阿部ブログ

日々思うこと

『狼の牙を折れ』読了 ~東アジア反日武装戦線 「狼煙を見よ」を読み直す~

2013年10月26日 | 雑感
門田隆将の『狼の牙を折れ~史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部~』を読了。
『死の淵をみた男』と『太平洋戦争 最後の証言~陸軍玉砕編~』に続く、門田本の3冊目。この2冊と同様に『狼の牙を折れ』も一気呵成に読み通す事が出来たのは、門田さんの地道な取材の成せる技だ。

※過去ブログ→東京電力・福島第一原発の吉田所長を偲ぶ ~東京都市大学・高木直行教授を訪問して~

東アジア反日武装戦線の事は、1987年に発売された『狼煙も見よ』を読んでいたので知っていたが、『狼の牙を折れ』は容易に窺い知れない公安からみ見た爆弾テロの捜査から逮捕に至る経過を捜査関係者の実名を挙げて書き上げており、しかも、警察の派閥抗争も絡めているので、公安モノが好きな御仁にも満足いける内容に仕上がっている。この本は、竹内明の『ドキュメント秘匿捜査~警視庁公安部スパイハンターの344日~』と同様に、捜査現場の過酷さ、厳しさが身に沁みるし、大変な仕事だつくづく思わせるものだ。日々、第一線で勤務されている警察官の皆さん、特に身分を隠して職務遂行されている皆さんに敬意を表する。

『狼の牙を折れ』で面白かったのは、愛宕警察署の裏にある「極左暴力取締本部」、略して「極本」と言う裏本部の存在。今も愛宕警察署の裏には、窓のない重厚なビルが建っている。このビルは、明らかに、いわくありげなビルで、Googleマップでも無記名。ある種、わかりやすい施設で、近隣の住民や通勤などで見かける人達は、何やら妙ーなビルだな~と思うだろう。好気を感じさせるこの手の施設は、公安には相応しくない。

さて、東アジア反日武装戦線は、三菱重工、三井物産、帝人中央研究所、大成建設、鹿島建設などの爆破事件を引き起こしたが、実は彼らの一番最初の爆破事件は三菱重工ではなく「興亜観音・殉国七士之碑爆破事件」。
興亜観音は、第二次上海戦から南京攻略戦を戦い抜いた松井石根陸軍大将が建立した観音像。「殉国七士之碑」は松井大将を含むA級戦犯として刑死した板垣征四郎、木村兵太郎、土肥原賢二、東條英機、武藤章、広田弘毅の冥福を祈る鎮魂の碑。まあ、彼らから見るとA級戦犯は、日本帝国主義者の最たるものなのだろうが、よくよく考えてもらいたい。彼らは単なる中間管理職。指示された事を実行しただけだ。死刑にするなら、太平洋を逃げ回って、かつ謎の反転を繰り返した日本海軍軍人を、我々日本人は断罪するべきだろう。日本海軍こそ、太平洋戦争の最大の敗因を作り出した組織だから。
話を元に戻すと、「興亜観音・殉国七士之碑」爆破はいただけない。それに興亜観音と殉国七士之碑の間にあった「大東亜戦殉国戦士一〇八八霊位供養碑」にも鉄パイプ爆弾を仕掛けたし! 彼らが捕まったのは、国が掲げる大義に殉じた戦士が祟ったのです。

さて、自分が何故、東アジア反日武装戦線に関心をもつのか? それは大道寺夫婦が、釧路出身だと言うことにある。実は、若い頃、釧路に居た事がある。
赴任する時「半袖は要らないから置いていけ」と言われ??だったが、7月の釧路に着いてわかった。寒い!道央と道東では、こんなにも気温が違うものか。ココでの勤務はキツそうだな~と思ったが、思った通り、危うく死にそうになったし、心も極度の緊張と恐怖で傷ついた。今でも夜「うぉー」と叫んで飛び起きる事があるが、これは道東や近海での任務の記憶がそうさせる。
東アジア反日武装戦線は、この釧路から根室に至る人気の無い海岸で爆弾の試験を行っている。大道寺夫婦が育った釧路や道東の土地が分かるから「狼煙を見よ」を読んで極めてリアルに感ずるのだ。自分の経験から現地の塩の匂いやら、海中に漂う昆布や石炭が混ざった海岸の雰囲気がアリアリと想起される。

しかし、東アジア反日武装戦線に対して関心を持つ最大の理由は、釧路云々ではなく別にある。
大道寺夫婦や他のメンバーの人生経路を知るにつれ、今では東京で椅子に座って仕事している自分も、間違ったら彼らのような道を歩む事になる可能性は「ゼロ」では無かっただろうと考える。正直、彼らの思想はともかく、ある種共感を感ずる所もある。今の20代30代の、景気の良い時代の日本を知らない若者達が「狼煙を見よ」を読むと、それなりに共感する人は少なくないだろう。小林多喜二の「蟹工船」が読まれる平成の世にあって、今の公安や自衛隊の情報本部などはどのように分析しているのだろうか? 共産党が議席の伸ばしているのは、決して偶然ではなく、実際に貧困の若者たちの生活相談に乗ってくれるのは共産党など左側にいる団体なのだから。それだから彼らも清き一票を投じているのだ。若者が置かれている生活環境を知らずして分析すると読み誤る。

