【御真木入日子印恵命】
(みまきいりひけいにえのみこと)
【師木の水垣宮】に坐しまして天下を治めたまひき・・略・・
この天皇の御世に、【疫病】(えやみ)多(さは)に起りて、【人民】(おほみたから)尽きなむとす
ここに天皇、愁へ嘆きたまひて、
【神とこ】に坐しし夜
【大物主大神】、御夢に顕れてのりたまはく
「こは我が御心ぞ。故、
【意富多多泥古】
(おほたたねこ)をもちて、我が前を祭らしめたまはば、神の【気】起らず、国も亦安く平ぎなむ」とのりたまひき
★御真木入日子印恵命
崇神天皇
★師木の水垣宮
※三輪山の東南
奈良県桜井市金屋の志貴御県神
(しきのみあかたにますじんじゃ)
※神武天皇から開化天皇までの皇宮と御陵が奈良盆地の西南・葛城山から畝傍山の地域に集中〈葛城王朝〉
※崇神・垂仁・景行の三朝は三輪山の周辺東南部に集中〈三輪王朝〉
★疫病(えやみ)
悪性の流行病
★人民(おほみたから)
国民
★神とこ
夢に神託を受けるために、しつらえた床
★大物主大神
※偉大な霊力でその国土を主宰、守護する神
※海を照らして来、大国主神の国作りを助け、三輪山に祀られた
★意富多多泥古
(おほたたねこ)
※大田田根子
詳しくは未詳
★気
怪異
■御真気入日子印恵命(みまきいりひこいにえのみこと)〈崇神天皇〉
は、磯城(しき)の水垣宮にて、天下を治めた
崇神天皇の御世に、流行病が盛んに起こって、国民が死に絶えようとしていた
天皇は心配になり、神託を得るための床に休んでいたが、その夜、大物主神が夢に現れて
「流行病が起こったのは我が意志でやったことである。我が子孫の
意富多多泥古(おおたたねこ)をもって、我らを祀らせるのならば、神の祟りは起こらなくなり、国は以前のように平安になるだろう」と神託を下した