るるの日記

なんでも書きます

自然の微細な変化=自然からの語りかけ

2021-06-29 12:59:07 | 日記

アマゾン奥地の先住民社会では、複雑きわまりない多様な動植物など生態系、すべての自然界から人間への語りかけを、コードを使って解読し、それらを分類して知的財産の体系を作っている。そのとき使われているのが、【分類】とそれを組み合わせる【構造】になる

現代人は電子的解析によって世界を認識しているが、人類ははるか以前から、自然界から送られてくる豊かなメッセージを、コードを使って解読し、世界を理解してきた。人類はそのはじまりからずっと知性的だった。その知性は具体物を用いて表現される

【現地人は鋭い能力でもって、海陸の全生物の所属性や、風、光、空の色、波の皺、さまざまな磯波、気流、水流などの自然現象のきわめて微細な変化を正確に記すことができた】

【現地人の天然資源利用はほぼ完璧で、商業時代の現在天然資源利用に、はるかに勝っていた。現在は目前の経済的利益を与えてくれるいくらかのものは徹底的に利用するが、それ以外のものはすべて無視し、破壊してしまうこともしばしばである】

現地人の用いる知性を【具体の論理】と呼ぶ。それは感覚に与えられる感性的な素材を用いて論理を働かせる。感性的なものと知的なものの2つが結合した論理だ

現代の私たちのように抽象的な概念によって物事を判断しようとするのではなく、この世界に満ちあふれている自然界と人間界の具体物を用いて思考する

先住民のものの考え方は、感覚的な能力を総動員しながら、世界を知的に認識していく

徹底的に研究し具体的に思考する未開の人

2021-06-29 11:41:29 | 日記
【自分のやることを、あらゆる角度から徹底的に研究するのは、未開人と農民と田舎者だけである。それゆえ、彼らが思考から事実に至るとき、その仕事は完全無欠である】

未開社会の人は、物事をあらゆる角度から徹底的に研究し、事物を具体的に思考する。自然界の物事に詳しい知識を持ち、それを生活に上手に利用している

民族学者が行くフィールドに、植物学者や動物学者も出かけて行くようになると、調査のために現地人の優れたガイドが必要になる。現地人の知識を教わりながら、植物採集や動物観察をしなければならない。だから対象となる動植物を学名と現地語の呼び方を併記する必要が出てきた。今度はその方法はを人類学者、民族学者も採用するようになり、調査のあり方自体が徹底したものに変わっていった
そんな現地ガイドのことをインフォーマント(情報提供者)と呼ぶ

さらに現地の人々の意識が高まってくると、現地知識人であるシャーマンや、神官や、王族などが、一緒に人類学の調査に入るようになる。彼らは自分たちの文化に対して強い誇りを持っている。そして動植物の一つ一つを敬いながらそれに関わる伝統の知識を丁寧に記述して民族誌をつくり始めた。動植物、気象を驚くほど詳細に分類し、それらの知識を組み合わせて自分たちの世界を作っている。たいへん深い世界観が潜んでいるのだ

心の構造・世界を区別分類し、区別分類したものを変換し、組み合わせ体系化する

2021-06-29 11:07:34 | 日記

■トーテミズム「人間は自然界と密接なつながりを持つ」という考えは神話、儀式、タブーを生んだ

トーテミズムは人類の宗教の原初形態
トーテミズムは、人間と動植物、鉱物、気象など自然界の現象との間に密接なつながりがあるという直観に発している

自分の先祖がそれら自然界の存在(トーテム)とつながりをもち、それゆえ自分とも深いつながりを持つという考え方で、さまざまなタブーや儀礼や神話の形で表現された

外婚性とは他のトーテム族とだけ結婚するという制度だが、人間社会の起源は婚姻制度であり、その婚姻制度の起源はトーテミズム。トーテミズムから一切の社会制度は発生した、、、と考える人たちが出てきて、当時トーテミズムはそれくらい重大なものとして理論化された

■トーテミズムを分解していくと、分類する人間の知性と、組み合わせ体系化する人間の能力が残った。つまり心

レヴィ=ストロースは、トーテミズムといわれるものは実在しないことを明らかにした

本来は別々であるものを結びつけて、体系を捏造したものがトーテミズムだと、次々に矛盾点を指摘し解体していった。解体と分解の果てに残ったもの、それが世界を分類する人間の知性と、分類したものを組み合わせ、変換しながら体系をつくっていく能力。つまり人間の心しか残らない

■トーテミズムは心の表れ

トーテミズムの考えは世界に対する分類思考から生まれ、根本は人間の言語の原理と同じものである。自然界の中から少数要素を取り出し、相関と対立によって構造を作り出している心のメカニズムの一例がトーテミズム。実体はない

■比喩は人間と自然に共通するところがあるから成り立っ

心で働いているのは、隠喩(メタファー)、換喩(メトニミー)。人間と自然という2つの並行したシステムの間に対応関係を見出だすことで比喩表現は可能になる

メタファー
「~のような」など類似を直接導く語を用いず、そのものの特徴を別のもので表現する比喩
※天使の歌声
※鉄の意志

メトニミー
ある物を、その一部を指す語や、それに関連深い指す語に置き換えて、言い表す比喩
※永田町→国政

口頭で自分の考えを即興でまとめる狩猟形思考

2021-06-29 10:07:21 | 日記
レヴィ=ストロースは【神話】と【トーテミズム】の研究を開始した

レヴィ=ストロースは講義形式によって、口頭で自分の考えをまとめていく方法を好んだ。あらかじめ用意した原稿を読み上げるやり方ではなく、簡単なメモや資料を手にしながら、半ば即興で思考しながら講義していくのだ。彼の思考方法は農耕よりも狩猟に近い

一定の土地を耕しておき、年毎そこから収穫を得るのではなく、新石器時代の知能である

構造主義のベース・親族構造

2021-06-29 09:53:03 | 日記
レヴィ=ストロースは【親族の基本構造】という博士論文を書こうとして、ヤコブソンに相談した

「親族を、コミュニケーションの一形態とする。集団ごとに記号としての女性が交換され移動していく。その過程を通じて、共同体がお互いの間にコミュニケーションを開くのが婚姻。そして親族構造がそれを規制している
女性を記号として、結婚のコードを使って、集団にメッセージが伝達される。それが親族構造の意味ではないか」

レヴィ=ストロースがそう語ると、ヤコブソンは「そんなこと、当たり前だろ。そのアイディアを展開してみろ」と、こともなげに言った

■ゴリラやチンパンジーも家族をつくるが、親族体系はつくらない。人間の場合は言語を使って、おじ、おば、父方、母方などはっきり区別を行い、複雑な結婚のシステムをつくってきた

そして動物がやらないことをする
母方のおじの娘
父方のおばの娘
と優先的に結婚する制度を持っていた社会が多い。未開社会ではこのやり方が一般的で、これを人類学では交叉いとこ婚とよぶ



結婚に「インセスト・タブー」を設けて、人間は厳重に結婚規制を守ろうとしてきた
可能な選択肢を減らし、限られた要素を組み合わせて、体系を作ろうとしている

親族構造は、自然から少数の要素を取り出して、弁別(区別)システムを作り、それを変換していく。柔軟的に変換していくことができ、そのようにして文化が形成される。構造主義のベースになってくる考え方だ