阿部ブログ

日々思うこと

トルコが中国の防空システム “HQ-9”(紅旗9) を採用?

2013年06月26日 | 雑感
昨日25日、久し振りにガザ地区からイスラエルに向けて6発のロケット弾が撃ち込まれた。
直ちにイスラエルが誇る近接防空システムのアイアンドームが2発のミサイルを発射し、迎撃破壊した。中東地域では防空システムの整備・充実は、欠かすことが出来ない安全装置だ。

こんな中、トルコが地対空ミサイル・システムの導入プロジェクト「T-Loramids」の最終選定が間近だ。選定に残っているのは、米国のPAC-3 MEADS、ロシアのS-400、仏伊のユーロサムSAMP/T Aster-30、それとダークホースの中国HQ-9(紅旗9)。イスラエルのArrow2は、ガザでのトルコ人殺害など両国の関係悪化で候補から脱落。トルコ、当初、4個防空中隊分のシステムを導入し、次いで4個防空中隊分を追加導入する計画で、最初の4個防空中隊は、首都アンカラと、トルコ最大都市であるイスタンブールに各1個防空中隊を配置する。残りの2個防空中隊は、イラン・シリアの脅威分析して決定する。「T-Loramids」は約4000億円規模の投資となる為、注目されている。

中でも有力視されているのが、中国の“HQ-9”(紅旗9)。HQ-9は、“FD-2000”として武器展などでも展示されている。射程距離は350kmで、長距離と近距離に対処できる防空システム。HQ-9は中国精密机械進出口公司が取り扱う。中国は、低価格での提供を提案しており、更に技術供与を含む、共同生産可能まで踏み込んでの営業攻勢を掛けている。選定は、エルドアン首相が議長を務める国防産業首脳委員会で最終決定される段階で、中国のHQ-9が選定される可能性がある。

実は、トルコと中国の軍事的関係は緊密である事は、案外と知られていない。2009年に中国のMig-29、Su-27が、パキスタン、イランを経由しトルコ領空での演習に参加している。空軍だけでなく、人民解放軍海軍も地中海での活動を展開するなど、NATOとしも安閑としてはいられない状況。しかしトルコの中国寄りは、米国の対応に不満を感じている事とあるようだ。その隙を突いているのが中国。温家宝前首相とエルドアン首相は、両国の貿易額を500億ドルにする覚書を締結し、決済は、米ドルではなく、トルコ・リラと元を使うことにしている。トルコのアンチ米国の姿勢は明らかだ。例のアンカラ=イスタンブール高速鉄道の建設プロジェクトにも中国の資金が投入されている。

トルコのレーダーなど現在の防空システムはNATOが整備したもので、ここにHQ-9が加わることには防衛システム全体に齟齬を来す事になるが、トルコはスタンドアローンで使うのではないか? しかし、HQ-9導入に軍事合理性はない。再考するべき。
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ムツゴロウを食べれる九州郷土料理「有薫」

2013年06月26日 | 雑感
昨晩は、政情不安定な国に赴任する人生の先輩の壮行会だった。場所は、神田の九州郷土料理「有薫」さん。
           
「有薫」の入り口には、ムツゴロウが居る。一見すると「ドジョウ」かと思ったが、以外と大きい。
                 
勿論、ムツゴロウは食べれる。焼いて良し、揚げて良し。今回は焼き↓
             
「有薫」さんには「有薫酒蔵ソギャンタイ節」と言う歌もある。

一 酒は飲むべし 飲むなれば
         ヨカバイ
  有薫蔵出し  うまか酒
  肴は 不知火 海の幸
  筑後の山幸  川の幸  川の幸
         ソータイ ソータイ
         ソギャンタイ(繰り返し)
  
二 酒は飲むべし 飲むなれば
         ヨカバイ
  有薫蔵出し  枡の酒
  鉢巻キリリと よか男
  包丁さばきも 筑後ぶり 筑後ぶり
         ソータイ ソータイ
         ソギャンタイ

三 酒は飲むべし 飲むなれば
         ヨカバイ
  有薫蔵出し  コップ酒
  酔うては   絣の姉しゃんの
  なまりもうれしい かたえくぼ かたえくぼ
         ソータイ ソータイ
         ソギャンタイ         

TBSウルトラマン広場と “Suzy's Zoo”

2013年06月24日 | 雑感
赤坂にあるTBS&赤坂サカス一帯は、近衛歩兵第三聯隊が駐屯していた陸軍用地だった。2.26事件の時は、中橋基明中尉率いる第七中隊約130名の下士官兵が赤坂から進発し、高橋是清蔵相私邸襲撃し、併行して宮城守衛隊控兵として皇居内に合法的に配置についている。
近衛歩兵第三聯隊については過去ブログをご参照→「TBSのある赤坂サカスは、近衛歩兵第三聯隊の衛戍地

現在の赤坂に近衛兵は居ないものの、今はウルトラマンが「TBSウルトラマン広場」に駐屯し同地の守備に就いている~
             
ウルトラマン広場には、TBSのキャラクターの「BooBo」(ブーブ)と「BooBna」(ブーナ)もいる。
           
それと“Suzy's Zoo”もいる。
                  
TBSウルトラマン広場には、TBS正面入り口左にあるタクシー乗り場を通り過ぎて右を見ると多分ウルトラマンの後ろ姿が見える???