「狼の牙を折れ」や「狼煙を見よ」を読んで、若い頃を思い起こすが、20代の汗と涙と泥と血、緊張と恐怖に彩られた環境から、今自分が置かれている環境を想像する事は難しい。何故今のようになっているのかは本人ながら判然としない。自分で人生経路を決めてきたという実感はない。ただ最近は、ひたすら「今」を生き抜きたいと思っている。

そろそろお迎えも近いかな~

韓国が対日軍事装備の調達を加速 ~韓国は敵国。敵の敵は見方、北朝鮮との国交正常化を図ること~

2013年10月21日 | 雑感
韓国空軍のF-Xフェイズ3で、一旦は、ボーイングのF-15SE決まった選定結果が覆っている事は、既に報道されている通り。
韓国空軍は、日本と同じF-35の調達を希望しており、退役空軍将官らが、次期戦闘機計画が間違った方向へと進んでおり、当初の狙いから外れている、と発言している事も報道されている通り。韓国国防省のスポークスマンも「韓国が第五世代機を必要とし、北朝鮮の増大する脅威に対処する必要性は国民の総意」と発言しており、この脅威に対処出来るのはF-35しかないと言うことらしい。しかし、北朝鮮を潰すのにF35は役に立たない。既存のF15部隊で十分だ。
しかし、今回、韓国がF15SE調達を破棄した事で、サウジアラビア向けF15SA×84機で、全てのF15の生産を完了し、最後のF15生産ラインが停止する事とになる。ボーイングは最終機のF15の引き渡しを2019年に行う予定だ。
しかし、上記の状況ながら、韓国空軍自体は、F-15SEの調達に賛成していた。調達委員会の半分を占める民間委員が反対した為に、今回決定を取り消したのであるが、ボーイングには気の毒な事だ。仮に今回のF-X調達が流れる事になると、次回の調達は5年後以降で、そうなると既存のF4などは実質的に飛行出来く、実戦に回せる空軍力に不足感を感ずるようになる。まあ、どうせ韓国の事だし関係ない。もし改めてF35の調達を決定するならば、韓国は我が国の敵であり、経済的に締め上げる機会の到来を座視しない。

さて、韓国は、F-X以外でも、対日軍事装備の調達に余念がない。韓国のDAPA(Defense Acquisition Program Administration) は、空中給油機×4 機を総額9億5000万ドルで調達する予定で、早ければ2014年内に機種を決定し、2017年から2019年に実戦配備する計画を立てている。来年度2014年度予算では、69億ウォンの予算を計上し、機種選定の評価実施の第1フェーズを実施する。現在の候補はエアバスのA330とボーイングのKC-46。空軍の現役機であるF-15K、KF-16は、竹島上空では30分程度の滞空時間しかなく、攻撃、防衛任務共に行えない状況だが、空中給油機があれば、当然の事ながら戦闘領域は拡大する。

また韓国海軍においては、一度諦めたイージス艦の調達を行う。これは昨年、統合参謀本部に対し、海上自衛隊と同じ隻数のイージス艦の配備が必要との事で、イージス艦×3隻の新規調達を要望している。表面上は、対北朝鮮の対応としているが、これも主目的は、対日戦を想定した調達で、当該イージス艦は、2020年から2025年にかけて建造する計画。また、重兵装でトップヘビーのイージス艦を建造するのだろう。また、現役のイージス艦「世宗大王級駆逐艦」についてもSM-3を搭載計画で、米国が調達に応じるか興味深くその対応を見たいと思っている。

さて、近い将来の対日戦に勝利するために韓国は上記の如く軍事力の向上整備に努めているが、我が国としては、北朝鮮との国交正常化を早期に実現させ、経済援助と日本海における資源・エネルギー開発を共同で行うなど経済連携を密に行う事で韓国を牽制する事が欠かせない。その為には、民間外交が必要であり、特に必要であれば軽水炉の輸出を持ちかけても良いだろうし、電力網を100Vから200Vに昇圧してリニューアルするプロジェクトなどを無償で行うべき。それと軍事的には、北朝鮮のサイバー戦部隊は魅力的なリソースだ。2012年だけでも韓国に対するサイバー攻撃は、6392件に達しており、その被害総額は8600億ウォンに達する規模(韓国国防省サイバー戦司令部)。日本も北朝鮮のサイバー攻撃部隊と連携を図り、かつ北朝鮮経由イスラエルのサイバー戦闘ノウハウの吸収などで戦力向上を図りつつ、対韓国向けサイバー攻撃の準備を行うべきだ。韓国などソウルを潰せば当分国家機能停止状態に陥る。(まあ日本も同じか)
因みに北朝鮮のサイバー部隊の規模は、3000名とも言われ、対する韓国は400名のITセキュリティに毛が生えた専門家を擁するだけ。

