郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

私の少年時代ー13(遠足)

2021年06月29日 | 日記

学校で何を勉強したかはあまり記憶がないが、遠足の思い出はいつになっても忘れずに覚えている。

1年生、小御門神社
2年生、利根川河川敷
3年生、成田山新勝寺
4年生、銚子犬吠崎
5年生、筑波山
6年生、箱根強羅(1泊2日修学旅行)

もしかしたら、ちょっと違ってるかもしれないが、まっ、だいたいそんな所である。
この他に何年生だか忘れたが、千葉の黒砂海岸へ海水浴に行ったこともある。

面白いように上学年に進級するにつれて遠足の場所も遠くへ伸びていった。
これらの場所は、それなりに有名なあるいは由緒ある土地である。

なかでも強く印象に残っているのは、修学旅行の箱根である。

♪箱根の山は、天下の嶮(けん) 函谷關(かんこくかん)も ものならず 
 萬丈の山、千仞(せんじん)の谷  前に聳(そび)へ、後方(しりへ)にささふ
 雲は山を巡り、霧は谷を閉ざす  昼猶闇(ひるなほくら)き杉の並木・・・♫

ここまでは、今でもすぐに口ずさむことができる。

箱根到着が遅れたのか、夕闇迫る箱根山を登るバスの車窓からの眺めは実に幻想的だった。
曲がりくねった道の下を流れる川の方から、湯煙のようなものが見える。
反対側に見える険しそうな山は、薄暗い中、何故か不気味に思えた。
初めての箱根は、私の気持ちを頂上まで高めた。

この時、バスの中で歌ったのが「箱根八里」だった。
♪萬丈の山 ♪千仞の谷…
本当の意味が分からずとも、雰囲気は十分に感じることができた。

この修学旅行、大型バスを一台貸し切って行くのだが、車内には単級のクラスメート42人と先生方の他に数名の大人たちが乗っていた。
一部の子の保護者である。
何故だか分からなかったが、いつもの遠足とは異なる気分に拍車をかけるものだった。

今、思うに、満席にして経費節減をするためだったのかもしれない。
そのついでに、子どもたちの面倒も見る…、そんな感じだったと思う。
あるいは、普段はあまり観光旅行の機会もなかったため、この際に便乗して旅行に行ったのかもしれない。

その大人たちがお土産を買う時に、自分の子どもにも何やら買ってあげていた様な気がする。
まあ、何があってもおかしくはない状況ではあった。

この箱根旅行での大失敗も記憶している。
それは、私たち男子が入浴した際に、ふざけまわっていたのか、何かのはずみでお風呂の排水栓を抜いてしまったらしいのだ。
気分良く床に入ろうとしていた頃、担任にその事実を告げられた。
不思議だが、担任はそんなに怒ってはいなかった。
だからこそ、忘れることができない。


子どもは、風景とか建造物なんてあまりじっくり見てはいない。
まして、美しい! なんて感動することは滅多にないことだ。
誰と一緒だったか、どんな雰囲気だったか…、それが何より印象に残るものなのだ。
辺りの様子は、それらを盛り上げるための演出効果に過ぎない。

しかし、箱根への修学旅行は、風景そのものも雰囲気と共に未だに脳裏を離れることはない。

 

-S.S-


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