「鉄砲州“稲荷”神社」 は 「鉄砲州“生成”神社」

2013年06月24日 | 雑感
中央区湊一丁目に「鉄砲州稲荷神社」が鎮座している。しかし、お稲荷様の神社に必ずある赤い鳥居は一切無い。境内を巡っても、摂社の八幡様。奥には富士塚が聳えているが、鉄砲州神社は、お稲荷様をお祀りしていない。
                
鉄砲州稲荷神社のホームページを見ると、お祀りしているのは、稚産霊神(わくむすびのかみ)、豊受比売神(とようけめのかみ)、宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)とある。成る程、宇迦之御魂神は、稲の神様でお稲荷さんとしても知らている。これで稲荷神社か・・・・・・しかし何か腑に落ちないので、入り口にある御由緒を確認した。
     書いてある内容は↓
『京橋地区の生成並に鉄砲州稲荷神社御由緒
鉄砲州の地は、徳川家康入府の頃は、既に鉄砲の形をした南北凡そ八丁の細長い川口の島であり、今の湊町や東部明石町の部分が之に相当します。寛永の頃は此処で大砲の射撃演習をしていたので、此の名が生まれたとも伝えられています。昔の海岸線は現在のものより遙かに奥まったものであって、八丁堀の掘られたのが慶長十七年であり、京橋あたりの土地形成が、天文の頃、足利義輝の治世になっていますが、之等京橋地区一帯の土地生成の産土の神こそ、現在の鉄砲州稲荷神社の生成大神であります。

遠く平安時代初期の人皇第五十四代仁明天皇の承和八年(皇紀千五百一年 西暦八百四十一年)に年来打続く凶作に教えられる所あって、此の土地の住民達が自らの産土の国魂神を祀り、万有の生命を生かし成し給う大御親生成の大神として、仰いでその神恩を感謝し奉り、日常の御守護を祈願致しました。所が此の御鎮座の地が、当時の東京湾の最も奥に位置していました為に、港として諸船舶の出入繁く、霊験あらたかなる神徳と相まって当然の結果として船乗人の崇敬が頗る厚くなりました。その後埋立が進行して、現在の京橋のあたりへ御遷座となり、更に室町末期の大永年中に氏子崇敬者達の願望によって、又新しい海岸へ遷座し奉って、八町堀稲荷神社と称しました。

今の新京橋の近くでありますが所が更にその後年にも埋立が進行して、海岸が東方へ移りましたので、寛永元年には南八丁堀地続きとなった鉄砲州に生成大神を御遷座申し上げ、従来から鉄砲州御鎮座の八幡神社を摂社とし、以て今日の鉄砲州稲荷神社の基礎を築かれました。
此の時代を通じて江戸で消費する米塩薪炭を始め、大抵の物資は悉くこの鉄砲州の港へ入って来ました為に、大江戸の海の玄関に位置する此の鉄砲州に御鎮座のいなり大神は、船員達の海上守護の神としても崇敬されました。港が横浜や芝浦に移転してしまった現在でもなお、特殊神事冬至開運祈願祭に授与する「金銀富貴」の神札等は、全国的に篤く崇敬されて、諸諸方々の人々から拝戴されています。

抑も此の神札は、此の土地の氏子達は勿論のこと、全人類をして悉く、「富み且つ貴からしめたい」との御神慮に基づくものであります。
さて、我等は如何にして富み且つ貴くなる事が出来るかと言うに、それには、各自悉くが自分の親を大切にして先祖を供養し、子孫の為に善根を培って行けば、人も自分も、先祖も子孫も、此の世にも彼の世にもみんな救われて永遠の生命に生きる事が出来ます。また天地生成の恵みに感謝し、人のお陰様に報恩の誠を捧げて行けば、必ず富み且つ貴い運命を開く事が出来ます。此の運命開拓の御催促と共に力の不足に対する、力の本源である大御親神から愛子への愛の御力添えが、此の金銀富貴の神札であります。』

