ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

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一目散にプロを目指したい子供たち…5

2011年11月22日 | 人として思うこと
さてさて、『一目散にプロを目指したい子供たち』の続きです。

一昨日書いた『一目散にプロを目指したい子供たち…4』をお読みいただくと、プロゴルファーの資格は、取得しただけでは“食っていけない職業”だとお分かり頂けたと思います。

ま、どのような資格でも、取得しただけでは食べて行けないと思いますが…(^_^;)

その中でも、特に、プロゴルファーの場合は、トーナメントに出て賞金を稼ごうと思えば…その前に、クオリファイと言う、“トーナメントに出場できる順位を決めるトーナメント”に出場しなくてはなりません。
このトーナメントには自費で出場し、例えば、そこで上位だったとしても、賞金は、まだ出ません。
賞金がもらえるのは、あくまでもトーナメントに出場し、予選を通過した場合だけです。
クオリファイで上位となり、トーナメントに出場できたとしても、そのトーナメントに出場するための費用は、基本的に自己負担です。
スポンサーが付いてくれた場合は、そのスポンサーが負担してくれる場合も有りますが…。
でも、スポンサーが付いてくれるのは、テレビに映る可能性の高い選手、トーナメントに出場して上位となれる可能性の高い選手、つまり、賞金を稼げる選手に付くことが多いので…ま、“集まるところには、集まりやすい”…と言う図式が出来上がっています…。

自費で出場するクオリファイで上位となり、めでたく、トーナメントに出場できることになりました。
そして、そのトーナメントで、予選を通過することができれば、ようやく賞金がもらえるので…良かった、稼げた!(^^)v…なんですが…“ビリ”に近ければ、その賞金額は20~30万円くらい…それだけ有れば良かったやん…と思っても、このトーナメントに出場するためにかかった費用(遠征費・宿泊費・プレーフィー・食事代など…)を考えれば、まぁ、ほぼ“とんとん”かな?…と言う事になります…(-_-;)

予選を通過できなければ、トーナメントに出場しただけの回数分が、赤字となります。
1試合にかかる費用は、約20~25万円なので、5試合に出て、もしも5試合とも予選落ちなら、赤字は、約100~125万円くらいになります。

この辺りの赤字を考えて、親の定年などと共に、トーナメントへの夢は有っても、クオリファイすら出なくなるプロもいるようです。

ちなみに、なんでですが…。
今年の女子プロのトーナメントでの賞金ランキングを見ると、確かに、今年も賞金女王になりそうな、アンソンジュさんは1億円以上稼ぎました…(@_@;)
1億円近い金額を稼いでいるプロもいます。
「スゴイ!」って思います。
だから、自分の夢を賭けたくなるのは、分かります。
だけど、賞金ランキング100位で、240万円くらいです。
150位だと27万円くらいで、さらに、トーナメントには出たけれど、賞金が0円だったプロは、さらに100名くらいいます。
勿論、彼女たちは、トーナメントでの稼ぎだけではないと思いますが、これを見ると、トーナメントだけで“食べて行く”のは、いかに「大変なこと」なのかがお分かり頂けると思います。

…なので、プロゴルファーの資格は、取得しただけでは食べて行けないどころか、まだ、お金が要るかもしれない覚悟のいる資格だと言う事もできるでしょう。

親は、子供のためを思って、将来、困らないように、自立して食べて行けるようにと、子供を“仕込みます”。
「勉強して医者になれ」
「良い大学を出ておくと、良い企業に就職できる可能性が高いよ」
「俺の後を継げるように、一度は、他人の飯を食ってこい」
など、このblogをご覧下さっている方々も、お子さんに、そういったアドバイスをなさると思います。
それらは全て、お子さんに、「自分で生きて行ける力」を与えるためですよね?

だけど、『一目散にプロを目指したい子供たち…4』や、本日書いている内容をお読みいただくと、トーナメントで稼ぐプロゴルファーの場合は、その資格を取得しただけでは、“手に職が付いたことにはならない”職業なのかも…と言う理由が、ご理解頂けると思います。
だから、子供を仕込むために、プロゴルファーを目指させる…と言うのは、どうか?…って思うんですよね。

「子供の教育の一環として、ゴルフを…」であれば、ゴルフから学べることは、すごくたくさん有ると思うので、「お子さんがゴルフから学び取ってくれていることも、きっと多いと思いますよ」…って、「ゴルフをしていることで、良いお友達もたくさん出来るといいね」「ゴルフを通じて、いい青春時代を送りなよ」「ゴルフから精神性を学び取って、人格形成に生かすんだよ」って思いますが…。

…お子さんがプロを目指すことに賛成できるのは、「家が練習場を経営している」「ゴルフ場を経営している」などで、その子にプロの資格が有れば、その子自身にも“箔が付く”と思われる、何らかの、はっきりとした理由が有る場合のみかな…。

『一目散にプロを目指したい子供たち…1』に…、
「プロに与えられる仕事には、どのようなものが有るのか?
自分がプロになった暁には、どのような仕事がしたいのか?
と、それらを吟味、考慮した上で、
それでも、プロになりたい、プロの資格を選びたい、
と思えるなら、私は、応援します。」
と書きましたが、プロになってからの、“トーナメントに出たい夢”以外の具体的な仕事、
プロの資格が生かせると思える、現実的な“働き口”が、ちゃんと有る場合は、
それ相応の理由が有るんだな…と思えるので、「頑張ってプロにならなきゃね…」って、心から応援できます。

プロの資格が有るからこそ、ちゃんと食べて行けるんですからね。

でも、いきなり、「宮里藍ちゃんや、石川遼くんみたいになれたら、カッコ良いな」「子供がプロだと、親も鼻高々だな」「トーナメントに出て、でっかく稼いでくれたら、親、兄弟共に“左うちわ”で暮らして行けるかも…」なんて思うのは、やはり夢です。
現実は、そんなに甘くありません。
宝くじに当たることを夢見て、大枚を投資するのと同じことになりかねません。

…でも、とても厳しいプロの世界の現実を、ちゃんと認識した上で、もしも、その子に、とてつもないプロゴルファーとしての才能が潜んでいたとしたら…。
本人にも“自覚”と“やる気”が有るのなら、それは、それで、埋もれさせてしまうのは、可哀相な話になりますよね。

ゴルフの場合は、これまでに散々書いてきたように、親が頑張って、本人に、それだけの投資をしてあげられるのなら、または、その子の才能を見込んで、出資してくれる人がいればの話になりますが…。
その辺りは、ご了承いただくとして…。

その子のゴルファーとしての才能の見極めは、いつ頃できるのか?
何歳ごろに、分かるのか?

多分、頭角を現す子は、17~20歳頃に、その才能を際立たせて来るでしょう。

昔なら、この年齢は、もっと高かったと思いますが、今は、子供の頃から、ゴルフをはじめている人が多いので、トーナメントで戦えるほどの才能が開花しはじめるのは、大体、この辺りの年齢じゃないかと、今、実際にトーナメントで戦っている選手たちを見ていても思います。

だったら、子供の頃からゴルフをはじめさせて、これくらいの年齢まで、ゴルフとどう向き合わせて行くか?

本人や、親、指導者、また、周囲の人たちは、「プロ」を意識した方が良いのか?
しない方が良いのか?

ここが考えどころだと思うのですが…。

…またまた、長くなってしまったので、この続きは、明日にしたいと思います…(^_^;)

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