eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

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キュービクル機器と高圧ケーブルの10,350V.10分間印加...交流耐圧試験実施。

2022年12月22日 | eつれづれ

キュービクル機器一括、高圧ケーブル一括の10,350V.10分間印加の交流耐圧試験前に高圧絶縁抵抗測定。

交流耐圧試験風景。(キュービクル裏面より)

交流耐圧試験終了後、過電流継電器試験。

(株)双興電機製作所OCR-50CKによる過電流継電器試験。

真空遮断器は三菱で過電流継電器はオムロンの組み合わせ。コンデンサ電源は三菱....全部、統一シローと...最も物が無いか。

動作ショックセンサーは真空遮断器の右で自作品。

本日、午後より24日切替のためキュービクル、高圧ケーブルの交流耐圧試験を実施。

一次側励磁電流は約10Aを要した...インバータ発電機は16Aタイプを使用。

クリスマス寒波の大荒れ、大雪予想だが、念のためブルーシートで対策したが運良く雨、雪も降らずセーフだった。

 

 


交流耐圧試験前後に高圧絶縁抵抗測定をする理由は...事前にIcとIcの被りを見抜く。

2022年12月22日 | eつれづれ

交流耐圧試験前後に高圧絶縁抵抗測定し試験物の絶縁状態を必ず確認する。

エクセルに絶縁抵抗を0.1MΩ(100 kΩ)としてみる。

Igr(対地抵抗分電流)は103.5mA、Ic(対地静電容量成分電流)は230.86mAでIo=合成電流は253.0mAの結果。

当然、tanδ値は44.83で不良だが、仮にこの絶縁抵抗値で交流耐圧試験をやっても、交流透過電流(Ic(対地静電容量成分電流))を見ているだけなので

本来のIgr(対地抵抗分電流)は隠れてしまい判別不能。

もっとも0MΩ近い絶縁抵抗値となればIc(対地静電容量成分電流)より大幅にIgr(対地抵抗分電流)が大きくなり、交流耐圧試験は出来なくなり、初めてメガーが低い事が判る。

絶縁抵抗値を、殆ど0MΩにした時はIgr(対地抵抗分電流)が大きくなり、今度はIc(対地静電容量成分電流)が隠れてしまう。

これはあくまでも計算上の事で、実際は絶縁低下は急激に地絡に発展し継電器が動作するレベルになると考えた方が良い。

何時までも絶縁をキープする保障は何も無い...ドカーンと逝くやも知れず。先ずは直流絶縁診断をする事に限る。