これで理解出来た。鉄砲州稲荷神社は、鉄砲州生成神社だったのだ。生成大神とは初めて聞く神様だが、その御神徳に感謝を捧げたい。それと特殊神事冬至開運祈願祭に授与される「金銀富貴」の神札は是非頂きたいと思っている。
それと鉄砲州稲荷神社の近くに鉄砲州通りが通っているが、過去ここに稲荷橋があった当時の立柱が残されている。
              
鉄砲州稲荷神社御由緒にもあるとおり、今の湊一丁目、湊二丁目、南高橋を渡った、かつて越前堀と呼ばれた新川の地は、大江戸随一の海の玄関だったのだ。
今では面影は無いが、新川の隅田川テラスに記念碑が建てられている。
               
実は、鉄砲州稲荷神社の境内には「和平神繆斌顕彰碑」が建立されている。繆斌(みょうひん)氏は、蒋介石が日本に派遣した中国人で、最終的に昭和天皇の和平交渉の拒絶により失敗に帰した。これについては、後日書いてみたい。
                

丸の内・JPタワーの現在・過去 と インテルのグローバル・ツアー

2013年06月24日 | 日記
 昨日まで東京駅前にあるJPタワーで開催されていたインテルのグローバルツアーが終了。
  「インテルのグローバル・ツアー “Experience Intel.Look Inside”が開催
        
 JPタワーの現在、過去。
                  
 JPタワー地下にある「KITTEグランシェ」↓
     
 丸ビルからの眺望↓
     

イギリスが国防力再編を進めている ~ドイツから駐留軍が引き上げ~

2013年06月21日 | 雑感
過去ブログ「イギリス 財政難から核保有を放棄するか」や「イギリスの国防力見直し~ドラスチックな兵力削減と核戦力の抜本的見直し~」でも書いた通り、イギリスは国防費削減を実施中で国防力再編を進めている。

イギリス陸軍は、6月18日付で人員削減の第三段として4,480名を退役させた。陸軍当局によると84%は自発的な退職だとしている。最終的に陸軍の人員は、2018年までに8万2000名程度まで縮小される。
また当初計画より1年前倒しして、2019年までにドイツ駐留軍を完全撤収する。現在のドイツ駐留軍の兵力は1万5500人、この他、軍属・家族が1万8500人がドイツ国内に所在している。修正された計画では、第1機甲師団を中核とする部隊兵力1万1000人を2016年までに帰還させ、最終的に2019年に完全撤収となる。軍人・軍属・家族をあわせて3万4000人が本国に戻ることになる。ドイツ以外では、キプロスのトロードス空軍基地を閉鎖する方針だが、レーダーサイト以外に、政府通信本部(GCHQ)の傍聴サイトがある。これが撤収するかは???

イギリスは、ドイツ駐留軍を撤収させる事により、年間2億4000万ポンドの駐留経費を削減出来る。当然ながらイギリス国内に戻ってくる部隊用の駐屯地整備、住宅建設などが必要で、約18億ポンドを投じて環境整備を行う。部隊配備先はイングランド・コテスモア、スコットランド・キンロスの旧空軍基地などが挙げられている。因みに移転先の地元に政府試算によれば6億5000万ポンド程度、貢献すると言う。

軍事基地は環境破壊の最たるもので、ドイツからの撤収にともなって基地内の環境保全問題が顕現化するだろう。
「ドイツ駐留NATO軍地位補足協定」、正式名称「ドイツ連邦共和国に駐留する外国軍隊に関して北大西洋条約当事国間の軍隊の地位に関する協定を補足する協定」が、1959年8月3日に当時の西ドイツ政府と、NATO加盟国のうちドイツに駐留する米国や、イギリスとの間で締結されているが、1993年3月18日の協定改訂時に、環境保全原則(第54a条)が導入された。環境意識の高いドイツ国民の要請を受け、環境保全についての責務を駐留外国軍隊にも負わせるべきであるという事。

イギリスは、駐留イギリス軍および軍属機関がドイツ内でのあらゆる軍事活動計画の環境との適合性について調査する責任を負うものとされ、人間、動物、植物、土壌、水、空気、気候および景観に与える可能性のある環境上重要な意味を有する影響について、監視・分析・評価を行なう事となっている。とりわけ、基地内での環境汚染、基地内での活動による都市計画・地方計画、記念物および自然保護区への影響を調査するためのドイツ政府機関の立入りが 明示されている。

この環境保全原則により、イギリスは撤収する基地内の有害物除去に対しては適切な措置を講する必要がある。このコストがどの程度になるのか、イギリス政府も試算が出来ていない。侵攻するよりも撤退が難しい典型となりそうだ。

