秋のハイキング
9月ー11月
東京鐡道局
富士白糸の瀧ハイキング 一般向
愛鷹山ハイキング 健脚向
明神、明星ヶ岳ハイキング 一般向
相模丘陵ハイキング 家族向
發驛 = 省線 = 大磯 ー 二キロ餘 三十五分 ー 千畳敷山 ー 三キロ 三十五分 ー 河内 = バス 三〇分 = 二宮驛 = 省線 = 發驛 ( =區間運賃例 東京より二圓十五錢 )
( 割引運賃が發驛大磯間普通往復運賃より低廉なる場合は後者を以て割引運賃と致します。)
千畳敷山は大千畳とも言って小千畳に對して居り、( 小千畳は故安田善次郎翁が開拓開放された遊園地でその頃には明治天皇觀漁記念碑が建てられてある。驛から約二五〇米である )頂上は名の如く廣い臺地で草原をなし子供連の行樂に好適である。( 指導標は完備してゐる )
驛から指導標に從って一五六分附近の松林中の別莊地帯を過ぎれば道は山裾廻りの緩傾斜となるが時に明い赤松の肌に目をみはり、或は雜木の間に相模灘を覗きつゝ歩めば何時しか山の頂に出る。
此處は湘南第一の展望と言はれ我が國、海水浴場の元祖である大磯海岸を脚下に遠く房總、江の島、大島、初島、眞鶴岬等の影を歷然と指摘する事が出來る。又附近には曾我兄弟に關する傳説もある。頂上には賣店が出る事もあるが常時ではないから飲食物は用意されるのがよい。
下り道は旭村萬田迄一粁一五分で途中やゝ急傾斜もあるが大體緩やかな道である、方田から更に二〇分程で小學校を過ぎ河内に着く、道の左側に旭村授乳所がありバスは此の横を通って二宮に行く、
河内の隣根坂間には史蹟名勝地の寶殊院があり、横穴古墳があるので名がある。
又寺坂には王福寺がある、此の邊は鎌倉時代相模國府のあった所で王福寺の像は當時の名殘を止めるもので昭和二年國寶に指定された。
河内二宮間のバス回數は頻繁ではないし、又河内には待合所もないから豫め大磯驛で河内通過の時刻を問合せられると好い。
或は二宮驛から寺坂へ立寄り千畳敷に向はれるのもよい。
二宮ー河内間
バス時刻 午前六時半より午後七時まで大體一時間間隔
大山、ヤビツ峠(丹澤林道)ハイキング 一般向
( 五萬分地圖 秦野)
發驛 = 新宿 = 一時間十分 小田急 = 伊勢原 = バス二十分 = 大山町 ー 一、五粁 三十五分 ー 追分 = 八分 ケーブルカー = 下社 ー 〇、一粁 五分 ー 下宮 ー 二粁 一時間廿分 ー 奥の院鳥居 ー 15分 〇、五粁 ー 大山(奥社)
大山(奥社) ー 5分 ー 奥の院鳥居 ー 二粁 三十分 ー ヤビツ峠 ー 舊道 一、五粁 三十分、 丹澤林道 四粁 一時間餘 ー 蓑毛 = 二十五分 バス = 秦野町 = 三十分 バス = 二宮 = 省線 = 發驛
( =區間運賃例 新宿より二圓四十五錢 )
新宿から小田急で伊勢原へ、伊勢原からからバスに乘る。坦々たる道路二十分で大山町の入口に着く。( 途中右手に太田道灌の墓がある )こゝから石段の多い、爪先上りの參道が鈴川の溪流を縫って續いてゐる。正面には雨降山の稱ある大山が嶷然として聳え立ち、兩側の町並には、いかめしい門構へで先導師何某と云ふ名札の家が多い。先導師とは大山阿夫利神社と信者の間に介在する參詣斡旋業者である。追分驛よりケーブルに乘る、車は四十五度の急傾斜を以て懸崖絕壁を進み車窓の展望は洵に素晴しい。( ケーブルの途中には雨降山大山寺があり、良辨僧正の開基、本尊の國寶不動尊は美術史上貴重な逸品とされてゐる )下社は相模野を一望に収むる展望臺。白蛇の如くうねる相模川のつきる處が相模灣である、その煙靄の中に江の島の遠影も望まれる。阿夫利神社は石尊大權現を祀り、二千餘年昔崇神天皇の御代に創建せられ、武將の信仰が篤い、頂上奥社には下社左裏手の石段を上るもよし、石段道の更に左手にある道を選ぶも十六丁追分茶屋で合する。何れも石の多い急坂は歩き難い。