最後に、朝鮮半島は二分したままの状態を維持するべき。
朝鮮半島の統一は、中国もロシアも日本も望んでいない。38度線での分割とは中々良いアイディアだと、つくづく思う今日この頃。

超正統派ユダヤ教ラビ・オバディア・ヨセフ師がお隠れになりました

2013年10月08日 | 雑感
イスラエルには、チーフ・ラビと称されるユダヤ教ラビが存在する。それも二派。即ちアシュケナジ(ヨーロッパ系)と、スファラディ(東方系)。チーフ・ラビは、150人のラビから選挙で選ばれ任期は10年。
今のチーフ・ラビは、アシュケナジは、ラビ・ダビッド・ラウ。スファラディは、ラビ・イツハク・ヨセフである。この二人のチーフ・ラビは、何処かの国の議員と同じ二世のラビで、ラビ・ダビッド・ラウは、前アシュケナジ・チーフラビのラビ・イスラエル・ラウの息子で、ラビ・イツハク・ヨセフは、前スファラディ・チーフラビ・オバディア・ヨセフの息子である。

今日10月7日午後、前スファラディ・チーフラビ・オバディア・ヨセフ師が、心不全・腎不全で意識不明のまま、エルサレム市内の病院で死亡した。93歳。
オバディア・ヨセフ師は、1973年にチーフ・ラビに53歳で就任。1984年には、ユダヤ教正統シャス党を設立し、政界における正統ユダヤの地位を確立した立役者。シャス党は、現政権に、副首相を含む閣僚4人を送り込み、イスラエルの政策立案に大きな影響力を行使出来る立ち位置にあり、かつ、超正統派ユダヤ教徒に強い影響力を持っている。シャス党は、現在、党首が2人いる2頭体制で、ヨセフ氏亡き後、シャス党の分裂の可能性を含め今後の動向が注目される。

生前のオバディア・ヨセフ師は、過激な発言で物議を醸していた。パレスチナ自治政府のアッバス議長やパレスチナ人は「地球上から消えるべきだ」とか、「神は、パレスチナ人たちに疫病をもたらすべきだ」とか、「ホロコーストで殺害されたユダヤ人は、罪人の生まれ変わりだったから罰を受けた」とか、ハリケーン・カテリーナに被災したアメリカに対し「ガザからユダヤ人を追い出した罰だ」などなど、話題に事欠かない宗教指導者だった。
 
オバディア・ヨセフ師の葬儀の為、エルサレムを中心とする交通網は麻痺状態に陥っており、全イスラエルから葬儀に参集する人たちは85万人以上でイスラエル建国史上最大の葬儀で混乱状態だが、こんな時にテロが起きないか、心配している。
お願いだから、死者に鞭打つような企ては、止めて欲しい。超正統派ユダヤ教徒は、所謂、ユダヤ原理主義者で、イスラム原理主義者と同じ。このタイミングでのテロなどは、本当に中東戦争に繋がりかねないと深く懸念する。

過去ブログ「旧約の民の食事規定 ~カシュルート~

米シンクタンクによる国防予算削減案

2013年10月07日 | 雑感

10月以降、米連邦政府の機能停止が深刻化しているが、それは国防総省も一緒。
日本で誕生日(10月4日)を迎えたヘーゲル国防長官は、オバマ大統領が、「Pay Our Military Act」に署名したのを受けて Acting General Counselに、一時帰休になっているペンタゴンを中心とする文官職員の内、どの程度復帰させられるかを速やかに確定するよう指示を出している。その指示に対する回答は、速やかに国防長官に伝えられ、一時帰休になっている国防総省の文官35万の内、90%を10月7日から復帰させる事が可能との事で、速やかなる職場復帰が下命された。

今回の政府機能停止はともかくも、国防予算の強制削減の総計は10年間で約50兆円。毎年5兆円づつ削減するには何処をどれだけ削減するかが頭の痛い問題。しかし、これについては、今年5月29日に米4大シンクタンクが 「Strategic Choices and Management Review(SCRM)」を実施している。

SCRMを実施したシンクタンクは以下の通り。
(1)The American Enterprise Institute(AEI)
(2)The Center for a New American Security(CNAS)
(3)Center for Strategic and Budgetary Assessments(CSBA)
(4)Center for Strategic and International Studies(CSIS)