早稲田大学ファイナンス研究センター訪問 ~アルゴリズム取引について~

2013年06月19日 | 雑感
日本橋には、メリルリンチやバンク・オブ・アメリカなど入居する「コレド日本橋(COREDO)」がある。元々COREDOの前身は、東急百貨店で、2004年に複合商業施設として新規オープン。
                   
この「コレド日本橋」5階に、早稲田大学のファイナンス研究センターがある。
             
昨日、このセンターを訪問して様々お話をお聞きする事が出来た。訪問目的とは、少々そぐわないものの、アルゴリズム取引の話が特に興味深かった。

アルゴリズム取引とは、予め定められたアルゴリズムに従ってコンピュータにより瞬時に売買する金融商品の取引形態で、今やマイクロ秒(1マイクロ秒は1秒の100万分の1)での取引が行われていると言うから驚きだ。話によると、2010年に東京証券取引所(東証)の売買システムがメインベンダーである富士通によりリニューアルされ、今までは取引を目視する必要から3秒取引を原則としていたが、リニューアル後は、1ミリ秒でトランザクションを高速に処理出来るようになった。今や東証でも高頻度取引(high frequency trading: HFT)や統計的裁定取引(statistical arbitrage)などのアルゴリズム取引が、欧米程ではないものの多用されつつあるとの事。

アルゴリズム取引のシェアは、米国の株式市場で約60%~70%、欧州の株式市場で50%程度。主要な為替市場では、既に40%から70%に達している。きちんとした統計データは存在しないようで、推計に過ぎないが、既に半分以上の取引はアルゴリズムによって自動で行われているも言う。東証でのアルゴリズム取引の規模は、2010年のコロケーション(co-location)から推測すると、全注文件数の約1/4を占めると推測されている。
コロケーションとは、東証の売買システムとの低遅延性を重視する投資家に提供されるサービスで、投資家のサーバーを東証のプライマリサイト内に設置することで、東証の売買システムおよび相場報道システムとの距離を極小化し、相場情報の取得と注文の送信にそれぞれ片道10マイクロ秒以下に短縮することが出来る。マイクロ秒単位で競争相手に先んずる事が重要。

投資家は、注文を発注してから市場に注文が届くまでの時間、市場価格、出来高、指値板といった情報が投資家に到着するまでの時間を極限まで短縮したい。こうした時間は注文の遅延(latency)と呼ばている。しかし海外市場に発注する場合、物理的な距離が厳然とあるため最速のネットワークを経由しても数10~数100ミリ秒の遅延が発生する。高速ネットワークサービスで有名な「エクスポネンシャルeファイナンス社」のネットワークを利用しても、東京→ニューヨーク間は246ミリ秒の遅延、ロンドン→ニューヨーク間では68ミリ秒の遅延となる。

ネットワークの更なる高速化は、相当に難しいようだが、各国でブレークスルーを目指して技術開発が進められている。最近、注目されているリアルタイム処理技術として、複合イベント処理(complex event processing)がある。複合イベント処理は、ネットワークを介して市場から到来するデータを、いちいちハードディスクに格納することなく、大容量のメモリに展開して処理するオンメモリ・データベース技術で、アルゴリズム取引に必要なイベント検知とリアルタイム処理により、今までの執行時間を飛躍的に短縮させることが可能だ。
このアルゴリズム取引には、先進的な技術が応用されており、マーケット・マイクロストラクチャー、金融工学の価格付け理論や確率制御理論を応用した最適執行戦略(optimal execution strategy)理論、計量経済学を適用した大規模解析技術、テキスト・マイニング技術、人工知能、それと前述の売買処理自体を高速化する複合イベント技術などの情報技術など多岐にわたる。

アルゴリズム取引は、とても興味深い分野だと思う。宇野淳先生、貴重なお話、誠に有り難うございました。

静岡県知事選における川勝氏の圧勝とトリウム原子力

2013年06月18日 | 雑感
久し振りにトリウムです。

6月16日(日)に実施された静岡県知事選で、現職の川勝平太氏が108万609票を得て再選された。この得票は、静岡県知事選挙で史上最高。川勝氏の再選で、中部電力でのトリウム原子力の研究支援の継続性が高まった。川勝知事は、福島第一原発事故後、ウランと並ぶトリウムを燃料とするトリウム炉の研究開発を提唱されている。
中部電力では、原子力安全の向上を目指して、浜岡原子力発電所内に「原子力安全技術研究所」を設置し、新型原子炉に関する技術開発や、原子力の安全性を高める新型炉の概念検討、それとトリウムなどエネルギー源の多様化研究などに取り組んでいる。中部電力がトリウムの研究を軽重はともかく、掲げた事は貴重な一歩だと思う。

