阿部ブログ

日々思うこと

シリア化学兵器使用問題と米露イスラエルの動き

2013年08月27日 | 雑感
シリアでの化学兵器使用問題で揺れる中東地域を、マーティン・デンプシー米国統合参謀本部議長が中東歴訪中。しかしながら、この1週間の動きを受けて25日夜半、訪問中のヨルダン・アンマンで英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、サウジアラビア、トルコなど関係各国と合同会議を開催し、今後のシリア問題についての対応を検討している。この内容はイスラエルにも速やかに伝えられた。
イスラエルのモシェ・ヤーロン国防相は、アサド・シリア政権による化学兵器の使用は、今回が初めてのことではないと指摘しつつ、緊張するエジプト情勢やレバノンの状況を戦略的に観て対応する姿勢を感じさせる。またユバール・シュタイニッツ戦略・諜報担当相は、対外情報機関が入手した情報から判断して化学兵器の使用は確認されており、世界各国がシリアで続の虐殺に対し傍観していることを非難している。しかし化学兵器の使用はアサド政権だけでなく、反政府軍も使用している事には口をつぐんでいるのは、イスラエルの諜報担当としては当然か。
イスラエル同様、米情報機関も、今回のダマスカス郊外東部における化学兵器使用は、政府軍であるとしているが、ロシアの見解は逆だ。現在、化学兵器が使用された疑惑の地域に対して政府軍が空爆を含む砲爆撃を行っている。ロシアから見ると証拠隠滅とみられると助言しても聞く耳が無いと言うか、シリア側としては純粋に作戦の必要性からという軍事的理由が回答らしい。
まあ、政府軍は旗色は良くない。特に反政府軍が、昨日26日ハマーアレッポ街道を制圧し、政府軍をアレッポ一体に包囲し補給路を遮断した形になっており苦戦中だ。ホムス周辺でも戦闘が激化している。

欧米のメディアは、シリアへの軍事介入について報道合戦を展開しており、BBC国際版ラジオでも英キャメロン首相とオバマ大統領が、シリアへの介入を明確」したとしている。24日オバマ大統領は、国家安全保障チームを召集、シリア情勢について協議している。この後、米ヘーゲル国防長官は、シリア内戦に対処する軍事シナリオの実行準備について言及し、国防総省に対しシリア介入オプションなどの準備を命じている。これを受け、米海軍は、第六艦隊でシリア海域をパトロールしているバリー(DDG-52)、ブレバリー (DDG-107)に加え、マハン (DDG-72)とラメージ (DDG-61)を追加配置し、計4隻体制で同海域を遊弋待機させている。これら4隻は、それぞれ地上攻撃用巡航ミサイルと弾道ミサイル迎撃ミサイルを装備しているので、何時でも攻撃可能。
これに、英国海軍部隊も同海域で艦隊編成を完了している。旗艦は軽ヘリコプター空母HMSイラストリアス(R06)で、他に揚陸艦HMSブルワーク(L15)とフリゲート艦2隻。この艦隊には攻撃型原子力潜水艦が随伴している。

片やロシア海軍は、今年前半とは違って、今現在の所、地中海海域での艦隊活動はない。シリアのタルトゥースにあるロシア連邦海軍補給物資供給所には、偵察艦1隻と工作船1隻がいるだけで、米英と違って存在感は無い。これでは不味いと思ったのか、3月19日にウラジオストクを出港して、未だに黒海と地中海を往復しているロシア太平洋艦隊所属の揚陸艦アドミラル・ネヴェリスキーとペレスウェートの2隻が、黒海東岸のノヴォロシースク海軍基地を出港し、8月19日ボスポラス海峡を通過している。海軍歩兵部隊が乗船しているかについては情報無しだが、多分乗船しているだろうと推測する。ロシアとしては米英を中心としたシリア介入部隊との接触は避けるだろう。タルトゥースの補給基地周辺の防衛活動と自国民の保護が主任務と思う。

