イランがCIAの最新鋭のステルス無人偵察機RQ-170を無傷で捕獲しており、ステルス技術や諜報観測技術の流出が懸念されている。
RQ-170は、衛星との通信リンクが途絶えた場合には、RTBと言う基地帰還機能があるため、機体は自動で出撃した基地に戻るのだが、イランは妨害電波で、RQ-170と衛星との遠隔操縦システムとの通信リンクを切断、前述のRTBで自動操縦モードに移行したRQ-170に偽りのGPS信号を送り、イラン国内に誘導し着陸させた。
このような敵機を誤誘導する事は、バトル・オブ・ブリテン当時から行われていた。
ドイツ軍は、自軍の爆撃機をフランス国内にある複数の誘導電波施設からイギリス空爆作戦用の誘導波を送信し、2本の誘導用電波が交差したポイントに誘導し爆撃していた。
これを逆手に取った対抗策を考え実行したのは、アバディーン大学物理学教授のレジナルド・ジョーンズ博士。
ジョーンズ博士は、イギリス軍情報部勤務の時、ドイツ軍が爆撃機を方向指示電波で誘導している事を発見し、敵の電波信号をコピーしてロンドンから偽りの誘導波を発信し、ドイツ爆撃機を誤誘導し、無人の荒野に爆弾を投下させた。
イランもイギリスの故事にならい、最新鋭のステルス偵察機を誤誘導して捕獲した。
さて、一番の脅威は実はGPSにある。
GPSは、GPSジャマーで妨害する事が可能だ。楽天市場でも1万8800円で売っている。
GPSジャマーを使った実験が、実際に2010年に北海の海上で行われている。
「THV Galatea」という大型船舶のGPSをジャマーで妨害した結果、GPS装置には誤った位置情報が表示され、更には航海支援システムやレーダー、衛星通信システムが利用できなくなっている。
このGPSジャマーは、北朝鮮が多用している。それは韓国軍が装備の大部分に商用GPS装置が使われており、容易に妨害する事ができるから~勿論、米軍も軍用GPSを多用しているが影響は受けている。
実際に北朝鮮は、国境付近を飛行している米軍のRC-7B偵察機に対して使用しており、これにより同機のGPSに障害が発生し、緊急着陸している。
このGPSジャマーによる妨害電波は、5分間隔で送信されるが、この影響は北海での実験でも明らかなように様々な方面に悪影響を与える。特に韓国首都ソウルは38度線に近接しているため、民間航空機や金浦近海を航行する艦船、そしてソウル市内でも携帯電話の通信状況に影響があった。
2010年8月23~25日には、韓国全土のGPS受信及び監視局29カ所のうち、全羅南道紅島から忠清南道安興に至る西海岸の一部地域で数時間、GPS電波受信障害が断続的に発生している。
韓国軍によれば、ロシア製のGPS妨害装置一式を購入し、50~100kmの範囲内でGPSを妨害する能力があると判断しているようだ。
イランは同様にロシアから電子戦装置「1L222」を購入してRQ-170捕獲作戦に使用したとされる。この分野でのロシアの能力の高さには定評がある。
日本においてもGPSは生活に欠かせないが、GPS信号のL1、L2は周波数の帯域が狭いため脆弱で、容易にジャミングされる。軍用GPSや次世代GPSが使うL5は周波数幅が広く、電波出力も高いため、ジャミングへの耐性も高いだろうが、前述のRC-7B偵察機の例もあるとおり万全とは言えない。
最大の問題は、GPSに対するスプーフィング。
スプーフィングとはGPSの信号を解読し、その信号に偽情報を組み込んで受信者側に誤った情報を送る事で、正確な位置情報の測位を妨害する事。
困ったことに商用のGPSコードは公開されている事から、スプーフィングに対する厳重な対策が欠かせない。また、軍用コードについても、軍用GPSに関する技術情報が流出している可能性があるのだ、これまた安心出来ない。