中部電力・原子力安全技術研究所は、今年3月18日に公募研究募集の結果を発表した。公募総数81件、採択は13件。採択された研究テーマの中にはトリウム溶融塩炉の研究も含まれ、「原子力の将来技術に資する基礎基盤的研究」として『トリウム溶融塩炉の苛酷事故ソースターム評価手法の構築を目指す基礎的研究』。提出したのは、福井大学の山脇道夫教授。
     
山脇教授は、5月17日、静岡県男女共同参画センターで開催れた原子力エネルギーシステムシンポジウム「トリウム燃料を利用した原子炉開発の課題と展望」-世界各国および我が国の研究開発状況を知り、今後の課題と展望を探る-で「トリウム炉の安全研究・工学的研究の現状と課題」と題して講演している。
山脇教授の研究に対して、中部電力から研究費として上限500万円/年が支給される。研究成果は、地元での説明会が企画されるとの事、是非とも参加したいと思っている。

中部電力としては、川勝知事から突然「トリウム炉の研究を」と言われていた訳ではなく、2010年10月29日に東京大学・駒場キャンパスで開催された『資源経済シンポジウム「トリウムとレアアース」』に中部電力の方が参加され、情報収集されていた。多分、彼はラガーマンだろう。筋肉質の肉体がスーツに透けるようだった。
東京大学でのシンポジウムについては、過去ブログを参照の事→「資源経済シンポジウム「トリウムとレアアース」が盛況裡に終了

トリウムに関しては中部電力だけでなく、原子力委員会も、5月9日に臨時会議を開催し、トリウム利用技術の研究開発動向について、NPO法人「トリウム溶融塩国際フォーラム」の吉岡律夫理事長から聴取している。吉岡氏は、故古川博士の意志を継いでNPOを引き継いだ元東芝の炉心設計者で、トリウム溶融塩炉は高レベル放射性廃棄物の減容化や核不拡散につながるとし、研究開発を進めるべきと持論を展開した。また木下幹康氏(東京大学客員研究員)は、日本単独で研究開発を行った場合、15年間で約2200億円の費用が掛かるとの試算を示している。
吉岡氏と木下氏の説明資料は、「トリウム利用技術とその研究開発について」

過去ブログもご参照下さい。
レアアースとトリウム
トリウム溶融塩炉とトリチウム(三重水素)
核武装 と トリウム溶融塩炉
第2の原子燃料 トリウム
レアアースとトリウムの動向_2010
『原爆帝国主義』におけるトリウム
日本トリウム協議会の設立が宣言された
レアアース&トリウムを一体処理する国内施設の必要性
「トリウム熔融塩炉の設計」について豊橋技術科学大学の三田地紘史名誉教授が講演
明日、いよいよNHK 『クローズアップ現代』 でトリウムがメインテーマで報道されます。
アメリカと中国がトリウム溶融塩炉の開発に着手か~
DARPAと原子力、殊にトリウム
亀井敬史氏の東洋経済に寄稿しているトリウム原子炉の記事が好評だ

韓国の対抗部隊「甲」は日本・自衛隊 ~次期戦闘機KF-Xが山場~

2013年06月18日 | 雑感
今はどうか知らないが、仮想敵国を想定した対抗部隊「甲」「乙」「丙」が設定されていた。専守防衛を掲げる自衛隊としては、こんな表現となるのだろう。1980年代在隊中の定義は、「甲」は旧ソビエト軍、「乙」は中国人民解放軍、「丙」は北朝鮮人民軍。
何故こんな事を書いていかと言えば、韓国空軍の次期戦闘機調達計画KF-Xの第一の仮想敵は、北朝鮮ではなく日本だからだ。つまり将来的な韓国軍の対抗部隊「甲」は航空自衛隊、「乙」は中国のJ-20、「丙」はロシアのスホイT-50と言うところか。つまり主敵は日本と言う事。北朝鮮の空軍力はゴミ。韓国軍単独で制空権を確保するだろう。それだけの戦力差が厳然としてある。

韓国軍の調達部門であるDAPA (Defense Acquisition and Procurement Agency) は、総額75億ドル以上に達する韓国空軍の次期戦闘機調達計画KF-Xが、山場を迎えている。下記の3機種から次期戦闘機が決定される。
第1は、F-15 Silent Eagle(ボーイング)
第2は、F-35 (ロッキードマーティン)
第3は、ユーロファイター・タイフーン トランシェ3 (欧州航空宇宙防衛会社:EADS)