さて、米英がシリアへの軍事介入を開始するとアサド政権もその存立が危うくなる。そうなると出てくるのはイスラエル軍。既に計画済みである特殊部隊によるシリア国内18カ所の化学兵器保管基地を攻撃破壊し、間違ってもヒズボラに渡らないように措置する。またイスラエルはドサクサに紛れてシリア政府軍の軍事施設を攻撃する。大中小含めるとミサイル・ロケットは総数10万発を保有すると推測されているシリア軍の脅威を排除するには絶好の機会だ。そうイスラエルに国際法は関係ない。やれるときにやる。据え膳食わぬわ何とかだからね~

京都ニュートロニクス社に行く途中“島原”をかすめ通る

2013年08月26日 | 雑感
京都駅に着いて時間がないから直ちに「京都高度技術研究所」に向かう。最寄りの駅は山陰本線の丹波口。京都駅の隣駅だが、電車には乗らない。しかしながら時間がないからといってタクシーに乗るわけでもない。京都駅から歩いて行く。
何故か? それは研究所に行く途中に「島原」があるからだ。時間があれば嘗めるように見て廻りたいが今回は無理。しかしかすめ通る事ぐらいは出来るだろう、と言うことで蒸し暑い中七条通りをテクテク歩く~でも自転車に注意!
                            
西本願寺の脇を通り過ぎ、JRの高架下を右折して五条通りに向かう。因みにココを左折すると蒸気機関車館がある。ココにも行きたいのは山々だが、次回におあずけ。

京都の調査研究特殊機器開発会社『HOGA』も七条通りに面した七条壬生川東入ル北側。

さてJR山陰本線の高架下の通りは千本通りと言い、丁度左側には京都の中央卸市場が七条通りから五条通りまで延々と続く。この通りの右側を見ながら歩いて行くと途中に島原住吉神社が現れる。この場所は、島原西門のあった所で、島原伝統保存会の説明版がある。それと近くには島原の碑と住吉神社の碑などもあるので、これを速やかに激写する。しかし住吉神社にはお参りせず通り過ぎるが、社殿は撮影しない。畏れ多いからだ。
          
さあ、次来たときは必ず島原大門を激写するぞーっ。
ここで時計を確認するとやっぱり遅刻だ。しょうがないので五条通りに出るのを諦め、中央市場を横断して新千本通りに出て、研究所敷地に到着。脇から進入する形となったが約12分遅れでの到着となった。

この京都高度技術研究所は、元々関西ガスのガスタンクがあったとのこと。しかしズーッと過去に遡るとこの周辺は地名にもあるが、千本と言う言葉が使われている。研究所を出ると五条通りに出るが、これをJR丹波口駅までちょいと歩くと交差点がある、ここは五条千本。五条通りと先程通ってきた千本通りが交わるところなので何という事はないのだが、京都ニュートロニクスの亀井社長は語る。応仁の乱の時、このあたりには首千本が並んだのだ~。

島原の話に戻る。
京都には、昔、上七軒、祗園甲部、祗園東、先斗町、宮川町、それと島原の花街が存在し「六花街」と称されていた。「六花街」は京都の文化の一翼を担ってきた重要な場であったのだ。しかし今は島原が抜けて五花街となっている。しかし京の島原が一番有名だし、現在でも往時を偲ばせる雰囲気が感じられると言う。
島原伝統保存会の説明版にある通り島原は、足利義満の時代に起こり、豊臣秀吉が公認した日本で最初の「廓」と言われている。よく巷間で言われる日本三大遊郭の一つに挙げられる存在となった。京の島原、江戸の吉原、大阪の新町だ。江戸時代の戯れ言には「京島原の太夫に、江戸吉原の張り持たせ、長崎丸山の衣装着せ、大阪新町の揚屋にて遊びたし」と巷で言われていた。この島原は最初、万里小路二条あたりにあったようだが、京都御所に近いので六条三筋町に移り、その後、日本中が島原の乱でテンヤワンヤの混乱の時期(寛永14年(1637))に、今の朱雀野に移ったのだという。

