■ナチス(国民社会主義ドイツ労働党)は、復員軍人の伍長だったヒトラーが入党した1919年には、ヒトラーが55人目の党員という、小さな党だった
ナチスを率いる地位についたヒトラーは「民族自決の考え方によって、ドイツ人全部が1つになって、大ドイツ帝国を作ろう」「ドイツが食べていけるように領土を要求する」と主張した
また、ドイツ民族の優れていることを誇り、ユダヤ人を排斥した
一方で、戦後の混乱ですっかり落ちぶれてしまった、中産階級や労働者を惹き付ける要求を掲げて、支持をひろげた
ドイツ経済が世界恐慌で、大打撃を受けて苦しむようになったころ、ナチスはものすごい勢いでのびた
■1932年のドイツでは、仕事にありつけるのは3人に1人。不景気のしわ寄せを受けて、国民は不安と不満にかられていた
こうした中で、共産党がのびてきた。これを恐れた大資本家たちは、大金を出して、ナチスを助けた。軍部もナチスに期待をかけるようになった
こうしてナチスは、総選挙ごとに議席を増やし、1932年、第一党になり、翌年ついにヒトラー内閣ができた
■ヒトラーは国会に相談しないで法律を作ることを国会に認めさせて、ナチス以外の一切の政党を解散させた
1934年、ヒトラーは首相と大統領を兼ねた総統となって、独裁的な権力をふるうようになった
ヒトラーは、失業者を軍需産業や土木工事の仕事につけて、失業者を少なくした。一方では、言論の自由や基本的人権を厳しく抑えた。ドイツはナチス一色に塗りつぶされていった
1933年、国際連盟を脱退
1935年、ベルサイユ条約を破り捨てて、再軍備することを宣言した
■ヒトラーが書いた【わが闘争】
「大衆は女性的である。彼らを感動させ、信じこませるには、小さな嘘よりも、大きな嘘の方が効果的である」
と述べている。この言葉は当時、苦しい生活にあえいでいた国民の不安を、ヒトラーがどのように上手く操り、ナチス独裁へ導いていったかをよく示している
また、日本人に対して「彼らは真似は上手いが、創造力が乏しい」と書いている
ナチスの旗
赤→社会的理念
白→国家主義
カギ十字→アーリア民族(ゲルマン民族)の勝利のために戦う使命