3機種が俎上に上がっている訳だが、韓国は必ずやF-35Aを選定する。
韓国防衛に対する米軍のディープな関与と引き替えに米国製装備入を大規模に導入すると言う事だ。それと韓国は、F-35の性能要求は日本と同じでなくてはならないと主張しており、大枚を出すのだから相応の要求を飲んでほしいとのことか。
しかし、もし韓国が60機のF-35Aを導入しても、北東アジアに唯一設置される、主敵日本のF-35保守整備センターを韓国は使用せず、との方針で、そうなると韓国政府が計上している8.3兆ウォン(73億ドル)では全然足りずに、軽く10兆ウォンは超えるだろうと言われている。ロッキード・マーティンの見積もりは108億ドルだ。

今後、韓国経済は第三の危機に陥る可能性が高いが、イージス艦の導入と同じくF-35Aの導入計画は縮小を余儀なくされるのではないか? 日本を主敵とするから莫大なコストが掛かるのであり、本当は不要な装備だ。日本に対抗心を露わにするのもいい加減にしないと韓民族が可哀想だ。それでなくとも中間層が縮小して貧困が蔓延り、若年層の失業が過去最大と言う体たらく。

個人的には、韓国はユーロファイターを導入するべきだと思う。
各社からは技術支援の提案は、あるもののユーロファイターは、米国勢より広範囲の技術支援の提案をしているようだ。ユーロファイターの株主である欧州航空宇宙防衛会社(EADS)は、ユーロファイター戦闘機の韓国内生産、無人航空機技術、専用の整備施設と航空宇宙ソフトウェアセンターの設置も提案しており、韓国航空宇宙産業(Korea Aerospace Industries (KAI))にとっては、メリットが大きいし、雇用と技術の獲得が可能だ。
サムスン帝国も何時まで持つか分からない状況なのだから、冷静に判断するべき。日本同様、国産戦闘機の開発と言う選択肢もあるが、失敗するだろうし、時間が掛かり、空軍が希望するステルスなど韓国の技術では到底無理。

ユーロファイターを勧める最大の理由は、完成機で既に第一線配備されている点。空軍が欲しがっているF-35Aは、開発途上の未完機材で、対地攻撃能力があるとはいえ、ユーロファイター程の攻撃能力はない。空戦専門に近い運用となる。F-15SEにしても相当程度の新規開発が必要。

韓国が日本を主敵とし、無駄な投資をするのも良いが、仮に日本との戦闘状態になり、対日貿易が途絶すると、どうなるか?韓国軍人が理解していない訳がない。
スマートフォンを世界中に売りまくっているサムスンは、前期同期比54.3%、8兆7800億ウォン(7820億円)と大幅増益を叩き出しているが、中核の部品は日本製だ。半導体製造に欠かせないレアガス(希ガス)は100%日本からの輸入だし、途絶すると半導体生産ラインは簡単に止まる。食料も日本の商社経由。輸出に依存する経済は持続不可能だ~よく考えた方が良い。

まあ、韓国経済が破綻しても日本には影響は無いし、反日国家・韓国を懲らしめるのには良いのかもしれないが、軍備拡張している場合じゃない。

幽霊坂のソラシティにあるJAXA東京事務所(宇宙航空研究開発機構)

2013年06月15日 | 雑感
独立行政法人宇宙航空研究開発機構の東京事務所は、神田駿河台の幽霊坂にある御茶ノ水ソラシティに4月完全移転した。
               
『この坂を幽霊坂といいます。もとは紅梅坂と続いていましたが、大正十三年(一九二四)の区画整理の際、本郷通りができたため二つに分かれた形となりました。
『東京名所図会』には、“紅梅坂は”“往時樹木陰鬱にして、昼尚凄寂たりしを以て俗に幽霊坂と唱えたりを、今は改めて紅梅坂と称す。”とかかれています。また古くは光感寺坂とも埃坂などとも呼ばれていたこともあるようですが、一般には幽霊坂の名でとおっています。』 

JAXA東京事務所には、広報部、人事部(人事課)、東京契約課(契約部)、国際部、宇宙利用ミッション本部衛星利用推進センター(防災利用システム室)、監事室、経営企画部、総務部、東京財務(財務部)、周波数管理室が所在する。そして地下1階にはJAXA広報センターがある。コレだ↓
                                                            

ミャンマー:ロヒンギャ族とカチン族

2013年06月15日 | 雑感
過去ブログ「ミャンマーのラカイン州問題 ~さまよえるロヒンギャ族~」でも書いたが、ミャンマーでは民族紛争が絶えない。
5月28日にもミャンマーの東部シャン州ラーショーで、仏教徒がイスラム教モスクや学校に放火するなど、宗教の違いから来る騒動が起こっており、ラーショーには夜間外出禁止令が出され、5月30日、外務省も注意喚起を出している状況。

そんな中、ラカイン州のマウンドー県当局が、イスラム教を信望するロヒンギャ族に対し、子供を2人に制限する施策を打ち出している。昨年のラカイン州での大規模な紛争を調査した調査委員会が、ロヒンギャ族の急激な人口増加が、仏教徒住民を不安に陥れた事が原因の一つだと指摘しており、マウンドー県は、この勧告に沿った対応だと説明している。しかし、ロヒンギャ族だけに産児制限を設けることは、新たな紛争の種を蒔くことになりはしないか??