有名な輪違屋さんもココ島原にある。伊藤博文の寵愛を受けた「維新の名花」桜木太夫は、輪違屋の所属。所属とは変だがいらっしゃった。彼女は、朝鮮のオズワルド・安重根にハルピンで狙撃され死亡すると出家して尼になったと言う。それと浅田次郎の『輪違屋糸里 上』の舞台となったのも題名の通り輪違屋。ベストセラーとなった『壬生義士伝 [DVD]』の続編で、女新撰組の物語と言う内容で、土方歳三に思いを寄せる芸妓・糸里を中心とした物語。
そう芸妓。糸里は芸妓なのだ。吉原では娼妓と言うが、これは己の体を売るのが商売。島原の芸妓は芸を売る。娼妓と芸妓では天と地も違う。吉原も島原も太夫と呼ばれる傾城の最高位があるが、島原の太夫は舞踏は勿論、茶の湯、華道、和歌など、玄人はだしの芸を身につけていた教養人なのだ。此のあたり、くれぐれも誤解のないように。
最後に島原では、入口を出口と言い、どう(堂)もないのに堂筋と言う~上へ行くのを下之町、下へ行くのを上之町。語りもせんのに太夫さん。

京都の調査研究特殊機器開発会社『HOGA』

2013年08月24日 | 雑感
京都に自然科学関連の研究調査用機器の開発を行っている「HOGA」と言う知る人ぞ知る会社がある。
         
社長は、保賀昭雄氏。保賀社長は、研究調査用の生物調査機器を自ら考案製作する。この関係で京都大学を中心に生物学、生態学、行動学で著名な先生方との人脈がある。故人もいるが日高敏隆先生、四手井綱英先生、川那部浩哉先生など。

日高敏隆先生は、動物行動学で有名でコンラッド・ローレンツの『人イヌにあう』、『ソロモンの指環―動物行動学入門』やリチャード・ドーキンスなど海外のエソロジーの名著を翻訳している。四手井綱英先生は、京都大学山岳部出身者として京大のヒマラヤ登山の裏方として活躍された。里山という言葉は先生の造語だ。川那部浩哉先生は、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエで、長らく淡水生物の生態を主に研究され『日本の淡水魚 (山渓カラー名鑑)』を書かれている。子供の頃、この本を見たことがある人も多いだろう。

インド軍の国境周辺事態への対応~空輸能力の強化~

2013年08月22日 | 雑感
現在、インドと中国の両国にて国境協力合意の草案を相互に送って内容を検討中である。これは昨年10月にシン首相が訪中した際に国境協力合意協定の締結についいての合意に基づくもの。しかし、この協定を締結しても早晩中国が間接的影響力をネパールやブータン、パキスタンなど行使して、形骸化するだろう。
インド側はこれを折り込み済み。
過去ブログにも書いているように着々と国境地帯の防衛力強化に向けて着実に地歩を固めている。
中印国境地帯「マクマホン・ライン」 と「 カシミール国境」
そぞろ中印国境が緊張状態に~インド山岳戦闘部隊創設~

インド空軍 (IAF : Indian Air Force) は、中印国境紛争時(1962年~1965年)に運用していた世界で一番標高(5065m)の高い飛行場Aksai ChinのDaulat Beg Oldie の運用を再開した。8月20日、Hindon空軍基地から飛来したC-130J-30が着陸した。これ以前には2008年にアントノフ32が43年振りに着陸している。中国との国境紛争激化を見据えて慎重ながら、準備を怠らない。Hindon空軍基地にはC-130J-30が6機配備されているが、更に空輸能力を高める為、ボーイングからC-17Aを約41億ドルで購入し、今年6月11日に初号機が同空軍基地に到着済み。2013年中に初号機を含め5機、翌2014年に5機の納入を受け、合計10機での運用となる。インド空軍は、米空軍以外では最大のC-17Aカスタマーとなる。大型輸送機から構成される空輸力の向上は、即国境地帯への迅速な兵力投射を可能とし、第一線への後方兵站能力も向上する。これは手堅いやり方だ。

