2014年11月17日、今上天皇陛下は、皇后を伴って大神神社を参拝。既に10月5日に高円宮典子と千家国麿と婚儀の儀式後だった。本当は、出雲大社と伊勢神宮の式年遷宮後に参拝すべきところ。
何故、今上天皇が大神神社を参拝するのか? それは伊勢神宮の主宰神は、元々蛇体の神様で、天皇家の祖先である天照は、その蛇体の神様の巫女であり妻。これは吉野裕子氏の『大嘗祭』のなかで語られていることでもある。この蛇体の神様は、三輪山に鎮まります大物主神で、日本書紀の雄略天皇記にも三輪山の神様は蛇体であることが記されている。雄略天皇は、三輪の神の姿を見たいと願い、三輪で「蛇」が捕らえられたという説話が伝えられている。大神神社では、今でも蛇の好物の卵が供えられている。因みに生卵を食べるのは、日本人と蛇だけと世界では言われている。あつあつのご飯に生卵に醤油をたらして食べるのは至高の味だと思うが如何であろう。
天皇家の祭祀は、大物主神を祭る物部氏のそれを踏襲しており大嘗祭は、元来、物部氏の祖ニギハヤヒ、つまり大物主神に祈りを捧げるお祭りである。大嘗祭の際、今上天皇が大神に食事を捧げ、自らも食す行為は、伊勢神宮の心の御柱祭祀と同じであり、大神とは大物主神である。つまり国譲りの出雲の神、そして神武天皇の武威に圧倒され禅譲した物部氏の祭神を、自らの主宰神としたのが天皇家である。これは、大和朝廷の成立は、一般に流布されている天皇一族の軍事侵略による一方的な国内統一ではなく、様々な勢力との妥協と同盟による体制であったことが覗える。事実、天皇家は、出雲神=大物主神を畏れ、恐れていたことが知られており、特別の地位を与えている。出雲大社のご神座は創建当初40mを越える高みにあった。
2013年、出雲大社と伊勢神宮の式年遷宮が行われ、高円宮家典子と出雲大社禰宜の千家国麿が2014年10月に結婚。翌月には、今上天皇陛下が大神神社を参拝し締めとなしている。