GPSは重要な社会インフラとなっているため、潜在する驚異にはリスクがあることを正しく認識し、適切に対処する事が必要。
RQ-170は、衛星との通信リンクが途絶えた場合には、RTBと言う基地帰還機能があるため、機体は自動で出撃した基地に戻るのだが、イランは妨害電波で、RQ-170と衛星との遠隔操縦システムとの通信リンクを切断、前述のRTBで自動操縦モードに移行したRQ-170に偽りのGPS信号を送り、イラン国内に誘導し着陸させた。
このような敵機を誤誘導する事は、バトル・オブ・ブリテン当時から行われていた。
ドイツ軍は、自軍の爆撃機をフランス国内にある複数の誘導電波施設からイギリス空爆作戦用の誘導波を送信し、2本の誘導用電波が交差したポイントに誘導し爆撃していた。
これを逆手に取った対抗策を考え実行したのは、アバディーン大学物理学教授のレジナルド・ジョーンズ博士。
ジョーンズ博士は、イギリス軍情報部勤務の時、ドイツ軍が爆撃機を方向指示電波で誘導している事を発見し、敵の電波信号をコピーしてロンドンから偽りの誘導波を発信し、ドイツ爆撃機を誤誘導し、無人の荒野に爆弾を投下させた。
イランもイギリスの故事にならい、最新鋭のステルス偵察機を誤誘導して捕獲した。
さて、一番の脅威は実はGPSにある。
GPSは、GPSジャマーで妨害する事が可能だ。楽天市場でも1万8800円で売っている。
GPSジャマーを使った実験が、実際に2010年に北海の海上で行われている。
「THV Galatea」という大型船舶のGPSをジャマーで妨害した結果、GPS装置には誤った位置情報が表示され、更には航海支援システムやレーダー、衛星通信システムが利用できなくなっている。
このGPSジャマーは、北朝鮮が多用している。それは韓国軍が装備の大部分に商用GPS装置が使われており、容易に妨害する事ができるから~勿論、米軍も軍用GPSを多用しているが影響は受けている。
実際に北朝鮮は、国境付近を飛行している米軍のRC-7B偵察機に対して使用しており、これにより同機のGPSに障害が発生し、緊急着陸している。
このGPSジャマーによる妨害電波は、5分間隔で送信されるが、この影響は北海での実験でも明らかなように様々な方面に悪影響を与える。特に韓国首都ソウルは38度線に近接しているため、民間航空機や金浦近海を航行する艦船、そしてソウル市内でも携帯電話の通信状況に影響があった。
2010年8月23~25日には、韓国全土のGPS受信及び監視局29カ所のうち、全羅南道紅島から忠清南道安興に至る西海岸の一部地域で数時間、GPS電波受信障害が断続的に発生している。
韓国軍によれば、ロシア製のGPS妨害装置一式を購入し、50~100kmの範囲内でGPSを妨害する能力があると判断しているようだ。
イランは同様にロシアから電子戦装置「1L222」を購入してRQ-170捕獲作戦に使用したとされる。この分野でのロシアの能力の高さには定評がある。
日本においてもGPSは生活に欠かせないが、GPS信号のL1、L2は周波数の帯域が狭いため脆弱で、容易にジャミングされる。軍用GPSや次世代GPSが使うL5は周波数幅が広く、電波出力も高いため、ジャミングへの耐性も高いだろうが、前述のRC-7B偵察機の例もあるとおり万全とは言えない。
最大の問題は、GPSに対するスプーフィング。
スプーフィングとはGPSの信号を解読し、その信号に偽情報を組み込んで受信者側に誤った情報を送る事で、正確な位置情報の測位を妨害する事。
困ったことに商用のGPSコードは公開されている事から、スプーフィングに対する厳重な対策が欠かせない。また、軍用コードについても、軍用GPSに関する技術情報が流出している可能性があるのだ、これまた安心出来ない。
GPSは重要な社会インフラとなっているため、潜在する驚異にはリスクがあることを正しく認識し、適切に対処する事が必要。