インド軍の国境周辺事態対処で変わった所では、インド軍のDRDO (Defence Research and Development Organisation) が、米DARPA並に革新的な技術開発を行っている。それはヒマラヤ高地や極低温環境など人間の生存にとって極めて厳しい過酷な環境で戦闘を行えるロボット兵器を開発中とのこと。このロボット兵器は、国境協力協定に係わる中国との実効境界線 (LoC : Line of Control) での運用を当然ながら想定されているものだ。

今日8月14日は、コルベ神父殉教の日です。

2013年08月14日 | 雑感
今日8月14日は、コルベ神父殉教の日です。
ポーランド出身のマキシミリアノ・マリア・コルベ神父は、餓死刑に選ばれたポーランド軍将校の身代わりを申し出てアウシュビッツの餓死室に収監されました。
2週間飲まず食わずでしたが、まったく死ぬ様子がないため、1941年の今日、薬殺されました。
そのコルベ神父は、長崎に布教の為、6年間赴任されていました。
聖母マリアをこよなく愛した神父は何故日本に来られたのでしょうか?
第一次大戦後、荒廃したポーランドに救いの手をのべたのが、実は日本でした。
ユダヤ人迫害が激しくなった時期、日本がビザを発行してシベリア経由で逃れさせたのは有名な話です。
戦前も戦後も、そして今もポーランドは親日国です。
明日は終戦日ですが、戦犯として処刑された東条英機氏の名前が、ゴールデンブックにその名前が記載されている事を知る人は、未だに少ないままです。
しかし、ユダヤの人達は、関東軍参謀長として断固として、ユダヤ人を満州経由で日本に逃し、アメリカまでの移動を確実ならしめた彼の功績を是とし顕彰しているのです。
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、1982年10月17日、コルベ神父を聖人の列に加えました。
同じポーランド人である教皇は、神父を「愛の殉教者」と呼びました。
神父殉教の日である今日は、コルベ神父が、愛して、愛して、愛して、敬慕してやまなかった聖母マリア被昇天の前日です。
コルベ神父の魂が永遠に安らかなること祈り、モンテベルディの『聖母マリアの挽課』を捧げます。

エアバスA400M輸送機とエアバスが生産工場をトルコに建設などなど~

2013年08月13日 | 雑感
2013年8月1日、エアバスミリタリーA400M(MSN7)の一号機がフランス空軍に納入された。続くMSN8も今月中にフランス空軍に納入される。MSN9はトルコ空軍に納入される予定。現在MSN9はエンジン試験中。MSN10もフランス空軍向けで、MSN7,8,10の3機は、オルレアン・ビシー空軍基地(Orleans Bricy Air Base)に配備され運用される。

ここで主役はフランスではなくトルコ。トルコは、エアバス/エアバスミリタリーの部品製造において可成りの存在感を示している。エアバスミリタリーのA400M輸送機の細々とした部品などは、トルコ航空宇宙産業(TAI:Turkish Aerospace Industries,INC)が担当している。トルコ航空宇宙産業は1984年に設立された国策企業で、従業員3900名、売上28億ドル。工場は、アンカラ郊外のFethiyeにある。この工場ではエアバスA350、A320のエルロンや補助翼の製造を行っているし、勿論、A400Mの部品もこの工場で製造している。TAIにとってエアバスの売上だけで5億ドル以上と言うから経営に貢献するところ大だ。

トルコには、TAI以外にカレ・アエロ社 (旧カレ ハヴァジュルク) と言う防衛企業がある。カレ・アエロ社は、1989年からボーイング、ロッキード・マーティン、プラット・アンド・ホイットニーなどのエンジンや航空機部品を製造している。エアバス関係ではA320系統の補助燃料タンク壁を同社イスタンブールの工場で製造。最近は、問題山積の統合打撃戦闘機 (JSF)F35の生産も担任している。

