eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

静電容量を自家用の高圧ケーブルμFでは

2012年05月23日 | eつれづれ
配電用変電所1バンク当たりの全対地静電容量は一般に1~10μF程度で2~3μFが多い。高圧ケーブルCVT38sq*50m入力例...地絡抵抗30,000Ω時の発生電圧は1307.3V、電流は0.08A、位相角14.4°。GPT完全地絡時(3810V)の零相発生電圧は190V。タップ20%では762Vの感度検出となる。

同じく地絡抵抗10,000Ω。

同じく地絡抵抗5,000Ω。ここまで低下すると零相電流0.18AとなりPASの0.2A設定では既に動作するか。

同じく地絡抵抗2,500Ω。

零相電圧Vоと零相電流Igは比例関係であり地絡抵抗低下に伴ってVо、Igが大きくなる事が判る。



地絡過電圧継電器の設定は30%まであるが5%設定では190Vにて動作となる。本、継電器の入力はZPC、ZPDよりの零相電圧である。継電器動作の区分は軽故障表示+ブザー程度か。これに零相電流を+したのが方向性地絡継電器、PAS方向性SOG制御装置の感じだ。



非接地回路の地絡電圧、電流

2012年05月20日 | eつれづれ
先にUPした非接地回路における地絡(零相)電圧、電流をエクセルを使い入力を変化させて検証したみた。
6kV非接地回路の地絡電圧、電流のエクセル計算式...非接地なので零相電圧は線路の静電容量μF、地絡抵抗との関係。線路の静電容量が少ないと零相電圧は大きくなる。
殆どチャージ電流Ic(対地静電容量成分電流)が大きい...PAS方向性SOG制御装置との関連性は。角度はIc(対地静電容量成分電流)が大きいので90°近い...殆どIc電流だけである。


誰かが質問したものの回答例...GPTに電流制限用抵抗器を設置する理由。
GPTの1次側中性点は直接接地されていると思いますが、もしも制限抵抗がなければ地絡事故時に大電流が流れてしまい設備損壊にいたる恐れがあります。制限抵抗の抵抗値は150Ω程度ですが、これを1次側中性点に等価換算しますと(n^2)/9(n:巻数比←1次3次の)倍されます。つまり数万Ωで抵抗接地しているのと同じ状態に見えるため地絡事故時の地絡電流が少なく制限されます。...本、エクセル計算では16,000Ωとして入力。
☆下図はメーカーの電流制限用抵抗器の取説だが用途は若干異なる表現...数万Ωは一次換算値。


別の回答例...高圧の場合、電力会社側では配電線と対地間に接地変圧器を設けて電路の選択地絡保護を行っています。このため需要家が接地変圧器を設けると電力会社側の保護継電器の感度を低下させ選択地絡保護が困難になるため特殊な場合を除いて高圧需要家では接地変圧器を取り付けることは禁止されています。...自家用では碍子形ZPD、ZPC等の接地コンデンサを用いて零相電圧を検出する。
電気技術者講座例...中性点の対地電圧を零相電圧といい、常時はゼロで地絡故障時などに発生する。この電圧の地絡電流に対する位相関係はどの相の地絡時でも同様であるので、これを取り出して保護継電器の基準電圧や記録装置に使用している。
また開放端子には一次換算で10kΩ程度の制限抵抗が接続されることが多い。
このためVTの変圧比が6,600/110Vの場合25Ωの抵抗が普通接続される。これは一次側中性点と大地の間に10kΩの抵抗を接続したのと等価になる。この装置は普通VTを三相形とし接地変圧器(GVT)と呼ばれ配電用変電所など6kV系統の電源母線に接続される。一般の配電線から受電する受電設備の地絡検出用として、この接地変圧器を設置すると系統の対地インピーダンスが小さくなり、かつ中性点多重接地になって保護継電方式にも影響し地絡時の故障点の探索も困難になるため使用しない。
このためこの様な受電設備で零相電圧が必要な場合にはコンデンサ分圧(ZPD.ZPC)による零相電圧の取出しが採用されている。