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全国一般東京東部労働組合の記録

病気やケガで休んでも「傷病手当金」の支給がない?!

2010年06月01日 12時43分14秒 | 労働相談

大病院の看護師なのに、病気やケガで休んでも「傷病手当金」の支給がない?!

おめでたい出産でも「出産手当金」がでない?!

「健康保険」は会社で入れてくれるもの、「国保」は個人が自分で役所に行って手続きをするものと思っていて、会社からもらってみたら「国保」?!


会社で健康保険に入ったつもりなのに…
「国民健康保険組合」にご注意を!

 晴れて入社―会社に健康保険の加入手続(被保険者資格取得手続)をしてもらって、さぁ「健康保険証」(健康保険被保険者証)を受け取るとき、ある種感慨深いものがありますよね。でも、これで安心しきっていませんか?渡された保険証のタイトルをよくよく確認してみましょう。「国民健康保険」という名称が入っていたら要注意!「健康保険」と「国民健康保険」とは意味合いがまったく違います。

 「健康保険」というのは健康保険法に基づき、会社に雇用される者(労働者)を対象とした、全国健康保険協会都道府県支部または健康保険組合が運営する(運営者のことを「保険者」といいます)「被用者保険」いわゆる社会保険です。
 一方、「国民健康保険」は国民健康保険法により、労働者以外の自営業者などをカバーします。保険者は市区町村等地方公共団体。両保険のもっとも大きな違いは保険給付面にあります。 
 健康保険には疾病時・出産時の所得保障を目的とした「傷病手当金」及び「出産手当金」各制度が設けられていますが、国民健康保険では未整備です(法令上はそれぞれの保険者の判断で措置できるようになってはいますが、財政的観点から同様の制度を設けている地方公共団体は現時点では皆無です)。

 零細・中小個人事業主が比較的多い、建設、食品、美容・理容関連など、おもに一般消費者向けに営業活動を展開する事業にあっては、「国民健康保険組合」という独自の保険運営団体を設置し、個人事業主とその労働者・家族をまとめて保険加入させるという制度もあります。このシステムは、健康保険への適用範囲拡大の経緯(健康保険への法人事業所の加入義務化は実現しましたが、事業の種類によっては個人事業所がいまだ加入できないという重大な”落とし穴”もあります)から、なるほど「国民健康保険組合」が重宝がられた時期もありました。ところが、当時は個人事業主で、労働者への賃金支払いもままならない状態で経営してきた事業所も、いまや法人(会社)化され、何十人何百人という労働者を抱えているにも関わらず、健康保険に衣替えもせず、「国民健康保険組合」という間尺に会わない過去の残滓にしがみついている企業が多くあります。現時点で新規に保険加入しようとすれば、当然のことながら健康保険への加入義務を有するのに、です。保険料の負担が少ない(健康保険では定率制・労使折半負担。一方国保組合は定額制・事業主は労働者分の負担なし)ことに加え、保険料全額自己負担という事実が示すように事業主が労働者に対し「自己責任」の論理を打ち立てやすいということも手伝い、こうした企業連はこの「既得権益」を一切手放そうとはしません。

 労働者が病気やケガをしたとき明日の不安にかられて静養どころではない、オメデタなのにお金の心配をまずしなければならない―本来会社が面倒を見るべき、百歩譲って公的保険で救済されなけらばならない緊急時の所得保障政策が、正に”骨抜き”にされている現実。今こそ目を向けなければならないと思います。

 国民健康保険組合に加入している企業は、直ちに健康保険制度に衣替えをし、社会的責任をシッカリ果たせ!所得保障を「自己責任」にすり替えるな!

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