トルコは、エアバスから仕事をもらっているだけではない。全然逆でエアバスにとってトルコは最大級のお得意様だ。何せトルコ航空は、今年3月15日にA320系列の旅客機なんと117機を発注している。内訳は、A321ceo×25機、A320neo×4機、A321neo×53機と追加オプションA321neo×35機。トルコ航空は、現状でA320系列の旅客機75機を運用中で、エアバス機だけで192機に達する。エアバス機の大量発注は、ブーメランのようにトルコ宇宙航空やカレ・アエロ社の仕事に反映し、雇用も安定するので、トルコ経済にも大いに貢献する。

トルコ航空の大量発注があったからかは分からないが、エアバスは、トルコに生産工場の建設を計画している。既に工場用地はトルコ北西部のテキルダーにある欧州フリー ゾーン(EFZ)に取得済みとの情報がある。広さは1万平方メートルに達するという。
テキルダーのEFZには、5億ユーロの投資が行われるとされるが、エアバス工場進出は、その一環だろう。日本の経済産業省が行ったトルコにおけるスマートシティのフィージビリティ・スタディ(F/S)調査の際、トルコの地域配電会社Trakya EDASの担当者が、東芝のシステムがこの工業団地において適合するとの好意的な意見を述べたのに意表を突かれたらしい。日本側はTrakya EDASを工業団地内のエネルギー供給に関する競争相手との認識だったが、実は配電ライセンスを差配できるので、うまく棲み分けが出来る可能性がある報告している。

過去ブログでも書いている通り、イスタンブールの第三空港プロジェクトが着々と進行中で、海外だけでなくアタチュルク空港とイスタンブールの第三空港への国内便利用を含め航空旅客の利用者数は劇的に増加するとトルコ政府は予測しており、2017年の運営開始時には乗客定員において世界最大となるとしている。
イスタンブール西部開発と第三空港プロジェクト
イスタンブールの総合開発プロジェクト
イスタンブール西部開発プロジェクト

「勝ちどき橋資料館」を訪れた~次は橋脚内見学

2013年08月11日 | 雑感
勝ちどき橋にある「勝ちどき橋資料館」をジョギングの途中に訪れた。
勝ちどき橋にモーターを動かす直流電力を供給する変電所を改造した施設だが、入ると女性職員の方が、色々と説明してくれた。
入館当初は一人だったものの、その後、来館者が増え、築地市場の近くにあるものの、少々わかりづらい場所にあるのに、小さい資料館が俄に賑やかになったのは、何かしら喜ばしい感情がこみ上げてきたのは何だろうか~

撮影禁止の館内ビデを観ると中央が開閉する勝どき橋は、墨田川の名所だったのだろう。昔の写真を見ると周りには平屋の家が散見されるだけで、完成当時、跳開橋として東洋一の規模だったと言うことだから、見物人がいてもおかしくはない。しかし隅田川を航行する船の減少で昭和45年11月29日の開閉を最後に、現在では開かずの橋となっている。
職員さんの説明によると勝ちどき橋の橋脚内見学ツアーを木曜日に開催しているとの事で、折りをみて予約し見学して見たい。それと橋の開閉を説明するジオラマをデジカメにて動画撮影した。YouTubeにUPしたので、ご覧あれ。

勝ちどき橋資料館で撮影したジオラマ「YouTube」です。残念ながら路面電車は走りません~

                                                                                                                  

大手町再開発計画「1-2計画」と “将門塚”

2013年08月10日 | 雑感
東京・大手町の再開発が着実に進行中だ。「解体される大手町の 『旧三和銀行東京本店ビル』 ~大手町再開発1-1計画~
在りし日の三和銀行ビル↓
              
