やなせなな様のお話のつづきです。
はじめてガンの話を30名のお寺の奥様に話をしたところ、
一人の方が泣きはじめられました・・・
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「30人の中の一人の人が泣いて泣いて終わったら飛んで来ました、
そして私の背中をその手でさすりながら、私も同じ病気をしてるから
あなたの気持がよくわかるよ、あなたは一人ぼっちなんかじゃない、
一緒に頑張ろう、とそうおっしゃたんですね、その時私の心の目にあった
うろこがぽろぽろととれたような気でした。」
「御釈迦さんはおっしゃいました、生きているととても苦しいことばかりが、
私たちの元におとずれるんだと、生まれる苦しみ、生きる苦しみ、
歳月をかさねれば、肉体はどんどん衰えていきます、老いていく苦しみ、
そしてその先に待っているのは・・・死する苦しみ・・・。」
「私はそのことを忘れていました、自分のことしか見えていなかった、
でも私たちはみんな生きているかぎり、一人ひとり痛みを授けられます、
それは誰にも変わってもらえない苦しみ、ひとりぼっちなんです、
でももう一歩さきを考えれば、私もひとりぼっち、みなさんも
みーんな一人ぼっち、だから支えあうんだと思います」
「私の苦しみはその奥さんの、だいじょうぶあなたの気持はよく分かると
いう一言で、なにかしら痛いのは痛いままですけどね、ふぁーと開けた気がしたんです、
痛いから人の痛みにきずくことが出来る、ほおーておけば、
私今も大きな傷ここに残ってるんですよ、これただの傷ですわ!
醜くて一生消えない傷、でも自分の思い次第では、
これを人へのやさしさの種にすることが出来ます、
苦しみや痛みは仏様から授かった慈悲の種だと
そのようにいただくことが出来るかもしれない。
私もお母さんと出会ってそう思ったんです」
「それで泣いててもしゃあないなと思って、この話を人前でするようになりました。
そのうちだんだん元気がでてきましたね、私は今38歳もうすぐ9歳、
子供は残念ながらおりません、相変わらず独身で、そらーときどき寂しなりますわ、
赤ん坊の笑っている顔をみると今でもちょっとだけ胸がいたくなるんですから、・・・
人間の煩悩はそう簡単には消えないもんやなぁーと思いますけれども、
でも泣いてても仕方がないしね、折角救われて授けられた命が今ここにあるならば
目いっぱい生きなもったいない、そう思っています。」
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なな様のお話は終わります。つぎは和尚様のお話です。
See you tomorrow!