NPO法人労働相談センターと全国一般東京東部労組への労働相談の内容は、2008年秋のリーマンショック以降、それまでの「賃金」を「解雇」が抜いてトップとなり、現在もそれが続いています。「解雇」は1月は103件、2月は141件でした。今回、その中のメール相談53件の「解雇理由」をまとめました。
言うまでもないことですが、家族を抱えた人も独身者も、労働者にとって「解雇」は、生活そのものが奪われ、一挙に貧窮生活を強いられる怖ろしい事態であるばかりか、労働者のそれまでの人生や誇りを無残にも否定し、人間関係・社会関係における友情も信頼も全て破壊する残酷なものです。だからこそ昔から<労働者にとって死刑に等しい>と良く言われる所以です。メールに潜む、解雇された一人ひとりの<怒り・憎しみ・絶望・・・・>に私たちがどう向き合うのか問われていると思います。
それにしても経営者諸君によるこの「解雇理由」の軽さはどうでしょう!。いかに労働者全体が舐められているか・・です。
今後、「解雇理由」と「いじめ」をシリーズで紹介していきたいと考えています。
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シリーズ「解雇理由」2010年1月・2月分
(「解雇・退職勧奨・退職強要」のメール相談事例のまとめ)
NPO法人労働相談センター
全国一般東京東部労組
2010年7月1日
2010年1月・2月分
1)「経理(経費や支払い)の仕事が遅い」と即日解雇。(ホテルの支配人)
2)対向車を避けるため、やむなくハンドルを切り縁石の縁をこする交通事故。解雇(バス運転手)
3)職場で自分の商売(ネット販売)の勧誘が見つかり即日解雇
4)「辞めたことにして失業保険をもらって働け」を拒否したら即日解雇(不動産事務員2名)
5)外資系の会社、「日本から撤退」で社員全員解雇
6)「試用期間終了」で解雇
7)「広島トレーニングセンター」に労働相談し、センターが会社にアドバイスしたら契約期間延長拒否で解雇。
8)「正社員から契約社員になれ」。断ったら解雇
9)妊娠を伝えたら解雇(百貨店婦人靴販売)
10)自宅待機が3か月続き、退職勧奨(TVカメラマン)
11)育児休業後復職したら労働条件を悪化させられた上、退職勧奨(証券会社総務事務員)
12)突然電話で即日解雇(30年勤続マンション掃除)
13)業務用の車を何度か私用したことを「業務上横領」とされ懲戒解雇
14)「健康診断のY-GTPの数値が高い」と内定取り消し(病院)
15)妊娠が発覚してから嫌がらせ・パワハラ始まり、退職強要
16)経営危機のため、「賃金半額か退職かどちらか選択しろ」(学校事務員全員)
17)正社員から契約社員へ変更に応じないと解雇(営業事務員全員)
18)うつ病で病気休職期間終了で復職したら退職勧奨
19)事業縮小で遠方へ移転で行けない者は解雇
20)派遣先の派遣契約更新拒否で解雇
21)退職希望を伝えたら、即日解雇(美容院)
22)妊娠を報告して産休を請求したら解雇
23)3日間の研修も行った後、入社8日目で突然解雇
24)うつ病で休職。復職の準備中に退職強要
25)翻訳中、後ろで何度も大きな咳。やめて欲しいと要請したら、派遣元から契約終了(翻訳派遣労働者)
26)「子供の数が減ったのでやめてもらう」(保育園臨時職員)
27)「全社員給与3万円カットか退職」を迫られ退職(経理部主任)
28)「営業ノルマに達しないので契約更新しない」(2年5カ月の契約社員)
29)日本での業務縮小を理由に即日解雇(中国系香港子会社へ出向中の社員)
30)経営悪化で経費節約を理由に契約解除(アルバイト事務)
31)派遣先から「もう5年だ。派遣はそんなに長くできない」と更新拒否。(銀行事務派遣労働者)
32)社長からの携帯メールで解雇通知。理由はわからない
33)業績悪化と労働者のささいな作業ミスを理由に解雇
34)60歳定年で解雇(卸売市場青果仲買パート)
35)「パフォーマンスが悪い」で即日解雇
36)新店長が「一緒に働きたくない」と解雇(コンビニ勤続4年パート)
37)セクハラを拒んだら契約更新拒否(派遣2年2カ月勤続事務)
38)「パフォーマンスが悪い」と退職勧奨(外資系に合併、営業)
39)「仕事が遅い、融通がきかない、時間通り退勤する」で解雇
40)内定取り消し
41)業務の改善を依頼したら解雇(契約社員)
42)契約社員に「準社員の募集」があり、応じたら面接で退職願いの提出を命じられた(契約社員)
43)夜勤など労働時間の大幅な変更を断ったら解雇(パート)
44)人員削減で解雇(薬局事務スタッフ)
45)「容姿が気持ち悪い、皆に嫌われている」で解雇
46)「業績不振を理由に契約終了」で解雇(1年契約で2年、その後3か月契約を1回の契約社員)
47)「向いていない」と試用期間中4週間で即日解雇(住宅営業社員)
48)リストラで退職金もなく解雇
49)2か月間の病気休職中、復職を相談したら、「経営が苦しいので」と解雇
50)契約社員からアルバイトに降格させられ、その上、シフトを入れてもらえず、事実上の解雇
51)会社更生法適用、解雇(勤続10年現嘱託社員)
52)「出向先が決まらないので」と解雇(IT関連正社員)
53)「業務に対する理解力が不足している」で解雇(飲食店接客)
こんな解雇理由が通用すると、経営陣は思っているのでしょうか?
戦いましょう!みんなで知恵をつけて、戦いましょう!
そして労働者同士、情報を共有しましょう。