■リーコン2020 バイオ・モンスターズ侵略■ なんか黄色っぽい逆光気味の画面ばっか続くんで疲れちまった。適当に手抜いてるっぽいCG映像はそれでも結構迫力で、前半は重装備の特殊部隊が緊迫感満点、ずーっとこの廃墟風景でガチンコ貫き通してくれるのかなーとウキウキしてたら、なんかなあ、クリーチャーがいつもチラッとしか出てこんのね。サイボーグだのロボットだのはいい加減でいいから(でもロボットはもうちょい見たかったかも)ケモノ型と両生類(?)型(水の中から触手伸ばしたやつね、魚影シーンではサメっぽい風情でもあったが)と、どうしてあんな一瞬だけ? 三つ首恐竜だけはちょいじっくり奮い立ってくれてたけど、迫りまくったあげく急に逃げてってそれっきり。そんな逃げる形勢じゃなかったんだけど。だいたい全般銃撃戦が多すぎますっての。人間どうしのバトルは退屈っす。どっかの惑星が舞台なんでしょ、そのためにわざわざ画面チカチカにして。なのに延々と自動小銃に手榴弾で内輪のバトルやられた日にゃ、しかも弾もほとんど当たんないときたしセンス悪りーよ、いくらなんでも。こんな場面見るなら戦争映画で十分でこうゆーSFである必要ないんでさ。クリーチャーの影はちらつくばかりでほとんど見せてくんない出し惜しみ路線にすっかり気分を害した私に、何か補償になる要素があればよかったんですけど、何を勘違いしたかラスト近くで素手のバトルがまた長時間続いてしまうあたりでウンザリ~でしたわ。核爆発で一掃ってラストも何かこぢんまりでしたねえ。ムード満点のこの設定、どうしてもっと生かせなかったかなあ。
■キルボット■ 普通すぎましたな、なんだか。深夜のショッピングモールとくればもっと多彩な展開が期待されたのに、ただ追っかけッこしただけですか。ロボット三体が暴走するまでの係員連続殺害あたりの予兆感はなかなか怖かったですよね。けどそのあとがいかん。若者たちの軽薄かつ無防備な動きでせっかくの舞台が台無し。ロボットもロボットで、あれだけ乱射してるレーザー光線(?)がさっぱり当たらないのは何故に。かと思うとシヤッターや扉を破壊するときだけはやけに命中精度がよい。男女が迫り来るロボたちの前にぼさっと突っ立ってる場面が無数にあったのに、たった2回だけだものなあ、レーザー命中は。とことん芸のない戦いだったなあ。エレベーターの罠はせっかく作ったんだからロボットごと最後まで見せてくださいよ。銃は効かないことみんな十分学べてるはずなんだから、ピストル一丁や鉄の棒でどうやって身を守ろってんですかね。扉サッと開けてがらくたに向かって棒でガンガン、連打してくれてもリアクションのしようがないでしょうに。それとほら、ラストの爆発なんか当然、あのロボの部品が単独でヒロインちゃんを追いかけぶっ殺す、て流れかとわくわくしてたんだが。ピクリともしやがらねえ。代わりに間抜けな俄彼氏がのっそり出現して抱き合っておしまいかい。あの冴えないにーさんは死んだままでいっこうにかまわんかったでしょ。
■鉄人28号■ お子さま向けだからまあいっか、なわけないだろう。何すかこの展開は! つうかロボットどうしの戦い延々やってないで自衛隊の戦車の一つや二つ出動しろよ、警察が遠巻きにドタバタやってるだけじゃなくて。しかも展開に何の関与もしない男女刑事ペアは中途退場でかまわんから正太郎に護衛の一人もつけとけよ、大切な操縦者わざわざ銃弾に晒してアホですか。ツッコミどころ以前の穴多すぎ。実写でやってんだからマンガ未満のプロットってのはどうかと思うよ、いくら何でも。それと正太郎少年、演技させすぎでしょうに。全編「口ワナワナさせてがんばりなさい」式演技指導はどうなんですかね。とくに鉄人と出会う場面のセリフも何もあれはないでしょー。鍵放り投げてことさらに「試練路線」演出する元助手さんも勘弁してよ、白髭が大人げない。つまりはスポ根路線はやめましょうよ、てこと。わかりる? 子ども向けドラマはスポ根でキマリとか思い込んでる作り手がまだいたとは。序盤ブラックオックスが出現したあたりは「お、ヤルゾこの映画!」って身を乗り出したもんですけどねえ。東京タワーグルグルねじったあたりは笑えたよ、いい意味で。露骨なCGがまたいい味出してたんですわ。なだけにほんとマズかったよ、正太郎くんの過剰演技指導は。あとたった二人で世界征服ってお粗末な設定は。ロボット一つで世界征服とやら幼稚なトホホ設定をラスト核爆発って安易な持ってきかたで誤魔化さんでください。60年以上の歴史があるしょせんは核が最終兵器、てんじゃ白けますっての。思わせぶりなロボットにあんだけ善悪の命運賭けさせといて、もっと夢持たせてちょうだいよ。薬師丸ひろ子のお母さん役見せてもらってもちっとも「ああ見た」って気にさせてくんないドF級ロクデモ映画でしたとさ。