今夜9時の記者会見で枝野官房長官は、「福島第1原発1~3号機すべてで炉心溶融が起きた。しかし、最悪でもチェルノブイリのようにはならない」と言っている。
先ほどまで、原子力資料情報室が13日に行った記者会見の動画を見ていた。
その記者会見では、東芝で原子炉の格納容器を設計していた後藤政志さんが、こんどの事故について解説されていた。
後藤さんの解説を聞いて、政府、原子力安全保安院の説明を聞いても、さっぱりわからなかったことが、よくわかった。
くわしいことは、「USTREAM 原子力資料情報室」で検索すると、記者会見の動画を見ることができる。
福島第1原発の事故を簡単に追うと、
制御棒を入れて核反応は止めたが、ものすごい熱が出るので、冷却系統が働くこと、そのための電源、水は必須条件。
ところが、地震で想定外(津波)のことが起こって、非常用電源が動かず、注水ができなくて、冷却できなくなり、燃料棒がむき出しになった。
そうなると、仮に核分裂反応が止まっていても、炉心溶融で核反応が起きる(再臨界)。
格納容器は、放射能を閉じ込めて、外に出さないように設計されている。ところが炉心溶融による爆発を避けるため、内部のガスを逃がした(これが記者会見でよく出てくるベント)。
外に出さないように設計されている格納容器なのに、ベントでガスを逃し、放射能を外に出すということは、異常事態とのこと。
最悪の事態を避けるためには、炉心が冷却できるかどうかに尽きる。そのために、いろいろなことをやっている状態だが、途中でポンプが動かなくなったり、水が無くなったり、格納容器に注水されなくなったり、次々とトラブルがおきている。
今は、とにかく格納容器が爆発しないために、綱渡りで出来ることをやっている状態。
もし、格納容器が壊れたら、チェルノブイリと同じことが起きる。
さらに、3号機は、燃料にプルトニウムを使っているので、放射能被害は1号機の倍になるという。
聞けば聞くほど、恐ろしいことが、福島原発で起きているのだ。
聞けば聞くほど、原子力というのは、人間がコントーロルするのが難しいエネルギーだということがよくわかる。
さっき、ラジオのニュースで、午後11時ごろ、2号機の圧力を逃していた弁が閉じて、注水できなくなり、燃料棒が全部露出していると言っていた。
最悪の事態にならないことを祈るしかない。