ガイドさんが正当な報酬を受け、お客も「この会社にして安心」と思えるような旅行をどうか企画してください。今のままだと、良識あるお客ほど、ツアーから消えていきますよ。私と私の旅行仲間も法律を守れない会社のツアーには今後参加いたしません。本来、楽しいはずの旅行が、実は添乗員さんたちの犠牲の上にしか成り立たないと知ってしまったからには、楽しめないからです。

消費者の口コミ・・バカにしないでくださいね。料金は上がっても結構です。旅行者の立場に立ってのプランの作成を心から願っています。




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全てがめちゃくちゃ (現役添乗員)
2007-11-10 10:01:13
アイテナリーが予定???

ではなぜ旅程保障違反があるの???

予定は未定なので旅程保障違反の返金はおかしいのでは???

添乗員に自腹で払わせているでしょう???

決定事項に対して違反返金があるのでしょう???

なんか法律もめちゃくちゃな業界ですね。

何を信じていいのやら???
返信する
へ? (HTS組合員)
2007-11-10 15:43:39
なんですか、この会社…

私はなんでこんな会社でバカ正直に「みんなが楽しめるような旅行を!」なんて思って働いてきたのでしょうか…

法律的な部分は正直言って理解しにくい部分が多かったのですが、みなし労働なら日当最低3万スタートならば納得してもかまいません。それが正当な賃金ではないでしょうか?

残業代3時間含む? 意味不明すぎです。 

私たちが求めているのは狐と狸の騙し合いの様なものではないのに、とことんバカにされている気持ちです。

私は会社に組合員という事は公表していません。やはり居心地の心配、アサインへの影響の心配などなかったといったら嘘になります。でも、こんな事、今までと同じ様に黙って満足しているかの様に働き続けたら、どんどん年だけ取って、働けなくなったらポイされるだけです。

残業代、過去の日報が少ししかなく記録をキチンと残していなかったのですが、わかる範囲だけでも申請します!!!絶対します!!!

組合に入ろうか考えている他の方々、もらっていて当たり前だった自分のお金です。取り返しましょうよ!
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東京三田労働基準監督署 (東北添乗員)
2007-11-10 17:09:20
東京三田労働基準監督署殿
全国の添乗員が息を詰めて皆様の動向を見ています。皆様の是正指導や法律を守らない会社には次はどうなさるのですか。
私たちを失望させないで下さい。
お願いします。
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