バルト三国への軍事支援が強化されている。これは即ち西部ロシアをターゲットにしている。実にきな臭い。
NATOとは、別にチェコ、スロバキア、ハンガリー、ポーランド 4 ヶ国が、来年2017 年からバルト三国に対し大隊規模600名程度の部隊をローテーション派遣を開始すると発表。そんな中、米第 2 騎兵聯隊とドイツ第 12 機甲旅団の連合部隊がドイツ領内からエストニアのタパまで機動訓練を実施中だ。部隊規模は、兵員 1,000名、 400両。この機動訓練は "Dragoon Ride II"と呼ばれいている。この訓練は勿論ロシア軍の脅威に対処するためで、陸上部隊のバルト三国に対する緊急展開支援。
リトアニアもロシア空軍に対する脅威に対応する為、ノルウェーから中射程の防空システムを調達することになった。これは、NASAMS (National Advanced Surface-to-Air Missile System) を前提とするもの。リトアニア軍には短射程の防空システムしかないが、これでNATO派遣部隊も適切に防護される。
またバルト三国の特殊作戦部隊作戦指揮官が集まり、協同での作戦協力に合意している。今度は、特殊部隊の合同演習や相互の部隊員の派遣やノウハウの共有などが行われる。
ポーランド国防大臣は、NATO派遣の 増強1 個大隊規模の部隊が国内に常時配置されていれば、ロシア軍に対する抑止となるとの見解を述べている。そのポーランドは軍の装備近代化に余念がないが、ロシアの諜報作戦も進行中で、ポーランド軍の中佐Zbigniewは、ロシアに軍事機密を漏洩したとのことで15年の懲役刑を求刑を受けている。
そのポーランドでNATO軍の大規模演習Anakonda-16が展開されている。兵員31,000名、車両3,000両、航空機105機が参加するもの。また、バルト海では、21の艦艇が参加する演習名BALTOPS 2016も行われている。NATO軍に加え、この度はフィンランド海軍艦艇と海軍歩兵部隊Uusimaa旅団(140名)とスウェーデン海軍も参加しており、総参加兵力は4,500名。ここにきてNATO加盟国ではないスウェーデンは、米軍との軍事関係強化に専心している。特に両軍の情報共有、航空戦・対潜/水中戦・センサー分野の装備、そして多国籍作戦における協力の深化が掲げられている。
ロシアも手をこまねいている訳ではない、第28自動車化狙撃旅団をKlintsyに移駐させ、第23自動車化狙撃旅団をロシア南部からValuykiさせている。
株式市場が暴落し、世界経済が深刻な影響を受け低迷すると、いよいよ戦争だ。繰り返しになるが、きな臭いのは当たり前か~