るるの日記

なんでも書きます

祭に用いる松

2021-02-26 10:16:23 | 日記
祭に用いる若松や、祭の当日に当親家の門口に立てる松をとるために半日がかりで男四人が山に入る

若松は五階五心の松、五重の松とも呼ばれる枝ぶりの松を探す。枝が五段で各段毎に五本の枝が揃っている松のことで滅多に見当たるものではない。祭の松とりにかぎり、誰の山からかりだそうと天下御免である

五階五心の若松は祭前日までに用意され、当日の祭壇の傍の床の上に安置され、神職の修祓、祈祷を受けている

床の上から当親が若松を下し、株を神職に向けて座敷の上座に置く。神職は若松を拝礼後に隣席の民子総代に若松を移す。総代は自座から座敷の中程に進み出て、若松の株の向きを上座になおし一礼して挨拶する

総代が自座を離れるのを待って、挨拶が始まる以前から数人の子供が若松の枝にとりつき、若松を起こすことを妨害している。この子供たちは稲田や用水路に害を及ぼす蟹に擬せられており、これを追わねば(若松から手を離させる)、若松を起こし、美事な稲とたたえ、豊作満作を祝うことは許されない

総代は田まわりの意味で若松の周囲をまわりはじめる
「🎶めでためでたの若松さまよ
枝も栄えて葉も茂る。
枝も栄えて、葉も茂りゃこそ
人はめでたの松という🎶」
と歌の数々を披露

田まわりを終え、蟹の子が退散すると

「よいよい。よいよい。よいよい。。。」と若松を起こし、担ぎ、上座に向かって若松を据え
「目出度し」
「万歳楽土」
と唱和する

総代は満面喜悦の色を表し若松を次座にまわす。以下順次、上座から下座、左右交互に一同が松祝いを進めていく

最後は当親が若松祝いをして作庭に担ぎ出す。かつては作庭に担ぎ出された若松を中心に庭躍りがひろげられ、暁に及んだ

祭・直会(なおらい)の献立

2021-02-26 09:31:32 | 日記
■長老の挨拶(司会)
長老「おればっかり頂いたんではうまくない。みなにもあげたい。ついては、どうじゃ、給仕衆」

給仕「なんでござんすか」

長老「どうじゃ、本家の親っ様はおらんか。脇杜氏もおらんか。女房衆もおらんか。呼んでこい

給仕「へい」

呼ばれた一同が長老の前に出る

長老「たいへんうまい酒じゃが、どうかしまいまでこの通り頼む。流しの戸を閉めて、酒に水など入れぬようにし、このようにうまい酒でどうか頼む」

一同「十分わかりました。その通りにします」

■直会の献立
★豆腐の納豆汁に、柚子・芹・唐辛子を微細に刻んだケンを汁に放す
★平椀には、底にゴボウ・人参・山芋・角切りの昆布・結びワラビを敷き、大かぶらの輪切り五片を巧みに重ね、その最上片に井桁に組んだ豆腐、その上に釣瓶のように配した五片の豆腐をのせる
★裏返したアテの葉に黒の煮豆一つまみ、大根のへぎ漬二片をのせる
★裏返した椿の葉にスルメを乗せる
★刺身はブリ、イカ
★なますは、大根、人参、ブリ、イカの手
イカの手は働き手であり長い二本は
切り揃えてある
★茶碗には里芋、ネギ、イカ、人参、こんにゃくなど
★ハンペイタは平椀の蓋に、平らに切った四角い豆腐をのせ、その中心に唐辛子を細く輪切りに刻んだものを一つまみのせてある
ハンペイタは、御神酒に副えたもので、神迎えの肴
★田楽豆腐は藁つとに串をさして釣り下げる。これは稲穂に見立てられ、配られる
★御神酒は甘酒。大鍋で用意される
★酒の給仕は
内銚子
外銚子
むかい銚子
なか銚子
おさらい銚子
と五回銚子をあらためて
入銚子、となる

■から手水
十七夜祭りの雰囲気が最高潮達する「松祝い」を始めるに当たり、全員が盆の上にのせた雪をなでながら手水を使い、手を清める。上座から順に給仕が盆を運ぶので下座までには雪は多少汚れる