今は、解体されて跡形も無い↓
                        

NTTのコーポレートが入居しているこのビルも解体される↓
                        
NTTビルの裏手にある旧郵政のビルも解体される↓人が居ないビルは一見してわかるものだ。
          

さあ、旧三和銀行&マルハの「大手町1-1計画」の次は、いよいよ「大手町1-2計画」だ。

勿論「大手町1-2計画」では神田明神建立の地である「将門塚」には一切手をつけない。羽田の鳥居じゃないが、動かしたりすれば大手町の会社もタダではすまないだろう。
この地は戦前、大蔵省や内務省のあった土地で、関東大震災で被災した役所を立て替える時「将門塚」を切り崩して大蔵省の仮庁舎を大正15年に建設した。が、大蔵大臣・早速整爾や現職課長など職員数十名が次々と死亡する状況を惹起したため、昭和3年に元々塚のあった所の庁舎を解体し「将門塚」を再興した。この時、大蔵大臣や幹部職員一同、神田明神の宮司による慰霊祭を挙行している。しかし、平将門の怒りは収まらず、昭和15年には落雷により、大手町官庁街は焼け野原となってしまい、庁舎の再建を諦め大手町から霞ヶ関に移転する事となった。
                

東京消防庁が「第63回はたらく消防の写生会入賞作品展」を開催

2013年08月09日 | 雑感
晴海トリトンのグランドロビーで「第63回はたらく消防の写生会入賞作品展」が開催されている。
この作品展には、東京消防庁管内1060校から125132名の参加があったとの事で、東京臨海を管轄する臨港消防署管内では837名の応募があり、71名が消防総監賞や臨港消防署長賞、企画調整部長賞等を受賞している。

                                  

この作品展は8月12日の午後12時まで~

ちなみにこの作品展を観にトリトンに行ったワケではない。X棟の23階に行ったのだ~
        


イギリスの核戦力更新問題

2013年08月07日 | 雑感
過去ブログでも書いたが、イギリスで「核戦力更新問題」がまた盛り上がりを見せている。
イギリス 財政難から核保有を放棄するか

イギリス軍は、現在の原子力弾道ミサイル潜水艦4隻を新型潜水艦に更新し、今やイギリス唯一の核戦力となっているトライデントミサイル本体を改修し、最新式の核弾頭を再搭載する方針だが、核戦力更新に要する費用は760億ポンド、現行のシステム改修・廃棄に要する費用を含める核システムの更新全体の総額は1000億ポンド(1600億ドル)に達すると試算されている。財政が危機的状況にあるイギリス政府はこの費用を賄う事は出来ない。現行のトライデントを維持するためだけでも年間20億ポンドの費用が掛かるというのに、とんでもない~
そんな中、現保守党・自民党連立政権は、新型原子力弾道ミサイル潜水艦SSBNサクセッサー級の開発を推進しており、最終開発決定が下されていないのに既に30億ポンドを支出している。しかし、トライデント代替案検討担当大臣ダニー・アレクサンダー氏は、冷戦時の連続核抑止力体制の維持は不要で、政治的な意思があれば核を廃棄してもいいと発言している。
私見ながら、現政権が政治的意志で核廃棄を決定することはないだろう。しかし財政逼迫の現実を直視せざるおえず、核システム全体を見直し縮小を余儀なくされるだろう。因みにイギリスは225発の核兵器を保有している。

また過去ブログでも書いた通り、核戦力更新問題には、スコットランド独立問題が関わる。何故ならトライデントの基地はスコットランドにあるからだ。トライデントの拠点はファスレーン海軍基地/クライド海軍基地で他には存在しない。
イギリス連合王国からのスコットランド独立問題

イギリス連邦議会(ウエストミンスター議会)とスコットランド議会は、既にトライデント・システム更新で対立している。そもそもは、キャメロン保守党党首が、スコットランド国民党のアレックス・サモンド党首に対し、トライデント・システム更新に反対・阻止をしないよう要請した事が発端で、サモンド党首は、ウエストミンスター議会に所属するスコットランド選出議員とスコットランド議会が核戦力更新を望まないなら、当然のことながら独立したスコットランドとして意志を明確に表明するだろうと語っている。そもそもスコットランド国民党は、反核政策を一貫して主張しており、ポラリス原潜時代から潜水艦部隊のスコットランド撤退を求め続けている。

※TPPの本質は、国家という権力形態を破壊・無力化する点にあるが、逆のベクトルとしてスコットランド独立問題を捉えて見ると、興味深い揺動と感ずる。これはグリーンランドやカナダ、クルドなどの民族独立・自立/自律の深層に流れるものと一緒だ。