各シンクタンクは、国防費削減環境下にある国防戦略を立案し、国防総省のポートフォリオをリバランスする提案をCSBAのリバランスツールと方法論を使用して説明を実施。分析カテゴリーは、①UAV、②戦闘員/戦術航空機、③爆撃機、④海軍能力、⑤水上艦艇、⑥陸軍部隊、⑦陸軍戦闘兵器、⑧陸軍予備戦力、⑨宇宙とサイバー戦、⑩戦略兵器とミサイル防衛、⑪特殊作戦、⑫事前備蓄、⑬人件費(文官)、⑭研究開発の14分野。

個人的に一番良いと感じたのは、CSBAの案で、彼らは今後10年間の予算削減の目標について2つのシナリオ設定して分析。
A案は、52兆円の削減と、B案の24兆円削減で、A案では10年間均等削減、B案は前半は緩やかな削減過程を経て、後半に削減規模を大きくするシナリオ。またCSBAは、リバランスツール(Rebalancing Tool)を用意しており、650個の削減オプションを準備していた。

これに続くように、9月には、STIMSONセンターが、国防予算の予算削減案に関する報告書『STRATEGIC AGILITY:Strong National Defense for Today's Global and Fiscal Realities』を発表している。

以下をご覧頂ければ、一目瞭然、サイバー戦分野や先端技術への投資は削減せず、継続する事の重要性が示されており、納得感はある。
STIMSONセンターの報告書によれば、3つのカテゴリーで、年間5兆円の削減を行う算段だ。

(1)$22.4 billion in management reforms, achieveとして、
・文民職員の削減、司令部要員の削減、本土防衛機関の削減
・退役者補助や医療補助制度の改革
・不要な基地内スーパー等の廃止

(2)$21.4 billion in changes to force structureとして、
・長期戦争を想定した戦力の削減
・ICBM部隊の削減
・海空部隊、特殊部隊は維持
・サイバー戦分野については、投資拡大
・州軍や予備役による人的戦力の確保
・戦闘機部隊の一部を州軍や予備役へ移管

(3)$5.7 billion in reduced modernization costsとして、
・CONUS(Continental United States)つまり米本土のミサイル防衛部隊配備と新陸上車両を凍結
・F-35と戦略原潜の調達ペースをダウンさせること
・次期長距離爆撃機計画、イージス艦への投資は維持しつつ、先端技術への投資を重視

Summary of Recommendations Savings in FY15 (in billions)
(1)Management Reforms
1.Reduce Headquarters $4.5
2.Reduce Defense Agencies $1.0
3.Streamline Central Training $2.0
4.Extricate Uniformed Personnel from Non-Military Tasks $2.7
5.Reduce Civilian Employees $4.7
6.Reduce Contractors n/a
7.Reform Military Retirement $1.5
8.Reform Health Benefits $4.7
9.Stop Funding Commissaries and Post Exchanges $1.2
10.Reduce Infrastructure n/a
Subtotal, Management Reforms $22.4

(2)Force Structure
11.Reduce Army Force Structure $11.9
12.Reduce Marine Corps End-Strength $2.0
13.Shift Lower-End Air Force Fighters to Reserve Component $5.4
14.Do Not Retire Navy Cruisers -$0.1
15.Maintain Current Number of Aircraft Carriers $2.3
16.Increase Resources for Cyberwarfare -$1.2
17.Maintain Ready Special Operations Forces $0.0
18.Maintain Strategic Depth the Guard and Reserve Provide $0.7
19.Reduce Existing Nuclear Forces $0.4
Subtotal, Force Structure $21.4

(3)Modernization
20.Cancel GCV and JLTV $1.2
21.Slow F-35 Purchases $4.0
22.Continue the Long-Range Strike Bomber $0.0
23.Delay and Reduce Purchases of SSBN-X $1.2
24.Freeze GMD; Reprogram for Further Technology Development $0.0
25.Buy an Additional AEGIS Destroyer a Year -$1.6
26.Shift Resources from Post-Prototype to Earlier Research $0.0
27.Cut Minor Procurement  $0.9
Subtotal, Modernization $5.7

Total Savings $49.5
Savings needed in FY15 to Meet Sequester $47.7
Additional Savings Identified $1.8

報告書本体は37ページで概要記述の域を出ないが、そもそも無駄の多い国防予算のスリム化は、避けて通れない道で、今しっかりと無駄を削減する事が重要だろう。
しかし「Strategic Agility」は、米国の財政状況の厳しさを物語っている。もう長期戦は無理と言うか、やらないと言う事だ。

イスラエルの排他的経済水域防衛力の強化に見る、日本海の海底資源開発における長期的取り組み

2013年10月03日 | 雑感
イスラエル国防省は、地中海に広がる排他的経済水域(EEZ : Economical Exclusive Zone)における防衛力を強化する為、Israel Aircraft Industries Ltd.の Ramta Divisionに対し、Super Dvora Mk.3 哨戒艇×3隻を、9月に正式発注した。
Super Dvora Mk.3 哨戒艇の発注は、2004年に6隻、2006年に4隻に続く3回目で、今回の発注分が完納されると、合計は13隻体制となる。
これとは別に Shaldag Mk.III 哨戒艇×5隻を Israel Shipyards Ltd.に発注している。

