続々と家が建ちはじめた分譲地ですが、少しずつ着工時期がずれているため入居される方も一斉入居というわけにはいきません。
それでも、子どもたちの声が聞こえて来るようになり、緑が崩されて変質した無機質な地面も次第に生命の息吹が感じられるようになってきました。
ここの土地は元々の地主が私たちの自治会に加入していたため、自動的に当自治会の対象になるわけですが、とは言っても加入は任意です。
そこで、こちらから入会の打診をしなければなりません。
長老の我が会長曰く「加入は、入居後1ヶ月程度の猶予期間をおいてから呼びかける」とのことでしたが、どこの家が対象か分かりません。
そこで、私は子どもの声が聞こえるお宅を訪問してみました。
2週間後に地域の神社のお祭りがあるからです。
自治会ではこのお祭り時に、神社境内で子どもたちにお菓子を配布することになっています。
しかし、自治会が発行するお菓子券がないともらえません。
会長はやることが細かく、券を希望する者は事前に回覧される書類に世帯主名と必要枚数を記入させます。
だから、子どものいる世帯に早目に声を掛けたわけです。
子どもたちは新旧の区別なく早くも遊んでいますから、同じ様にお菓子券を持たせたかったのです。
こうして、二つの世帯に先行して自治会に加入していただきました。
すると、一気に互いが親近感を持つようになりました。
子どもたちが遊んでいる所へ、親たちも集まっておしゃべりをする姿が日常化してきました。
子どもと自治会、これらが地域住民を結びつける役目を果たしたようです。
(つづく)
-S.S-