小渕経産相辞任 首相候補とも…「女性が輝く日本」崩れたシンボル
将来の首相候補が自らの「政治とカネ」の問題で辞任に追い込まれた。20日午前、安倍晋三首相に辞表を出した小渕優子経済産業相(40)=衆院群馬5区。2児を育てながら要職を担うその姿は安倍政権が掲げる「女性が輝く日本」のシンボルだった。さらに松島みどり法相(58)=衆院東京14区=もうちわ配布問題で辞表を提出。松島氏も女性閣僚の目玉だっただけに、政権には大きなダメージとなった。
「ご指摘のように、大きな疑念があると言わざるを得ない」
この日午前9時40分過ぎから、経産省内で会見を開いた小渕氏。カメラのフラッシュを浴びながら自らの政治資金の問題点を率直に認め、「不徳の致すところだ」と声を震わせた。
疑惑の中心になっているのは、平成19年以降、支持者向けに開催しているという観劇会の収支だ。
毎年2千人の申し込みがあり、1人あたり1万2千円の参加費を「きちんと頂いている」。しかし、政治団体が計上した収入とは大きな乖離(かいり)があり、24年分については収支報告書の記載すらなかった。この点について小渕氏は「大きな疑念」と表現した。
ただその理由については「分からない」とし、「第三者的視点で、収支報告書を弁護士や税理士などに客観的に調査してもらう」と説明。「人ごとに聞こえる」という記者の指摘に「私自身、何でこうなっているのかと思っている」と答えるのが精いっぱいだった。
「日本初の女性首相」の呼び声も高く、第2次安倍改造内閣の目玉人事だった小渕氏。父親の故小渕恵三元首相の地盤を継いで出馬し、26歳で初当選した。
清新なイメージで人気を集め、20年の麻生内閣では戦後最年少の34歳で初入閣。翌年には現職閣僚として初めて妊娠を公表し、「少子化対策の旗振り役」を自任していた。
小渕氏は自らに寄せられた期待の大きさを踏まえたうえで、「『女性の輝く社会』の実現に何一つ貢献できなかった」と無念さをにじませた。
資金管理団体による下仁田ネギやベビー用品などの物品購入に関しては、いずれも「県外の方への贈答」で選挙区内では配っていないと釈明。公職選挙法には抵触しないとの認識を示した。
国会答弁での堂々とした姿は影を潜め、言葉に詰まる場面もたびたび。会見終盤には「全てが甘かった」と自らの非を認め、「ゼロから信頼を取り戻していけるよう、出直す気持ちでやっていく」と述べた。

ズサンな田舎の会計処理を、やっていた話の様だ。