育む心

あちらこちらで桜が満開。

今年は、つぼみが開きかけてから、真冬のように寒かったり、強風が吹いたり、大雨が降ったりだったので、「無事に満開の時を迎えることができるのだろうか？」なんて心配もしたけれど、咲き誇っている桜を見ると、「良かったなぁ」って、ちょっとホッとしたような気分になる。

大丈夫かな？
どうなんだろう？
今は、こうするしか無いな。

なんて、心配したり、気をもんだり、夜も眠れないくらいの気持ちになったりして、何かが育まれて行くのを待つ。

それが、動物だったり、植物だったり、はたまた、人間関係だったり…。

育てよう、育もうと、熱意を込めたり、愛情を注いだり、誠意を尽くしたり、ただただ見守るだけだったり…。

望んだように、育つ場合も有る。
望んだようには、育たない場合も有る。

やがて出てくる結果を受けて、嬉しく思ったり、残念に思ったり…。

結果は、どちらであっても、それが、結果。

でも、何かを育んで行こうとしたからこそ、学べることも有る、得られることも有る。
そこでは、喜怒哀楽を伴った、人間らしい感情も波打つから、心の海が淀まずにすむ。

何かを育もうとする気持ちは、きっと、人間の心をたくましくもするし、美しくもする。

…今年の満開の桜は、風雨と寒さに耐えた桜。
逆境の中でも、自分の生命を育んでいた桜。
何だか、とても、たくましく、毅然とした美しさの漂っている桜に見える。