イスラエル国防省は、テロ対策・密輸対策の強化だと言っているが、それはごく一部で、これら哨戒艇の主たる任務は、イスラエル=レバノン沖の天然ガス田プラットフォームとパイプラインの監視・防衛だ。勿論、イスラエルだから積極防衛する。即ち「怪しい奴は撃つ!」だ。
イスラエル=レバノン沖に広がる天然ガス資源については、過去ブログをご参照。
イスラエル=レバノン沖の天然ガス資源

イスラエルの例を見ても海底資源開発は、日本の場合、太平洋にあるのではなく日本海である事は理解できると思う。日本海の大和堆や武蔵堆などには石油・ガス資源が存在するし、日本近海にはメタンハイドレートの巨大資源が存在する。つい最近も米国の深海掘削船 JOIDES Resolution (ジョイデス・リ・ソリューション)号が、8月20日~9月28日まで、日本海を掘削している。今回のプロジェクトでも、大和堆 YR-1A と武蔵堆 YA-3B を実際に掘削している。韓国が竹島に現在強烈にこだわっているのは、日本海に存在する海底資源にこそある。韓国のナショナリズム云々では決してない。
※参照URL→http://j-desc.org/modules/tinyd2/rewrite/expeditions/asian_monsoon.html
日本の地球深部探査船「ちきゅう」も、今年春に、経済産業省資源エネルギー庁の国内石油天然ガス基礎調査事業として、JX日鉱日石開発株式会社が実施する新潟県佐渡南西沖30kmの「上越海丘」を試掘調査している。

これら深海掘削船が現れると「地震」が起きるなど、ヨロシクナイ現象が起こると勘ぐる向きもあり、あながち否定出来ないから困るが、今回の航海は、日米が2003年(平成15年)10月から開始した多国間国際協力プロジェクト『統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)』の一貫。このプログラムで運航に供されるのが、噂の地球深部探査船「ちきゅう」と、米国の掘削船ジョイデス・リ・ソリューション号の2隻。

イスラエル同様に、日本も日本海で資源開発に着手したいが米国が黙っていない。ここはジックリと米国の長期的退潮とオフショア・バランス戦略の進捗をみはからいつつ、ロシア、北朝鮮との国交正常化、そして平和条約を締結し、環日本海経済圏の構想実現に向けた内外環境の整備・整頓を行う事が必要。
北朝鮮の興津港の租借を中国が行い日本海域への影響力行使を画策しているが、戦略実現に向けては中国を無視しないことが重要。長期戦略100年の計を中国に話せば彼らも理解する。

しかし、日本は本当に資源・エネルギー大国“ジパング”です。日本海にしても太平洋にしても、今、軽々に開発せず後世に引き継ぐのが我々の仕事。人口統計を見れば、将来の日本の姿は猿でも判る。

日米安全保障協議委員会(2+2)~17年振りに10月3日、日本で開催~

2013年10月01日 | 雑感
米ヘーゲル国防長官は、9月27日、国防総省内、長官室付属会議室にて日韓訪問レクチャーがあり。実に17年振りに日本で開催される「日米2+2」についてかなり詳細な説明を受けている。同長官は、9月29日韓国入りし、翌30日に米韓同盟60周年の演説を行い、朴槿恵大統領と会談している。

米韓同盟60周年を祝うヘーゲル国防長官の演説(ROK-US Alliance 60th Anniversary Dinner)U.S. Department of Defense, September 30, 2013

朴槿恵(パク・クネ)大統領との会談概要(Readout of Secretary Hagel's Meeting with the President of the Republic of Korea)U.S. Department of Defense, September 30, 2013

今日10月2日、ヘーゲル長官は、ケリー国務長官と共に韓国から日本に移動し、翌3日の日米安全保障協議委員会(2+2)に臨む。2+2は、日米両国の外務と国防各大臣/長官4人で協議する。
【日本側】小野寺防衛大臣
      岸田外務大臣
【米国側】The Honorable Chuck Hagel, Secretary of Defense
     The Honorable John F. Kerry, Secretary of State

■韓国・日本訪問に関する国防総省のブリーフィング
Department of Defense Background Briefing on Secretary Hagel's Upcoming Trip to the Republic of Korea and Japan in the Pentagon Briefing RoomU.S. Department of Defense, September 27, 2013

今回の2+2では、以下の内容で討議を行う。

(1)1997年改定の日米防衛協力のための指針:ガイドライン再改定に関して、2+2隷下の「防衛協力小委員会」に「変更を指示する」と明記する。但し、再改定の終了目標期限は示さない。

