[北京/国連 16日 ロイター] - 北朝鮮に対する新たな制裁決議について、他の国連安全保障理事会メンバーと協議を始めたものの、中国は同盟国の核・ミサイル実験強化にどう対処すべきか、頭を悩ませている。
北朝鮮と長い陸続きの国境を分かち合う中国は、好戦的で孤立する北朝鮮に変化をもたらすことのできる実力を持つ唯一の国と見られている。だが中国政府は、制裁強化が北朝鮮内部の崩壊につながりかねないことを危惧している。また、地域の緊張を高めている責任は、米国とその同盟国である韓国にあるとも考えている。
北朝鮮が5回目となる核実験を実施した後で、中国の北朝鮮に対する姿勢は変わったかとのロイターの質問に対し、中国指導部に近い関係筋は、中国は窮地に立たされていると話す。
「中国は、地域の核軍拡競争の引き金になりかねない核兵器開発を北朝鮮が行うことに断固反対している。その一方で、北朝鮮は大きな頭痛の種だが、政権交代は選択肢ではない。政権の崩壊は(中国)北東部に混乱をもたらすからだ」と、この関係筋は匿名で語った。
韓国政府の下で南北朝鮮が統一され、中国との国境沿いに米軍が足を踏み入れることは、中国政府にとってはまさに悪夢である。
北朝鮮が崩壊し、大量の難民が比較的侵入しやすい国境を越えて、中国北東部の工業地帯に流入すれば、多大な経済的損失を被るだけでなく、中国政府の支配を大いに揺るがすことにもなる。
このような懸念は今に始まったことではないが、中国は現在、米国が最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を韓国に配備する決定を下したことにひどく腹を立てており、自国の安全保障が危ぶまれていると主張している。また、北朝鮮の最近の好戦的な態度も、THAAD配備が原因だとしている。
中国は、THAAD配備と北朝鮮に対する制裁を支持するかどうかの問題をはっきりと結び付けてはいない。北朝鮮が最近実施したミサイル・核実験を非難はするが、制裁だけで問題は解決できないとし、同国との協議再開を訴えている。
中国はまた、北朝鮮による5回目の核実験に対する必要な反応は、国連の枠組みのなかで示すとしている。
「国連安保理決議において交渉中だ」と、パワー米国連大使は15日述べた。
外交官らによれば、協議はまだ始まったばかりであり、交渉は長く、厳しいものになりそうだという。
<いら立ちと合意>
オバマ米大統領をはじめ世界各国の指導者が中国東部・杭州で開催された20カ国・地域(G20)首脳会議に集結している最中に、北朝鮮が中距離弾道ミサイル3発の発射実験を行っている。ある国連上級外交官によると、この実験後に召集された安保理会合で、中国は北朝鮮への不満をあらわにしたという。
制裁についての見方は分かれているものの、「議論全体のトーンはまとまっていて、2つの陣営が互いに議論を闘わせているような感じではなかった」と、この外交官は語った。
米国は中国に対し、北朝鮮に核開発をやめるよう自国の影響力を行使し、制裁の「抜け穴」を封じるよう求めている。これまでの制裁はほとんど効果がなかった。
中国社会科学院の研究員、Shen Wenhui氏は中国国営メディア「環球時報」に対し、壊滅的打撃を与えるような制裁は北朝鮮に「人道的危機」をもたらすと指摘。「北朝鮮への制裁において、国際社会は最大限可能な限り、一般市民に及ぶ影響を減らさなければならない」と、同氏は記している。
また中国当局者は、北朝鮮に対する中国の影響力を西側が過大評価していると言う。
「北朝鮮に核兵器を放棄するよう求めても失敗するだろうし、韓国にTHAADを拒否するよう求めても失敗すると思う」と、上海にある復旦大学で軍縮・地域安全保障プログラムのディレクターを務める沈丁立教授は語る。
同教授は北朝鮮が中国にとって有益だとし、「米国に対抗するうえで、中国は北朝鮮を必要としている」と指摘する。
一方、韓国では、北朝鮮に制裁を加えるのに中国はこれ以上何もしないだろうとの見方が一部で広がっている。
「北朝鮮が耐えられないような制裁は、中国によって阻止されるだろう。北朝鮮からそうするよう頼まれなくてもだ」
こう語るのは、かつて6カ国協議で韓国の首席代表を務めた千英宇・元大統領府外交安保首席秘書官だ。「故に北朝鮮はその陰に隠れ、核プログラムを気楽に推進しているのだ」
以上、ロイター記事
中国は何もしないだろう?というのが現実のようだ。
現在の北朝鮮は一筋縄では行かない。
金正恩の暗殺計画をすることが一番いいように思える。その後を中国に滞在している金正男に引き継がせる?