あの日から１４年

阪神淡路大震災の日から１４年。
あの恐怖と甚大な被害のことは、もう思い出したくない方もいらっしゃるかもしれない。
宝塚市内で被災した私も、できれば、もう思い出したくない。

だけど、この１月１７日は、嫌でも１４年前のあの日と、あの日以降の日々を思い出してしまう日であり、現在、平穏に流れている日々や生活の有り難さを、再認識する日なのかもしれないと思う。

水道の蛇口をひねれば水が出る。
ガスの栓をひねれば、コンロに火が付く。
それまで当り前だと思っていたことが、震災の日を境に当たり前でなくなった。

お風呂に入れることが、どれだけ有り難かったか。

暫くは、「いつ余震が来るか」と常にビクビクしていた。

あの日以来、飛行機に乗った際の縦揺れが怖い。

あれから１４年経って…。
水道から水が出ること。
ガスが出ること。
電気が付くこと。
全てが、また、当たり前のように感じるようになった。

あれから１４年経って…。
あの時、あまりの恐怖と被害に言葉を無くしていた私たちに、「怖かったなぁ～、大丈夫やったか？」と声をかけて下さった、島田幸作先生は、黄泉の国に旅立たれた。

阪神淡路大震災で被災した人間にとって、この日は、ふと立ち止まって、あの日からこれまでの歳月のことを、振りかえってみる日なのかもしれない。