(2)共同発表については、日米2国間の防衛協力、地域への関与、米軍再編などの項目で構成し、日米当局間で概ね合意に達している項目/細目を示し、今後の方向性も表明する方向で調整する。内容的には、ミサイル防衛やサイバー安全保障問題での協力強化、宇宙ごみ監視での情報共有、ISR活動での連携などの新機軸を打ち出す。(→宇宙監視では、自衛隊のレーダーの利用を想定については、当局間で調整対処)

(3)在沖縄米海兵隊9000人のグアム移転については、現行計画では、2020年代前半に開始することになっている、と記載で調整。

(4)米軍トランスフォーメーションについては、2013年12月までに、P8対潜哨戒機と、2014年春にグローバルホークの日本配備に関する方針を明確に記載する事で調整。

(5)南西諸島にある日米両国の施設の共同使用推進などで合意に達する。但し、日本国内の状況を勘案して今の時点での地名は挙げない方向で調整。また共同使用は沖縄を念頭に置くものの、那覇自衛隊基地に所在する自衛隊の部隊を、米軍嘉手納基地に移転する案、及び米軍による下地島の滑走路利用などの構想について討議を行う。2+2後は日米当局間で具体策を策定する予定、として概ねの合意に達する。

■国防総省の特設サイト
Travels with Chuck Hagel U.S. Department of Defense

東京電力・福島第一原発の吉田所長を偲ぶ ~東京都市大学・高木直行教授を訪問して~

2013年10月01日 | 雑感
今年7月9日、東京電力・福島第一原子力発電所・所長として事故収束にあたった吉田昌郎さんが58歳で逝去された事は記憶に新しい。
その吉田さんの元部下に会うとは思いもせず、はじめて東京都市大学の世田谷キャンパスを訪れた。
訪問したのは、東京電力で原子炉の炉心設計をされていた高木直行教授。訪問目的は、トリウム原子力に関し様々ご教示頂くため。高木教授には、久し振りのアクセスにも係わらず、即スケジュール調整をして頂き、今回の訪問と相成った。
さて、世田谷キャンパスにある原子力安全工学科に行くには、東急大井町線に乗り、自由が丘の隣の隣の「尾山台駅」で下車する。改札を出てすぐ左に曲がると、ハッピーロード尾山台という商店街が。
              
今時ハッピーロードもないだろうと思いつつ、また東京都市大学なんて聞いたことないな~と思いつつひたすら歩いて行く。商店街を抜けてもひたすら多摩川に向けて住宅街を歩いていくと、やがて左手に目指す東京都市大学の世田谷キャンパスが姿を現す。
            
あっ、しまった!場所は世田谷キャンパスと言う事で地図も送って頂いたが、研究室の場所を聞いていない。どこの建物だろう?
丁度良い事に、大学での説明会出席者用かわからないが、大型バスが停まっており、誘導の為に守衛さんらしき、大柄の男性が立っている。
男性に近づいていくと、これは本気でデカイわ。何食ったら、こんなに大きくなれるの? 
見上げなら質問する「お尋ねしたいのですが・・・原子力安全工学科は何処ですか?」
「んー、工学部だね。それは通りの向こう。原子力は10号館だね。」
何も見ずに言えるんだから立派。体はデカイが気は優しいタイプのよう。では、ついでに質問を。「東京都市大学って昔からありました?」
「いや、以前は武蔵工業大学といっていたよ。」

なるなる。これで理解。
武蔵工業大学は、研究用原子炉を虹ヶ丘の団地の隣に持っていた。実は以前原発の敷地に入った事があり原子炉建屋を見たことがある。随分前の事で廃炉になったかな? その後の詳細は知らないが、原子炉のある場所の周囲には、立派な住宅が並んでいる。そりゃそうだ。川崎・王禅寺のど真ん中にあるんだもん。親会社の社長宅も王禅寺だから、何かあると安穏とはしてられないかも。しかしこんな所によくもまあ建設したもんだ。守衛さんに原子炉の事を聞くと。
「原子炉は廃炉。燃料はアメリカに返還した。でもキャンパス自体はあるね。それに昔は周りに何もなかったんだよ。」と。
「そうですか。じゃあ東海村と一緒ですね。建設当初は、周り松林でしたけど、今じゃ直ぐそこまで住宅が建ち並んでいますからね。あんな所に家をかうのだから、原子力関係者か、よっぽど安全意識が低いかのいずれかですね。」
四方山話はここまでで、時間がないので、走って通り向こうの10号館へ。

