阿部ブログ

日々思うこと

北朝鮮の生物兵器関連施設

2011年08月24日 | 日記
北朝鮮の生物兵器開発は、1960 年代初めから金日成主席の直接指示で生物兵器開発計画を強化し、微生物と毒素剤製造のための施設を建設したと伝えられている。
また、1990 年代に招いたソ連崩壊後失職のロシアの技術者が最近の開発に大きく寄与しているとも言われている。

■生物兵器関連研究施設
・金日成医科大学
・金万有記念病院放射線研究室
・平壌医科大学
・金日成総合大学
・医学科学院微生物研究所
・国防科学院医学研究所(25工場)
・201細菌研究所
・501細菌研究所

■生物剤生産施設
阿吾地(AOJI)、清津(CH´ONGJIN) 、満浦(MANPO) 、順川(SUNCHON)、安州(ANJU)、咸興(HAMHUNG) 、新興(SINHUNG) 、新義州(SINUIJU) 、元山(WONSAN)、朔州(SAKUCHU) 、江界(KANGGYE)

北朝鮮が保有していると見られる生物剤には、BACHLUS (バチルス菌) 、ANTHRACIS (アントラシス:炭疽菌)、CLOSTRIDIUM (クロストリジウム:破傷風菌) 、BOTULINUS(ボツリヌス菌) 、SALMONELLA(サルモネラ菌)、 TYPHUS (チフス菌)、VIBRIO(ビブリオ菌) 、CHOLERA (コレラ菌)、 PEST(ペスト菌)天然痘、黄熱病、出血熱などがあると推定される。

ペトロリオミクス(Petroleomics)

2011年08月04日 | 日記
非在来型のガス・石油資源がその莫大な埋蔵量により注目されているが、反面、シェールガス・オイル開発におけるで水圧破 砕が飲料水汚染リスクが懸念されている。これはNHK-BS放送でも報道されているように、今後の開発を進める上での障害となる可能性が高く、訴訟の可能性も十分に考えられる。

現在、シェールガス・オイル開発における水圧破砕の環境影響評価をDOEが実施中であるが、オバマ政権が資源開発と環境影響評価のバランスをどのようにとるかが注視されている。

このような中、ペトロリオミクス(Petroleomics)と言う技術が注目されている。
ペトロリオミクスは、原油や石油製品を分子の集合体として捉え、その詳細な組成と化学構造に基づいて物性や反応性を解析 ・予測する技術で、3つの要素技術で研究が進められている。即ち、①詳細組成構造解析、②分子反応モデリング、③インフォマティクスである。

様々な成分を含む原油や重質油から超クリーンな燃料や石油原料を製造するには、分子レベルの反応を 制御する技術が必要であるが、このペトロリオミクスにより、極めて複雑な混合物である原油や重質油の組成と化学構造を分子レベルで解析して、物性や反応性が予測可能となっている。

詳細組成構造解析は、極めて分解能が高いフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(FTICR-MS)の実用化により、従来は不可能であった原油や重質油に対する分子レベルの詳細な組成分析が可能になった事が大きく影響している。このFT-ICR-MSを用いることで、原油や重質油に含まれる数万から数十万の成分を精確に分析し、その組成式を決定することが可能となっている。このFT-ICR-MSは、フロリダ州立大学国立強磁場研究所のMarshall教授らのグループが開発したもので、世界中の石油会社や研究機関から多くの詳細組成分析が寄せられている。

分子反応モデリングは、石油や重質油などの反応挙動を、分子レベルの組成と化学構造の変化としてもモデリングし、それを数式化して、コンピューター上での様々なシュミレーションを可能とする技術。

重質油などは、その成分数が万の単位にる為、反応をシミュレーションなどの計算が非常に複雑で重くなるため残油等の重質油への適用は難し状況だったが、Texas A&M 大学のFroment教授らが開発したSingle Event Approachなどにより、従来より容易に分子反応モデリングが可能となっている。

インフォマティクスは、前述の詳細組成構造解析や、分子反応モデリングにより多くのデータが生成されるが、これをソフトウェア工学を用いて、今後の研究開発に有用な知見を得る為の情報処理技術であり、韓国慶北大学のKim 助教授のグループが中心となっている。Kim 助教授らのグループは、原油の詳細組成データベースを構築し、これを利用してインフォマティクス用の統計解析ソフトウェアを独自に開発。このソフトで原油や重質油などのデータを解析することで詳細組成に基づく原油のグルーピングや、詳細組成と原油物性との相関関係などの高速分析を行っている。

このペトロリオミクスの活用が広がっている。カナダや中国ではオイルサンド生産時における環境汚染が問題となっているが、環境対策の一環として排水や土壌の分析を行っており、その中でペトロリオミクスを活用していると言われ、また非在来型炭素資源(オイルサンド、シェールオイル 、バイオマス)の高度利用に向けてペトロリオミクスを適用する研究が行われている。また我が国でも原油の品質評価から、石油化学原料製造プロセスの高度化に向けた技術としてペトロリオミクスがその重要性を増している。

このように従来では開発困難だった非在来型資源の開発技術(水平坑井や水圧破砕)の進歩と、ソフトウェア工学など情報処理技術とが高度に融合したペトロリオミクスの技術開発動向には、地球環境を保全しつつ資源エネルギー開発を行なえる可能性を追求すものとして注目する価値がある。