ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

野球小僧

2008年01月23日 | 読書 ・鑑賞・観劇録
NHKでやっていた『プロフェッショナル 仕事の流儀』のイチロー・トークスペシャルを見た。

「いくつになっても、どれだけ凄い選手になっても、野球小僧のような心を持っている人」と言うのが、私のイチロー選手に対してのイメージ。
これは、決して、揶揄して言っていることではなく、野球に対しては、物凄く真摯で真っ直ぐで純粋だと思う。
だけど、ふとした時に見せる、人に心を開いた時にだけ見せる、35歳とは思えないくらいのかわいらしさや、はしゃいでいる姿。
自分をカッコ良く見せたいと、ちょっとカッコをつけてる仕草。
それらを総合して見ていると、本当に、子供の頃に野球が好きだと思い、夢中になって白いボールを追いかけた、その頃の心を、大人になった今も持ち続けている人なんじゃないかと思う。

感性によって好きだと感じたものを取り入れて、自分の好きなことには、まっしぐら。
弓子夫人の作ったカレーを7年間食べ続ける。
同じDVDを何回も飽きもせずに見続ける。
手にして「これだ」と感性で選んだバットを使い続ける。他のバットには触りもしない。
初動負荷トレーニングが好きだと感じれば、自宅にも、球場にも設置する。(テレビに映っていて、風変りなトレーニングマシーンと紹介されていたのは、初動負荷トレーニングのマシーンです。結構高価なものなので、個人で何台も所有できるのはイチローならでは…私にも1台譲ってくれないかなぁ~笑)
バッターボックスに入るルーティン・ワークがいつも同じ。
バッターボックスに入れば、バットを片手で真っ直ぐに掲げる仕草を、全く照れもせず、真剣な顔で行える。

ここまで貫けるのは、色んなことにこだわれるのは、やはり、野球小僧のなせる技??
だけど、ある意味、そういう少年のような心が、イチロー選手の強みや凄さに繋がっているように思える。
昨年、首位打者をのがした時、守備についてから人知れず流した涙も、「ここまで来たら首位打者になりたい。そう強く思っていたのに、ライバルに負けてなれなかった。悔しい!!」という、野球小僧のような心だったから、自然と湧き出てきた涙だったんじゃないかと思う。
「首位打者になれば、年棒が、これくらいになったかも。惜しいな…」なんて、そんな気持ちから出てきた類の涙じゃないと思う。

野球小僧のようだと思う反面、トークを聞いていれば、色んな本も人並み以上に読んだりして、学んでいるんじゃないかと思わせる一面もうかがわせる。
例えば、「僕は、満足はするんですよ。その時、その時でね。だけど、満足してしまえば、また次の何かかが見えてくるんですよ。」というようなことを言っていたが、こういうことは、メンタル面のコントロールでは大切なこと。
目標にしていたことが達成できれば、そこで一旦は満足する。
嬉しい気分をしっかり味わう。
だけど、満足している気持ちは、いつまでも続かないから、また、次の満足を得ようとして行く。
人間、嬉しかった気持ちが有るから、次に向かえる。

山登りをしています。
5合目まで登ってきました。
ここから見る景色は綺麗です。
この景色を、本当に心から綺麗だと思えます。
5合目まで登ってきたから、この景色を見ることができたと思えば、嬉しいです。
この景色を見れば、昇ってくるまでしんどかったことなど、もう忘れてしまいました。
だから、6合目まで行ってみようと思います。
6合目から見える景色は、今よりもっと綺麗かもしれない。
そう思えるから、次に進める。
そして、その歩みは、次に対しての期待も有るから、足取りも決して重いものにはなりません。

だけど、5合目まで登ってきたのに、なぁ~んだ、この程度の景色か、つまんな~い…なんて感じれば、もう下山するしかないですよね。
また、5合目の景色には満足出来なかった、だから6合目の景色を見に行こう。
6合目まで登れば、期待したような景色が見れるかな。
なんて、そんな気持ちで昇っていたんじゃ、6合目の景色を見ても、やはり満足できない。
そういう人は、頂上まで登っても、満足できない。
それは、景色のせいではなく、その景色に感動できない心の問題…と言うことになる。

だから「人間、満足したらダメ」なんて言う人もいるけど、「満足しなきゃダメ」。
満足してしまったら、そこから成長や発展が止まるように感じる人は、心に余裕もないし、そこにたどりつくまでの過程を否定してしまっている。
人から見れば、どんなに小さな満足でも、そこにたどり着くまでの過程を肯定していれば、自分の心には大きな満足が得られるもの。

次から次へと記録を塗り替え、毎年のように成長し、進化し続けているイチロー選手を見ていると、「満足」なんて言葉には無縁の人のようにも思える。
だけど、「満足はする」と言っていた。
これが、何も学ばず、全く、イチロー選手自身の体験談からのみ言っていることだとすれば、物凄くアタマが良いし、まさに天才かも…と思った。

野球小僧のようだと思えるイチロー選手。
50歳で4割打って引退。
腹が出てきたら引退。
そんなことを半分冗談、半分本気のような口調で言っていた。
グランドでは、クールでいたい。
グランドでは、本当の自分とは違う自分でいたい。
そんなことも言っていた。
50歳になっても、照れもせず、グランドではクールでカッコつけてる選手でいて欲しいな…と、個人的には、そう思う。

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