しかし走る必要も無いほど10号館は近かった。でも周りの建物は、いやに新しく立派なのに10号館だけは如何にも古めかしい建物で、次大地震が来たら、これは確実に崩壊するだろう脆弱さを醸し出す風情の5階建て。勿論、エレベータなどなく階段でテクテク歩いて研究室まで行く。
ハンカチで汗ふき拭き「先生、コンニチは。お久しぶり・・・」とか言いながら研究室に入っていくと、高木先生は、即座に自分の足下を見て「ダメ!駄目!ココは土足厳禁!!」
「ありゃまー、いやー、ご免なさい。知らぬこととは言え、土足で侵入しちゃいましたね。」(道理で床がフカフカなわけだ。)
と、学生さんが、慣れたものでサッとスリッパを差し出す。いい動き。切れがいいね。勿論、若いね。

「外界とはそれなりに遮断しなくちゃいけなくてね。土足厳禁なんだ。」
「ほー、それは大変。そう言えば原子力関係のこのエリアは区画を閉鎖してますもんね~」
「そうなの。さて、こっちで話をしますかね。」とデスクのある区画に誘導され、先生は、やおら大きな紙の山を2つ程移動させスペースを確保。
「お気遣いなく」とか言いながら、ちゃっかり座りやすそうな椅子を、自分の方に寄せて、こちらもセッティング完了。
さて、トリウム、トリウムと思いつつ、椅子に座り先生との距離も近くなり、視界が広がりキョロキョロ周りを確認すると、ふと紙の山の陰にある2冊の本が目に入った。船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』だ。ちゃんと上下巻ある。

「先生、その本、読まれました?」
「ああ、これねーーーーっ。いけてないんだよね~この本。」
「いや、分かりますよ。船橋洋一ですからね。前著の『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン 朝鮮半島第二次核危機』を読みましたが、厚いだけの本で時間の無駄でしたね。尤もブックオフで105円だったから買っただけで、どうでもいいですけど。」
「やっぱり。アメリカ政府や大使館、軍に関する部分はともかく、1F(福島第一原発の事)に関する部分は読むに耐えない。」
「専門家が読んで、そうですか。まあこの手の米国留学組は、ジャパンハンドラーから情報貰って書いていますからね。読み手は馬鹿じゃないから、分かりますよね。経歴じゃだまされないですよ、最近は」
    
要するに『カウントダウン・メルトダウン』は、原子力の専門家としての視点から、そして元同僚などから聞く当時の状況と推移を聞いているので読んでいて、いくら何でもこれは変でしょ?と言う部分が多々ある。『カウントダウン・メルトダウン』を読めばわかるが『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』と同じで、行間が無く無味乾燥の文字列が連なるだけ。これだから『カウントダウン・メルトダウン』の上巻は売れているが、下巻が売れないのだ。処女作の『内部~ある中国報告』は良かったんだけどなー。
 
「読むなら、この本がお奨めだよ。門田将隆の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』。
  
この本はきちんと取材して書いているし、この本は、東京電力でも社員に是非とも読むようにと推奨しているんだ。」
「へぇーっ。東電推奨で、専門家が読んでも良く書けているいると言うのだから、これは買って読まねばなりませんね。」
「そうだ。この本、買うんだったら是非、紀伊國屋書店で買ってね。カウント上がるから。」
「はい、合点承知です。いつもは日本橋の丸善で買うんですが、大手町ビルヂングの紀伊國屋で買います。」

門田将隆氏の『死の淵を見た男』は、現場や関係者を長時間、緻密に取材した事がありありと窺える良書。
福島第一原子力発電所(フクイチ)があった場所は、陸軍磐城飛行場。戦局が怪しくなってくると特攻隊の飛行訓練が行われた場所で、門田氏は、『太平洋戦争 最後の証言~零戦・特攻編』の取材で訪れている場所だ。
彼は、フクイチの中央制御室で実際に事故対応にあたった当直長らに直接取材をしている。言葉も彼らの現場の言葉をそのまま使う。即ち中央制御室は「中操」だ。その中操に詰めているフクイチの現場は、吉田所長から指示される前に前に実質的なベントにむけた作業を行っていた。これは物凄く重要な点だ。もし彼らがこの作業を指示を受けてからやったのでは、遅きに逸したし、放射性レベルが許容量を超え作業そのものが不可能だっただろう。
しかしフクイチの現場は、粛々と、黙々と必要と想われる全ての対処作業を実施したのだ。不眠不休で。彼らの自主的なベント前作業が無ければ、圧力容器から核燃料が爆発的に噴出し、東北、甲信越、関東全域は放射能で壊滅的打撃を受け、日本の半分は機能を停止する所だった。東京の機能停止は、実質的に国家としての終わりを意味する。
フクイチの現場での英雄的行為については、もっと喧伝されてしかるべきであり、将にフクイチの現場は国家的英雄だ。日本の危機を救ったのは東電の現場!

