三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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未練・怨念系2

2006-08-03 21:29:28 | モンスター映画
■輪廻■ わぅ、オチが素ッ晴らしいね。オチっつうか、そのあともチョイ続いてラストのラスト気違い病院の中も見どころ主張してるらしいから中オチですか。たいていあのテの作り物ってガッカリさせられるもんで、「どーせ……」と諦めてたんだけど、押し入れあけた瞬間「おお、そういうことでしたか!」って、正直そこまでの展開が退屈だったのが一挙に背筋伸びてしまいましたもん。ええ、あの瞬間を境にこの映画は「傑作」となりました。しかしあんな単純な仕掛けでダマされちゃった俺も情けねえってば情けねえな。先入観による錯覚をうまく利用したね。脱帽。んで、堪能できたからには文句はないものの、結局全体、どういう意味だったんですかね? 映画撮影シーンが現実と過去と8ミリ映画とリンクするあの多重進行は中オチ挟んで一気に面白くなったけど、てことは監督は、「犯人」探しのためにああやってオーディションで容疑者集めてたですか? とまあそんなことはどうでもいいですかね。でも気になるわけで、不思議ちゃんとかがあんな拉致のされ方されちゃったのも、犯人捜しのためですかえ? 被害者なのに可哀想じゃん。不要なCGが多すぎたとか、不自然な小道具も多すぎたとか(いかに怖がらせたいからってあの人形はないでしょう、お嬢ちゃんもともと精神を病んでたって設定になっちまいますがいいんですか? そんな複雑な話にしたくはないですよね?)、霊なのかゾンビなのかはっきりしろいって感じもあるし、輪廻の実験なんてチョイ無理ありすぎとか、「ずっといっしょ」ったって自分殺したオヤジといっしょにいてどーすんだいって思うし、「とにかく怖がってよ~」的なりふり構わぬ演出がどーも過剰で閉口したけど、とにかくオチによって多重世界が収束して満足満足。よくできた話を楽しませてもらいましたわい。
■プリズン■ 天井ぶち破ってズタズタ死体がドッすーん、のとこと、床ぶち破ってグルグル撒き死体がドッかーん、のとこが見どころだな。ああいうのは嬉しすぎですよ。すげーシーンだったと思います。上下から2発でちょうど辻褄合いました。満足っす。鉄条網がひゅるひゅる迫ってくるシーンは怖すぎでした。あの二つに匹敵するシーンが他に一つもなかったのがちょっと残念ね。庭での逃亡シーンも、機関銃がああも外れまくりってのはねえ……、あの状況だともっと死ぬ人数多いはずだと思うし。てことで、建物の怪物化モチーフでは『ホーンティング』に及ばなかったけど、刑務所って設定が勝ってるのと、結局はあの2つのシーンのブットビパワーがひたすら響いてこっちのほうがグッと面白かったな、私には。
■ホーンティング■ やっぱ映画は主演が美人でないと観続けるのつれーなー、って悟ってしまった作品。あっちのサブのほうの女がメインだったらもうちょいのめり込めたかなあ。しかし何かが起こりかけたかと思えばすぐ中断、予兆だけで引っ張ってゆく前半には閉口しましたわ。屋敷の内装が綺麗なのとCGがいいのとで凝視しましたけどね、テンポがほんッと悪い。ちんたらちんたら、ろくに高度もない螺旋階段にぶら下がってみせてくれてもシラケるだけで。そんなんばっか。CGがぶわっと弾けて屋敷全体が波打って、ウム、観る価値あるシーンが3回ほどだったかな、しかしそれぞれが何かふわああと収束しちゃって、間が抜けるんだな。あんだけ盛り上げたら間を置きなさんなって。逐次投入はいかんよ、一気に盛り上げきらなきゃ。だいたい、一度外に出て門を壊して逃げようとした緊迫状況でまたノコノコ館内に戻ってっちゃ観てるほうはダラケちゃうでしょう。石像や銅像のクリーチャーたちも手ぇ伸ばしたり向き変えて威嚇したりだけってのは。ちゃんと歩いて飛び回ってくださいよ。ああいう間抜けなことでは、男が(あの人、最初はジジイか思ってたけどたぶん若いのね?)案の定スッパーン首飛ばされてもちっともショック感じねえ。ビジュアルの良さがストーリーの間抜けさによって際立つどころか浮いてしまって、何とも釣り合いのとれんチグハグ駄作になっちまいましたねと。ま、ヒロインがきっちり死んでくれたのは許せるとしても、二人も生き残っちゃって、結局悪霊は犠牲者によって封じられちまってめでたしめでたしで、顔をひっぱたかれた女と運転手は結局出てったきり終いまで戻らず結果的にうやむやに命拾いしやがるし、てことで計四人も生き残るとは何事だ、結局二人しか死んでねえぞ的不満が爆発した駄作でした。映像はとことんA級っぽかったのにねえ。
■呪いの館■ 色彩がやたら綺麗でさ。『赤死病の仮面』とか思い出しまして。ちょうど真ん中あたりの、女の見た夢なのかな、次々オーバーラップするシーンね、あそこ芸術的でしたね。でも……そこだけなんですよね、見どころは。いかにも昔のホラーって感じむんむんで、せっかく毬を持ってたたずんで怖いはずの少女もねえ、フェリーニの『悪魔の首飾り』て傑作があっちゃ見劣りもいいとこで。しかしこっちのほうが早いんだよね。フェリーニがむしろ真似したんだよね。だからこの映画もっと高評価にしなきゃなんだよね。でも結果そのものでやっぱ評価せざるをえないので。優先権よりも。村人らの抵抗というか、集団謀略というか、そういうのがもっと直接描かれていたら緊迫感が出て評価上がったんだけどなあ。