ラカイン州では、民族・宗教紛争の根本的解決には程遠い状況に打つ手が無いが、ミャンマー政府は、カチン独立軍(KIA)と停戦合意に達し、5月30日、合意文書に調印している。ミャンマー政府は、カチン族との交渉から中国を排除する事に注力し、ミャンマー国民同士での解決を目指しており、中国排除政策は、今のところうまく行っているように見える。しかし予断は許さない。親中国のカチン族を動員して、ミャンマー政府とKIAが直接交渉するのを阻止し、影響力を保持しようとするだろう。今まではKIAとの交渉は全て中国領内で行われている。ミャンマー政府は、1万以上の兵力を有するミャンマー第2の武装勢力であるKIAとの最終的な和解に向けて、今月ミッチーナーで中国を排除して会議を開催する。2011年6月以降の政府軍とKIAと戦闘状態の解消を目指す。

EU加盟を目指すトルコがPKKと停戦に合意した事と同様に、ミャンマーが経済成長モードに移行するには、国内の武装勢力との停戦が欠かせない。テイン・セイン政権は、国内の少数民族武装勢力との間で停戦を成立させてきており、残る最大障害であるKIAとの停戦は極めて重要である。しかしカチン族が要求している自治権の拡大に関しては、中国国境に直接、接しているので、単純に自治権の拡大を認めるのは、将来的な離反・独立という紛争へエスカレートする可能性が高くなるので、慎重な対話と対応が必要。

さて、ロヒンギャ族のいるラカイン州から、カチン族のカチン州を経由して中国の雲南省瑞麗市に至るガスパイプラインの運用開始が大きく遅れそうだ。このパイプラインは、中国石油天然ガス集団がラカイン州チャオピューから中国まで建設を進めている天然ガスパイプラインで、建設が予定通りには進んでい。

それとパイプライン建設に並行して鉄道建設プロジェクトが計画されている。
この鉄道は、全長868km、79の駅、409の橋梁、101のトンネルが建設されるが、全て中国の出資による。これが何を意味するかはミャンマー政府は明確に理解している。しかし既にプロジェクト同意書(MOA)調印を控えている状況にあるが、沿線地域では不安・不信が高まっている。中国企業が一方的にパイプライン建設を行っている中、土地提供金の支払いが確定していなし、中国の杜撰なパイプライン建設に伴う環境破壊、中国人キャンプ地との軋轢など、問題課題が山積の状態で、更に鉄道も敷設すると言う~今、ミャンマー政府の統治能力が問われている。
この事態を放置すれば、今までの少数民族武装勢力との停戦に向けた努力が雲散霧消する可能性も否定出来ない。中国としては新援蒋ルートを確保したいのだろうが、米国、日本、インドが黙ってません。パイプライン建設については、ミャンマー北部でカチン族が妨害活動を展開しているとの情報もある。資金の出所は勿論だ。

過去ブログもご参照→「ミャンマーから中国への石油・ガスパイプライン敷設

モサド長官がトルコを訪問し、対イラン戦略、シリア内戦について討議

2013年06月14日 | イスラエル
オバマ大統領のイスラエル訪問以降、2010年5月に発生したトルコ人射撃事件で冷え込んでいたトルコとの関係改善にイスラエルが積極的に動いている。背景には、イランの核開発の進展、混迷するシリア内戦、トルコ国内で活発化するイラン情報機関の活動がある。特にイスタンブールの騒動にはイランの関与が示唆されている。

両国の外部環境に鑑み、イスラエルは、モサド(MOSSAD)タミル・パルド(Tamir Pardo)長官をトルコに派遣し、トルコ国家情報機構(MIT)のハカン・フィダン(Hakan Fidan)長官と6月10日に会談。両国の情報機関同士の緊密な情報共有と対イラン、対シリア情勢で連携して対応する事を申し合わせた。特にイランの核開発について最新の状況をトルコに提供したようだ。