さて、仮にイギリスが核戦力の放棄、若しくは縮小するにしても核兵器解体問題と高レベル廃棄物処理が控えている。
トライデント用「W76」核弾頭(LEP)は、ロスアラモス国立研究所が設計し、1975年から1987年にかけて生産された。米国では20年を経過した「W76」を構成部品をリニューアルして、新たに「W76-1」として再生するプロジェクトが実行に移されたが、弾頭の一部を構成する「Fogbank」に関する製造技術資料が所在不明で、しかもW76の製造工場は1990年代に撤去され跡形もなく、技術資料も皆無で「Fogbank」に関する製造技術は完全に失われていた。それに当時の技術者も全て引退状態~
「Fogbank」の詳細は明らかにされていないが、専門家の推測によると熱核弾頭(原爆)の核分裂状態から核融合状態に移行する段階で、この移行をスムーズにする発泡体が関係しているとの見解を示している向きもある。これは政府が、引火性が非常に高く、かつ爆発性が高い溶剤で、解体プロセスに従事する作業者には極めて有害な物質であると、発表しているからの推測。
W76のリニューアルプロジェクトは、これで遅延し6900万ドルの経費が増えることとなった。イギリスでも英国でも「UK TridentPrograme」が進められて当然ながら影響は被っている。
今度はこの「W76-1」を安全確実の解体し、プルトニウムやウランなど核物質を隔離し保管しなくてはならない。最善はロシアのように他国に燃料として売るか、若しくは自国の原子炉で燃やすしか手はない。それでも長寿命の廃棄物は生まれ、10万年以上、生物圏から完全隔離して保管管理する必要があるが、10万年後、人類は生存しているのだろうか?
まあ、考えるのは止めよう。10万年なんて無理なんだから、単寿命化するしかない。それにはトリウム溶融塩炉が最適だ!
トリウムについては、過去ブログをご参照~

核武装 と トリウム溶融塩炉
第2の原子燃料 トリウム
トリウム溶融塩炉とトリチウム(三重水素)

中国が世界最大の遺伝子組み換え小麦の輸入国へ~中国の食糧供給には注意~

2013年08月06日 | 雑感
中国国内では豪雨が続き被害が拡大している。

国家洪水防止・干魃対策総指揮部弁公室によれば、30の省・自治区で豪雨による被災者は4770万人、死者337人、行方不明213人に達し、倒壊した家屋は15万棟と被害甚大。
豪雨の影響は農作物生産にも影響を与えているが、豪雨だけでなく季節外れの霜や7月以降の熱波も農作物生産に深刻なダメージを与えている。メディアでも報道されているように北京、天津、重慶、上海などのでは最高気温は摂氏37-40度に達し、内陸部の重慶や浙江省では摂氏41度以上にもなっている。この熱波に見舞われた地域面積は、317万7000平方キロメートルと広大で、これは日本の陸地面積の約8.6倍に相当する極めて広大な地域、特に農地が干上がっている。

これは中国の穀物輸入の数字に既に表れている。
中国は、この半年で150万トンの小麦を既にオーストラリアから輸入している。今年に入っての小麦の輸入量累計は昨年と比較し約3倍に達しており、中国の小麦輸入量は1050万トンを超えると予測されている。
これで今年はついに世界最大の小麦輸入国のエジプトを上回り、中国が世界最大の小麦輸入国となるのはほぼ確実。米国農務省も、中国の小麦輸入量を上方修正するとみられている。中国の食料事情は要モニタリングだ。

余談だが、今『小麦は食べるな!』と言う本を読んでいるが、小麦は遺伝子組み替えで、原生種のヒトツブコムギやフタツブコムギとは根本的に違う小麦モドキになり果てており、様々な疾患を生じさせる食物ではなく毒物と化している。毒物を食べさせられるのは堪らないが、背に腹はかえられない。しかし遺伝子組み換え食品のこれ以上の拡大は阻止せねばならない。そういう意味だと真山仁氏の『黙示』もお薦めです。