『絆』を繋いだ一年

いよいよ、今年も残すところ、あと1日と数時間。

新しい年を迎える「厳かな気持ちになる準備」がはじまったような気がする。

毎年、新しい年のはじめには「こんな一年にしたいと思う内的な要因に、自分の意思だけでは、どうすることもできない外的な要因が加わって、こんな一年になったが決まるんだな」と思う。

だから、「なるべくなら、外的な要因は、平穏無事であって欲しい」と願う。

だが、今年は3月に『東日本大震災』が起きてしまい…、私も激しく動揺した。

「なんてことが起きるんだ」と思った。
悲しさとショックで身体が震えた。

それから3ヶ月間というもの、6月頃までは、時間の流れが非常にゆっくりとしたものに感じられた。

「この危機的な状況から、どうにか早く抜け出せないか」と願う“はやる気持ち”が有ったからだろうか？

だけど、“あの時”から、みんな「今、自分にできることは何なのか？」を考えて、立ち上がり、動きはじめた。

それが、今年の漢字一文字の『絆』に繋がった。

そして、「なんでもないようなことが幸せだったと思う～」と言う歌が有るが、本当に、日常の何気ないひとときが、いかに幸せなことなのか…と気付いた。

供給されて当たり前と思っていた電力が、どれほど重要で有難いものだったのか…と気付かされた。

被災地の復興を願う気持ちは、我々まで疲弊してしまってはいけないのだと思う気持ちに繋がり、今年、日本人は、どこか強く、そして優しくなったのではないだろうか？

「上を向いて歩こう」

小さな幸せを見つけて、かき集め、少しでも明るい気持ちになって、前を向こう。

励ますことしかできないけれど、「それでも…」と思って繋いだ手が『絆』となった…そんな一年。

被災地の方々にも、明るい希望の光がともり始めている…そんな今年の締めくくりであればいいな…と思う。

新しい年が、希望を運んできてくれますように…。