民の神々の伝導
農村、町、庶民の宗教的関心は社会不安と比例して向上した。除災求福の欲求とともに、宗教文学や芸能を喜んだ
中央貴族の変動、没落、天台宗の退潮から、下級宗教者たちの巡行による布教を余儀なくさせ、大衆農民の間にも唱導集団の遊行を活発にした
どのようにすれば庶民大衆の信仰を獲得しうるか、もっとも景迎されるものは霊的対象というより
【民の神々の伝導者たちの存在】
である
熊野比丘尼
歩き巫女
勧進聖
先達
御師
神人
説教聖
修験者
絵解法師
彼らによって
神仏の縁起
庶民信仰に関わりある社寺の霊験
とりどりの人間転生の歴史物語など
を説き演じられた
唱導宗教代表として「安居院」
語りもの文芸を集めた「神道集」
古事記、日本書紀の神話と似て非なる神々の話が語られ、現世・未来の願望信仰が展開する
南北朝頃成立