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喜歌劇「ブム大將」 結婚の夜の歌 (セノオ楽譜 No.201) (1920.9)

2021年06月23日 | 音譜目録、楽譜目録、セノオ楽譜他

 

喜歌劇「ブム大將」
  結婚の夜の歌
    Senow No.201

       喜歌劇「ブム大將」 
      結婚の夜の歌
        “ Chant et Nocturne ”
      LA GRANDE DUCHESSE
              小林愛雄譯詞(著作權所有)
                 Jacques Offenbach 作曲

 喜歌劇「ブム大將」の中の
   結婚の夜の歌
          オフェンバハ 作曲
          小林愛雄   譯詞

 フリッツ元帥は功成り名遂げて、相思の愛人リンダととこしへの契りを結ぶことが出來た。この夜新郎新婦は、相携へて宮廷へ來ると、女官をはじめ、文武百官の人達からの歌で祝賀を受ける。

    結婚の夜の歌
一同合唱
 嫁御 よめご を連れて來て、  用事を濟ませた、
 これからは两人 ふたり で、  嬉しい幕です、
 嫁御を連れて來て、  用事を濟ませた、
 用事を濟ませた、
    (夜曲)
パック男爵。(フリッツに)
 新郎、さらば、さらば!
合唱。
 御機嫌よう!
パック男爵。
 無事で、幾久しく
合唱。
 御機嫌よう!
パック男爵。
 無事で、幾久しく
合唱。
 御機嫌よう!
パック男爵。
 樂しくお暮らし、さらば!
合唱。
 御機嫌よう!
ブム大將。(ワンダに)
 奥樣、さらば、さらば!
合唱。
 御機嫌よう!
ブム大將。
 旦那が浮氣したらー
合唱。
 御機嫌よう!
ブム大將
 笑つておとめなさいー
合唱。
 御機嫌よう!
ブム大將。
 嫉妬 やきもち を燒くなよ、さらばー
合唱。
 御機嫌よう!
ブム大將。
 おたのしみ、おたのしみ、さらば、さらば!
合唱。
 さらば、さらば、さらば‥‥
   梗概
第一幕ーある公國に若い女公が居た、今度隣國と開戰に決し明日は出征といふので、今しも兵士は踊り騒いでゐる所へ、ブム大將が現はれ、女王殿下の検閲が間がないと、新兵フリッツに番兵を命じ、一同を引連れて退場する。折柄フリッツと相愛の田舎娘ワンダが來て接吻する所をブム大將に見附る此の時殿下の養育係パック男爵登場して戰爭の原因を語る。
  やがて女王殿下の臨場となると、計らずフリッツがお目に留り、忽ち大尉に昇進して殿下に『軍隊の歌』を唱ふ。間もなく殿下を慕ふポール公子登場し、殿下との結婚が抄取らぬ爲め、新聞に冷笑された事を語る。殿下はそれを耳に掛けず、作戰計畫の會議に移る。席上、ブム大將の計畫はフリッツに嘲笑され、フリッツの意見は殿下に迎へられた爲め、フリッツは卽座に元帥に任命され、殿下はフリッツに先祖の劒を贈つて出征せしめる。
第二幕ー戰爭は大勝利に終った。女官達は戰地からの手紙を開いて嬉しがつて居る所へ、フリッツ元帥以下凱旋し、戰況を歌で報告する。殿下はフリッツに、それとなく胸中を打明けるがフリッツは風に柳と受け流す。ブム大將パック男爵は、フリッツに快からず、ポール公子に向ひ、前の女王殿下の時、その相愛のマックス伯爵が暗殺された事を語って一味徒黨とし、今後フリッツを暗殺する事に定める。時しも女王殿下來合せて、自分の戀の叶はぬ爲め、此の密謀に加はる。
第三幕第一塲 女王殿下は板の間に昔マックス伯爵が殺された血痕を見て感慨にふける所へ、ブム大將等來り、共に陰謀を畫す。この時ポール公子の使者グロック男爵が來ると、殿下は一目見るより亦も心を寄せる。けれどグロックは言葉巧みにポール公子との結婚を殿下に承知させる。此に陰謀は成らず一同は落膽して私かにフリッツに對する復讐を計り、ポール公子は狂喜する。時にフリッツはワンダとは新夫婦として登場して物語る折から、ブム大將等は敵軍來襲を告げるので、止むなくフリッツは出馬する。 
第三幕第二塲 ポール公子と女王殿下とは婚約が出來たので、祝宴が始まる。その時ブム大將は、近頃懇ろな女の處へ訪問した事が、その良人に洩れて、今度男が來たら、打擲するといふ噂をきく。敵軍來襲と欺いて、フリッツを自分の替玉にやった事を語る。折からフリッツは、衣服も引破られ、散々の體で歸って來るので、殿下は元帥の敗北をその儘にはして置けず、大佐、大尉、一兵卒と段々に官を下げてしまふ。フリッツは喜んで官をすて、ワンダと故郷へ歸る事となる、元帥の冠はグロックに與へられようとしたが、グロックに妻子があると知れて、再びブム大將の頭上に置かれる。
□此の歌劇の作曲者オッフェンバッハ(一八一九ー一八八〇)は巴里劇塲の指揮者であったが、巴里喜歌劇塲を建て、自作を公演した。彼の作は、百二十曲に上って居るがこの歌劇と『天國と地獄』『美しきヘレン』とは今猶歐米の舞臺に迎へられてる。
  【著作權興行權ー小林愛雄所有】

 セノオ樂譜二〇一番)
 大正九年九月十五日發行  [定價金三十錢]
 著作者 小林愛雄
 發行所 セノオ音樂出版社



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