奥社鳥居の前でヤビツ峠行の新道と合する。頂上奥社前よりは相模野一帶、丹澤山塊、中でも塔ヶ岳の眺望を恣に樂しめる。
奥社參詣後は背後のお中道めぐり道を左にとっても、右にとっても鳥居の前に出る。こゝからヤビツ峠新道まで引返す。新道の展望は左に相模野、右に丹澤山群、帶の樣な丹澤林道ー平野と山塊の交響樂ー急坂はグン〱はかどってヤビツ峠まで一瞬の中である。途中防火線に行き當るが道を左に取ることを忘れてはならない。其の他は導標完備してゐる。ヤビツ峠を通る丹澤林道は東丹澤の御料林開發の爲、昭和六年約十七萬の巨費を投じて完成された材木搬出路で、この林道に依れば簔毛まで緩い下り路、友との語ひ歩きに快適である。途中展望臺もある。
多摩丘陵ハイキング 家族向
多摩古城址ハイキング 家族向
武相國境峰ノ藥師ハイキング 家族向
扇山ハイキング 一般向
妻坂峠ハイキング 一般向
十文字峠ハイキング 健脚向
神津牧場ハイキング 一般向
碓井、霧積ハイキング 一般向
那須火山縱走と甲子溫泉ハイキング (健脚向)
東葛飾ハイキング 家族向
( 五萬分地圖 東京東北部)
發驛 = 汽車 二十八分 = 金町 ー 約一キロ半 二〇分 ー 柴又帝釋天 ー 半キロ 一〇分 ー 柴又驛 ー 電車一〇分 八錢 ー 市川國府臺驛 ー 約一キロ半 二〇分 ー 里見公園 ー 一キロ半 三〇分 ー 弘法寺、手兒奈堂 ー 一キロ 二〇分 ー 市川警察署前 ー バス五分 五錢 ー 八幡神社、藪不知 ー 半キロ 一〇分 ー 本八幡驛 ー 省線 ー 兩國
( =區間運賃例 東京より四十錢 )
史蹟を探ね名刹を訪ふて江戸川べりを家族連れで散策するに恰好なコースである。
柴又帝釋天へー。
常磐線金町驛で下車、驛前三叉路の眞中の舗装道路を三〇〇米程進み陸前街道を横切ると間もなく、江戸川堤に出るそこから櫻並木の土堤を南進すると間もなく右手に寺の瓦甍が見え始め軈て柴又帝釋天に着く、この帝釋天は正しきは經榮山題經寺といひ、日蓮宗の寺で昔は一草庵であったが寛永六年日忠上人が堂宇を興して寺としたもので本尊の帝釋天像は日蓮上人が自ら彫刻したものと傳へられ俗に板本尊ともいはれてゐる。
里見公園へは柴又帝釋天參道の茶店前を通り五分程で京成柴又驛に出るこゝから電車に乗り市川國府臺で下車驛前の土堤を右へ江戸川に沿ふて進むと軈て里見公園に至る、こゝは永祿の昔里見義弘が北條氏康と戰った趾である。
園内からの眺望は頗る廣豁で眼下に葛飾の沃野を眺め、遙かに秩父丹澤の連山を望むことが出來る。弘法寺、眞間手兒奈堂へは公園出口から右へ折れ衞戌病院前の岐路を左折、兵營の柵に沿ふて行けば間もなく野戰重砲第七聯隊の正門に出る。正門前の練兵場を横切ると十五分程で弘法寺に至る、境内には丹塗の仁王門がありこの中に運慶作と傳へられる黒色の仁王尊が安置してある。又寶藏にある甲子大黑天は日蓮上人の自作であるといふ。此處から數十段の石段を降ると手兒奈堂に至る。靈堂は天平九年に行基が弘仁十一年に弘法大師に依って再興せられて面目を一新し、更に文化年中に改築せられたもので昔から安産子育の靈神としてよく人に知られてゐる。
八幡神社、八幡藪不知へは手兒奈堂から左へ入江橋を渡り京成電車道を横切ると市川警察署前に出るこゝで船橋行バスを驅って五分で八幡神社に着く。本宮は遠く寛平年間の創建で、宇多天皇の勅願により石淸水八幡宮を勸請したもので、歷代の國司武將の崇敬厚く、就中源賴朝は建久年間社殿其の他を造營し、武運長久を祈願したと傳へられてゐる、境域は廣大で千本松公孫樹、鐘樓、宇多天皇勅額初代廣重肉筆の額等見るべきものが多い。傳説に名高い八幡藪不知は一ノ鳥居前にあって三百坪ばかりの眞竹や雜木の藪で石柵を繞られてゐる。こゝから省線本八幡へは鳥居前から右へ千葉街道を横切れば五六分で出る。
〔蔵書目録注〕
上のカラー写真は、最近の湘南平の新展望台(展望レストランの上)からの、富士山、大山、江ノ島。