私の家の近くの大学農学部には留学生が来ている。
そのためか、時々、私が通っているプールにも彼女たちがやってくる。
これまで出会ったのは、フィリピン人、アフリカ、インドネシアなど。
夜のプールで、私は時々英語・日本語ちゃんぽんの国際交流をやっている。
彼女たちは、ムスリムだったり部族社会だったりして、学校で泳ぎは習っていない。
インドネシア乙女は、川で泳いだそうだが、おそらく月経がはじまる前までだろう。
女性にとって日本よりもっと抑圧的な社会から来ている。
アフリカ出身の女性は、結婚しないでいるために部族長の特別許可をもらったと言っていた。
だから日本のプールでのびのびしている感じがある。
私は趣味で、山川出版社の世界各国の歴史書を読んできた。
それが役に立つ。
例えばインドネシアは多島海で各地域の文化・宗教、地形などばらばらである。
亡きスンダランドのジャワ原人。
フィリピンなら抵抗組織フクバラハップ。
人民の立場に立ち続けて殺されたボニファチウス。
・・・こういう話が好きなのだ。
そして、「発展途上国」の彼女たちと話して思うのは、彼女たちの人間としての柔らかさ。
彼女たちが出て来た社会は確かに封建的だったり日本より不自由だったりするが、私達の社会が失ったものを持っているのを感じる。
もちろん私は、そんな社会に行きたいとも戻りたいとも思わないが。
一方で、私は、私の全く異なる―厳しい―経験をして生きてきたであろう彼女のことを思うのだ。
ある日近所のおじさんに警察に連れていかれてそれっきり。
この話題は駄目だと目くばせしあう大人たち。
突然の戒厳令・・・。
ムスリム女性からは近くにモスクがあることを教えてもらった。
行ってみようと思う。
-K.M-