イランの核開発は、ネタニアフ首相が設定した限界ラインを超えつつあるとの認識で、イランは核関連施設の増強を促進しており、年間30発の核爆弾を製造できる能力を獲得する手前にある。既に20%濃縮ウランを190kg保有しており、もしこの濃縮ウランが250kgに達すると、遠心分離器で数週間から2ヶ月程度で、濃縮度90%のウランが製造出来る。

シリア内戦については、S-300供与と化学兵器使用問題、トルコへのパトリオット配備と国境付近での銃撃事件や、ゴラン高原におけるシリア政府軍と反政府勢力の戦闘によるイスラエル軍の国境監視に関する最新情報を交換。特に化学兵器問題では、イラクで6月1日、イラク軍がバグダッドで掃討作戦を行い、ラジコン機とサリンなどの毒物を押収。検挙された関係者は、アルカイダ系の組織の指令を受けていたと自白している。イラク国内からサリンなどがシリアに流入する可能性もあり、イスラエルは懸念を深めている。シリアだけでなく、周辺国でのイスラエル=トルコ両情報機関が協調して監視する必要がある。
全く別件ではあるが、イスラエル沖の天然ガスを海底パイプラインでトルコに供給する構想もある。
過去ブログを参照→「イスラエル=レバノン沖の天然ガス資源

イスラエルの動きは活発だ。6月12日には、モシェ・ヤーロン(Moshe Yaalon) 国防相が訪米しており、チャック・ヘーゲル国防長官と会談しており、内容は、やはりシリア情勢で、S-300のシリア輸出問題と化学兵器使用問題。それとシリア反政府勢力への武器支援の要請だ。また6月17日、オバマ米大統領がプーチン大統領と北アイルランドで会談するが、シリアへのS-300供与についてのメッセージをオバマ大統領に託す。今月17日18日両日、G8首脳会議「UK Presidency of G8 2013」が英国ロックアーンで開催されるのに先だって両大統領が会談するのだ。
イスラエルの分析によればシリアは今後2極化、若しくはトルコから退去したクルド武装勢力とイラク・クルド族も加わって3極化する可能性があるとしている。

幕張メッセの国連環境計画(UNEP)地球環境情報展

2013年06月13日 | 雑感
海浜幕張にある幕張メッセでは、2008年9月から継続して、国連環境計画(UNEP)の地球環境情報展を行っている。
                   
地球環境情報展は、国際会議場2階ロビー通路に常設されているが、今は「第21回国連子供環境ポスターコンテスト」が行われている。世界中の素敵な作品が展示されれている。
                                              

フロスト&サリバンの中東軍事市場レポートとイスラエルの武器輸出

2013年06月13日 | 雑感
フロスト&サリバン(Frost&Sullivan)が、最近「The Middle East and Africa Defence Market Assessment」と題された中東・アフリカ地域における軍事関連市場の報告書を出している。アジアでの軍拡も問題だが、イランの核武装の可能性が懸念される中、お金に糸目をつけずサウジアラビア、アラブ首長国連邦などが最新鋭の装備の調達を促進している。中東・アフリカ地域の2012年における軍事関連市場は、296億7,000万ドルだったものが、2021年には454億9,000 万ドルに拡大すると予測されている。

中東・アフリカにおける軍事関連市場で、特異な地位を築いているのがイスラエルだ。
2005年~2012年におけるイスラエルの軍事関連輸出は、年間平均にして61億ドルだが、金額はさておき輸出先が興味深い。結論から言うと敵味方にかかわらず、イスラエルは買いたいと言う相手には、基本的には武器を売っている。まあ敵と目される相手に提供される兵器には手が加えられているだろうが~特にイスラエル製のC4ISR (Command, Control, Communications, Computers, Intelligence, Surveillance and Reconnaissance) には要注意だ。

イスラエルは、エジプト、トルコ、モロッコ、UAE、アルジェリア、パキスタンなどに対し、戦闘機レーダーを含む関連部品、電子戦システム、空中給油関連システム、地上レーダー、弾道ミサイル防衛システムの一部、操縦士のヘルメット、ヘッドアップディスプレイなど、売れるモノを間接的に輸出している。特に無人偵察機UAVはニーズが高い製品で2005年~2012年の累計で46億1,000万ドルに達している。2020年まで、イスラエルのUAV輸出は、年平均5~10%拡大すると推測されている。

しかしながら、イスラエル国防省が流石に適性国家への武器輸出は問題と認識。コンプライアンスの強化に乗り出している。IAI(Israel Aerospace Industries Ltd.)やADS(Aeronautics Defense Systems)、Elbit Systemsなどの国防関連企業に影響があると思われているが、迂回輸出など裏取引は可能で、今後もイスラエルの国防関連企業は利益増大に向けて爆走するだろう。
敵にも塩を売るユダヤ商人恐るべし~