シリーズ労働組合入門 ~その6 労働組合結成の準備
会社の横暴から働く者が自分たちの権利を守ろうとするならば、働く者の団結体である労働組合がどうしても必要となります。職場の仲間も心の中ではあなたと同じように労働組合を望み、誰かが声を上げるのを待っているのです。
さあ、勇気をもって立ち上がり、今の職場を自分たちの力で働きやすい明るい職場に変えるため、職場に労働組合を作りましょう。
しかし、労働組合の結成を歓迎する経営者はいないといっていいでしょう。そこで労働組合の結成にあたっては慎重に、十分な準備をして事を運ぶ必要があります。
まず、全国一般東京東部労働組合のような地域の誰でも加入できる<地域労組・ユニオン>に職場の心ある有志で相談に行きましょう。会社には秘密で労組結成準備会を作り、職場の仲間を増やしていき、その間に労基法・労組法を勉強しましょう。
御用労組に注意!
労働組合を作る時に気をつけたいことは、「名ばかり労働組合」「御用労働組合」です。正社員しか入れてくれない労働組合や会社の味方ばかりして、実際は労働者をいじめてくる労働組合もあります。大企業の会社内の労組に多いので、ここには相談しないほうが無難です。会社に筒抜けになり、労組作りを邪魔されたり、逆に「本当の労働組合」の結成を恐れた会社と話を付けて、会社と一緒に上から命令して「名ばかり労働組合」「御用労働組合」を作る事もよくあります。これでは組合費だけとられて、職場の中はますます締め付けが厳しくなり、労働者は以前よりも自由に声も上げられない状態になってしまうのがオチです。
また、まともな労働組合では組合員同士差別をしてはいけません。ボスが支配するのも本当の労働組合とは言えません。
正社員もパートも契約社員も派遣社員も、また日本人も外国人も、若い人も高齢者も、男性も女性も、健常者も障害者も、労働者を差別しないで助け合っている地域の労働組合を選びましょう。
次に職場で組合への加入を呼びかけます。勿論、この段階でも会社には秘密です。仲間とひとりひとりじっくりと話込み、会社への不満・要求、残業代未払いや有給休暇を与えていないなどの会社の違法行為を調査していきます。
仲間が増えたら結成大会です。組合規約採択と役員の選出、要求の決定です。
いよいよ、会社に労組結成の通告と要求提出と団体交渉の申し入れをします。
<みんなで討議、みんなで決定、みんなで行動>
でも自分にそのカリスマ性はない。
やったところで、今のささやかな生活が脅かされる事のほうが怖くて、賛同してくれない。
賛同してくれる社員を募れるほど自分にカリスマ性がない。
そんな時、どうすればよいですか?