郷土教育全国協議会主催の「柴田さんを囲んで懇談する会」が、柏市のJAZZスポット「ネフェルティティ」で開催されました。
郷土全協の古くからの会員であり歴史研究者でもある柴田武弘さんが、この度「米寿」を迎えられるということもあり、是非仲間内だけでも集まってお話を聞こうというわけでの開催です。
普段はJAZZ通が集まるここ「柏の軽井沢」も、今日はちょっと変わった人々が集ったわけです。(15名参加)
演題は「中将姫伝説と水銀」と題して1時間ほどの講演でした。
以下に一部を動画で紹介します。
https://www.youtube.com/watch?v=ohRUcgHJ6MY&feature=share
https://www.youtube.com/watch?v=_obYihuwuTg
伝説から出発した話も史実と照らし合わせながらとても興味あるお話でした。
その後は飲食しながら質疑応答を中心に関連ある話し合いが続きました。
平日の日中ということもあって参加者は非現役労働者ばかりでしたが、そうは言っても皆さん各地で足元の闘いをされている方ばかりで、話の中身は実に活気とラジカルさを欠くことはありませんでした。
会場であるネフェルティティのオーナーが、大音響のスピーカーからビルエバンスの曲を流してくれ、気分は最高潮に高まりました。
後日、参加者から以下のような感想が寄せられました。
柴田さんのお話しを聞いて、私の感想は、弥生時代に日本列島に渡来した大和朝廷の勢力が稲作の技術を広めたというより、山間地に入り希少な金属である水銀(鉄も?)を奪いつつ東征していったという生々しい事実に衝撃を受けました。
歴史は表面的な話だけでは本当のところはわからないという感想を持ちました。「目からうろこが落ちる」とはこのことですね。
このことは今の学会の定説になっているんでしょうか?歴史学も日進月歩のはずですからね、、、。
また最後に栗田さんが「なぜそんなに古代史に打ち込むんですか?自分もジャズにのめりこんでいますが」という質問したことに対し、柴田さんが「郷土の会合に参加したら、『知識主義ではなく自分で考えろ』というのが郷土の主張だったのでそれに刺激されました。
それでただ教科書通りやってもつまらないので、自分で調べ始めたらこうなった」というようなことを話されたので、この点も「なるほどね」と思いました。子どもだけではなく大人も、「自分で考える」という事が大きな影響をあたえるんだなと思った次第です。
ところで「目からうろこが落ちる」というのは「認識変革」というんでしょうか、、、?
沖縄の基地問題から日本社会を見るとその姿が違って見える、あるいは関西生コン労組の歴史から戦後の日本社会を見ると、普通に流布しているその姿とは違って見えてくるという経験をしましたが、それと同じなんでしょうかね、、、、。
余計なことを申し上げました。以上です。
(S.Y)
これに対して、柴田さんより次のような返信がありました。
ご感想ありがとうございました。褒められ過ぎて恥ずかしいくらいです。
私説は「定説」にはなっていませんが、以下に紹介する諸説と共に、将来的には有力な説になるのではないかと勝手に思っています。
参考文献
田中八郎著『大和誕生と水銀』(彩流社 2800円・2004年刊)
邦光史郎著『古代史の謎―朱の伝説』(集英社・1400円 集英社刊)
蒲池明弘著『邪馬台国は「朱の王国」だった』(文春文庫 880円)
蒲池氏の本は2018年刊で一番新しく、廉価で読みやすいです。
米寿を迎えてなおかつ探究心旺盛な柴田さんには、参加者一同大いに勇気づけられるとともに、これからも郷土全協の真髄を糧に前に進まなくてはならないと思いました。
ーS.S-