『死の淵を見た男』を読んだあと直ぐに、前述の門田氏のシリーズ本『太平洋戦争 最後の証言~陸軍玉砕編』も読んだが、日本は第一線の現場(兵士)が、むちゃくちゃに強い、最後まで戦い続ける。
  
東部ニューギニア戦のポートモレスビー攻略でも、オーストラリア軍&米軍の連合軍と戦闘ではなく、死闘を繰り広げる。オーストラリア軍は日本兵の捕虜を取らない。全て殺す。ジャングルの戦場にジュネーブ条約など存在しなく、とにかく殺しまくる。戦闘不能の兵士も殺す。しかしこれは日本軍も一緒。オーストラリア兵を捕虜にしても食わせるメシがない。だから殺す。後に米軍の公刊戦史には「世界最強の抵抗」と記載される稀有な戦いとなった。
このポートモレスビーの戦いでも強かったのは第一線の兵士だった。欧米では、指揮官がリーダーシップを発揮するのだが、日本ではちょいと違う。よく地位が高くなればなるほど無能になると揶揄される日本。しかし、現場(兵士)の頑張り・踏ん張りが、今も昔も、この国を支えているのですね。
さて、『死の淵を見た男』は是非ともご一読頂きたい。吉田所長が、フクイチに赴任する時、道元の「正法眼蔵」を持っていったエピソードや、一時帰宅した際のご家族とのお話は読んでいて、ホント泣けました…・・・(最近涙もろい)。
それと買うときには、紀伊国屋書店でお願い出来れば幸いです。

高木教授と『死の淵を見た男』を買って読みますよと約束して、さて帰ろうかと言う頃合で、「実は、吉田さんは僕の上司だったんだ。」
「えっ、ホントですか。はじめて聞きました。柏崎でご一緒だったとか・・・」
「いや、2007年4月に新しく東電本店に出来た「原子力設備管理部」に異動したんだが、その初代部長が吉田さん。」

吉田さんや高木さんが、異動して間もない7月16日には、例の中越沖地震が起きる。柏崎刈羽原発も震度6.5に見舞われ、部員全員がこの対応に追われる。それとは並行して部長としての吉田さんは、公益社団法人土木学会の津波評価部会から出された津波想定評価の対応に追われてもいた。
この時の津波評価部会の福島第一原発への津波想定は「6メートル」。ただし、福島沖に「波源(地震源)」はないとの条件。この条件は、2006年1月25日に中央防災会議(本部長:内閣総理大臣)の専門委員会が、福島沖と茨城沖を「防災対策の検討対象から除外する」という報告を出していることが背景にある。
しかし、吉田さんは、土木学会の津波評価部会に対して「波源」の策定について意義を唱える形で、審議を正式に依頼している。また部下に命じて、2009年から2010年3月にかけて、1200年前の貞観地震時の津波を推定するため、農閑期を利用して堆積物調査を実施している。つまり福島沖にも「波源」がほぼ確実にあるだろうとの想定で対処していたのだ。

そして運命の福島第一原子力発電所の所長に吉田さんが就任するのは、2010年年6月。勿論、福島沖の「波源」問題も、津波想定問題も未解決、未対応のまま、2011年3月11日を迎えること事になった。なんの因果か、巡り合わせか・・・・・・

「そう。最近吉田さんの追悼記事を書いたんだ。んーと、これ。「エネルギー・レビュー」の9月号。コピーしてあげるから、帰りの電車で読んでみて。」
「おお、有難う御座います。ジックリ読ませて頂きます!」
「吉田さんじゃなければ、福島の事故はもっと酷いことになっていたと、つくづく想う。ベントを実施せよとか東京から言うのは簡単だが、所長としては部下に命じるとき、それは「死んでくれ」と言っているようなものだからね。この人が言うんだったら、俺ら行こうぜ!となるのが、吉田さんの吉田さんたる所以。人格人望のなせる技だよ・・・」

吉田さんをはじめ、フクイチの現場の皆さんが、自己の死を覚悟・諦観しての奮闘が、最悪の事態を回避させました。将に体を張って日本を救い、逝ってしまった吉田昌郎氏に心からご冥福をお祈り致します。

■高木先生の経歴はコチラ↓
1992年 4月 東京電力入社
      柏崎刈羽原子力発電所 発電課
      原子力研究所 新型炉研究室 リサイクルGr
1999年 2月 日本原子力発電 高速炉開発部 安全・炉心Gr(出向)
1999年 7月 核燃料サイクル開発機構(大洗)炉心燃料Gr(出向)
2004年 4月 東京工業大学 原子炉工学研究所 特任准教授(兼務)
2004年 7月 核物質管理センター 開発部(出向)
2006年 7月 東京電力 本店 原子力技術品質安全部 将来構想Gr
2007年 4月 原子力設備管理部 原子炉安全技術Gr
2008年 3月 東京電力退職
2008年 4月 東海大学 工学部 エネルギー工学科 准教授
2010年 4月     工学部 原子力工学科 教授
2012年 4月 東京都市大学 工学部 原子力安全工学科 教授