るるの日記

なんでも書きます

巫女の歴史・巫女の神霊的価値は低下するが、社会の変動期には必ず復活する

2021-02-17 18:10:37 | 日記
天武天皇以降、宮廷中心の全国神祇制の中、古代巫俗は祭祀儀礼職に吸収された。律令政治は民族習俗と一致しておらず、神儒仏的宗教方針は民間信仰や巫俗を排除する方向へ進んだ

大化の改新直前、枝葉を採り木綿をかけ神話を語りながら騒いだ、常世神を流行させた東国の巫女「大生部多(おおふべおほ)」は、仏教信者の渡来豪族・秦河勝に弾圧された

儒教の合理観は、原始以来の巫俗である天神憑依や神託に批判を加え、経典を有する儒仏教は農村の自然神を軽視し、陰陽寮設置により従来の巫女の神霊的予言価値は低下した

しかし社会変動期には、巫祝信仰が必ず抬当し復活している

壬申の乱にて吉野軍に味方した土着巫祝の託宣は事実となって現れ戦略となった。託宣の神はコトシロヌシ・イクミタマ

在野の巫祝層は政争に志を得ず、陰謀にすたれた人物の怨霊や御霊の巫祝となった



巫女の歴史・神遊び

2021-02-17 17:31:39 | 日記
神遊びの歌

●「神がきの
みむろ山の
榊場は
神のみまへに
しげりあひにけり」
神の降下する神山と、聖樹の枝葉を設定し巫儀舞台を示す

●「しも八たび
おけど枯れせぬ
榊場の
たちさかゆべき
神のきねかも」 
憑依木たる神樹と、降神と、巫女の相関関係。神木に降臨した神は未だ無言である。神に語らせ、神語りを告げるのは巫女の託宣巫儀。神樹の枝葉を採り手にすることで、初めて巫女は神憑り状態になりうる。採り物によって神と巫女は結合する

●「みちのくの
あだちのまゆみ
わがひかば
すえさえより来
しのびしのびに」
陸奥岩代国安達郡安達太郎山産のまゆみで作った弓。弓は降神の呪具
われ(巫女)が呪力によって引きつけようとする相手は神である。だがまったく別の意味で客人(まれひと)のようにも受けとれる

※より来
降って来て、近づいて、依代たる巫女に寄りつく憑依現象と共に、客人が巫女の末裔たる遊女に近づく姿を彷彿させる。「しのびしのびに」で明らか

※末さえ寄りき
今だけではなく将来にまで私について来い。本旨はむろん弓の末に至るまで色々の神たちもついて来いよ

※しのびしのびに
暗黙のうちに隠微な憑依状態

巫女の歴史・天皇権威に勝るとも劣らぬ伊勢斎宮。一方で天皇権威にまとわりつく藤原氏

2021-02-17 16:58:35 | 日記
■奈良・平安の王朝時代は藤原北家の独裁制だった。藤原氏のよりどころは天皇の后妃を出すことにあった
天皇を神に見立て迎神し聖婚する巫女(后妃)の宗教的原理により政権中枢をも把握できる様式である

天皇の仕事は農耕祭儀とシャーマニズム的霊婚儀礼。天皇自身が大農業主であり巫王なのだ

■諸大社祭祀には、選ばれた女祭司が当てられる。最たるものは伊勢大神宮の斎宮である。天皇権威に勝るとも劣らぬ伊勢斎宮なのである
「天皇即位したならば、伊勢の大神宮の斎王を定めよ。内親王の未だ嫁がざる者を選び卜(うらない)せよ」
「斎王の卜定め終わると宮廷内の初斎院に移らせ明年七月まで隔離し物忌みをさせる。さらに清浄な土地で野宮という御殿を立て、八月から一年厳重な物忌みをさせる。伊勢斎宮に入ってからは皇祖神の巫女、神妻として生涯物忌みをまもらねばならない」

■賀茂巫女
天皇に即位したならば、賀茂大宮の斎王を定めよ

■古代国家神祇制の中心は神祇宮。神の子たる巫女でなければならない

巫女の歴史・葛城山と鴨族、三輪族、出雲族

2021-02-17 16:27:43 | 日記
■奈良県と大阪府境に位置する葛城山は、三輪王朝以前の古代王朝とも深い関係がある

■★鴨山口神社
★たかかもあじすきたかひこね命神社
★かもつみはやへ事代主命神社
など、鴨系信仰と出雲系有力神の集合的古社が散在しており、鴨氏族と出雲族との密接な関係がうかがわれる

■鴨氏族と出雲族との融合原因としては、大和王権統合において両族の氏神を中央神統符に編入した際
「オオタタネコは三輪君、鴨君の祖」とあるので、三輪族は出雲と同系(三輪山の大物主は出雲の大国主の幸御魂、奇御魂で同系)で、鴨君と同祖となる

■葛城山は山城国上下賀茂神社から丹波出雲神社の中間地点。また出雲から葛城山を結ぶ線上に、鴨族、出雲族は移動・混住している

■鴨族の祖先は玉依日子(たまよりひこ)。「賀茂神社縁起」川辺に迎神した玉依日売(たまよりひめ)の兄
■ひこ神・ひめ神という男女対偶神は原始信仰
■男巫・女巫の結合する巫術信仰
■男女双性シャーマニズム



巫女の歴史・ヤマトヒメ、天照大御神の祭場求め巡幸

2021-02-17 15:42:12 | 日記
ヤマトヒメはアマテラスの祭場求め巡幸。伊勢国に到って

「この神風の伊勢の国は、常世の浪の重浪。帰する国なり。傍国のうまし国なり。この国に居らむと欲ふ」

というアマテラス大神の託宣により、大神の教のまにまに、祠を伊勢国に立てたまふ。因りて斎宮を五十鈴川上に立つ。これを磯宮(いせみや)といふ。即ち天照大御神の初めて天より降ります処なり