☆宮崎奕保老師・説戒法話(部分抜粋)
私の経験を少しお話しますと、私は八十歳になっていますが、かつて、
人間のいちばん嫌う病気をしまして、もう九分九厘死んでしまっておりました。
そして、医者の手にかかって、三年半入院しておりました。
病気は粟粒結核といって、三日しかもたないというものでした。
中略
いま申し上げたように大きな病気もしましたし、もう隠居をしようと思っていたのですが、
北海道でもう五年目になります。ところが、ますます達者になって、
人には化け物のようにいわれています。
私は病院で、もう死ぬのなら、坐禅をしていようと思いました。
病院のベットの上で坐禅をして、じつは坐禅で今日のように達者になったのです。」
「若き仏たちへ」宮崎奕保著、45~46頁より
宮崎老師様も大病をされました、その老師様が問いに答えて・・・
和尚様が「その答えをふーと思い出したんです」
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“あのなぁー病気のことは医者にまかせい、
体のことはなぁーまわりのもんにまかせい
気持はなぁーほとけさんにまかせい“
おっしゃった。病気のことはどんなに心配してもお医者さん以上に
心配出来る人はいないですね、ゲエゲエ言ってて点滴こうつながって
ますから動けません、動けないからだれかに何かをしてもらわんならん。
そして最後に残ったこころのことは、ほとけさんにまかせいと
おっしゃた。ふっと思い出したんですね。
「莫妄想という禅の言葉があります、妄想することなかれと、余分なことは
考えなくてもええぞということです、そういう禅語があるんですね。
あっそうだと、老師がおっしゃてたあの言葉は莫妄想をひらたくおっしゃた
ことなんだなぁ、こんな禅語があったじゃないか!あっそうかと思ったんですね。
やっと腑に落ちたんですね、そうかどんなに心配したって、心配したところで
、
この胸の腫瘍がなくなるわけじゃない、どんなにあがいたところでなくなるもんで
ないんであれば、お医者さんにまかせるしかないぞ!
動けないなぁ、体どうにもならんな、看護師さんに頼むしかない。
でもやっぱりこれ(腫瘍)小さくなんなかったら困るしいなぁーー困るしなぁと
思ってもちいさくなるもんでないんだったら、自分の悩みはほとけさんに
おまかせをしろと言うんですね。そうかーーもうそうすることなかれ!
これから先のこと、どうにもなるもんじゃないことをあれこれ思い悩んでみたり、
そういうのをもうぞうというんですね、(禅門では妄想をもうぞうという)
自分が自分で自分の頭のなかに迷いの迷路作ってしまって、その迷路に自分で入りこんで
しまってはいかんぞというんですね、迷路に入り込んだところでどうにもなるもんじゃ
なかろ、ほとけさんにおまかせをせよと。
See you tomorrow!