私のNASにはWebアクセスという機能があります。
NASの性格上、どのプライベートネットワーク上のデバイスからもアクセス
できるようになっているのですが、インターネットを経由して外部からも
アクセスできるようにしたものです。
外出先からスマートフォンで自宅NASにアクセスできれば便利ですよね。
考えればあたり前のような、当然できるであろう機能ですが、実は
けっこう面倒なものなのです。
インターネットというのは外へ出て行くのは簡単なのですが、ネットから
中に入るのは難しいのです。
理由の1つにIPアドレスが変わる、ということがあげられます。
インターネットから自宅PCにアクセスする際に必ず必要なIPアドレスが
接続するたびに変わるのです。
IPアドレスというのは名前の通りパソコンを識別する住所です。
世界中でたった1つしかないアドレスです。
プロバイダーにアクセスするとそのIPアドレスをリースしてもらえますが、
そのつどアドレスは変わります。
今はルーターを設置して常時接続の人がかなり多くなりましたが、停電などで
1度切断されて再接続したときなどは前とIPアドレスが違っています。
IPアドレスが変わるたびに設定を変更しなければならないのは大変です。
そこで考え出されたのがDDNS(ダイナミック・ドメイン・ネーム・システム)という
ものです。
名前(ドメイン)と現在のIPアドレスを登録してたとえIPアドレスが変更されても
確実にアクセスできるようにしたものです。
たとえば、
SONY.com 12.248.53.6
という感じです。
DDNSに登録しているクライアントは一定期間ごとにDDNSにアクセスして、
常にIPアドレスを最新の情報にしてあります。
ですから、12.248.53.6の部分が変更されてもSONY.comと入力すれば
ちゃんとアクセスできるようになっています。
ところがこのDDNSはほとんどが有料なんですね。
そりゃそうですね、DDNSの運営にはかなりのコストがかかりますから。
個人で利用した場合、月あたり1,000円くらいでしょうか。
無料のDDNSもありますが、制約がけっこうあるようです。
話は変わりますが、今はスマートフォンの普及がすごいですね。
スマートフォンは小さなPCですからその可能性は大きいのです。
「スマートフォンから自宅、会社のPCにアクセスできたらいいな」
と考えるのは当然かもしれません。
ルーター、NASを販売しているメーカーもそれは考えていて、
対応製品をどんどん投入しています。
しかし先ほどのDDNSの問題があり、「DDNSの契約は個人でお願い
します。有料です」とはなかなか言いづらい状況です。
そこで周辺機器メーカーのバッファローは自社製品購入者に対して、
DDNSのようなものを提供しています。
・・・のようなものと言ったのは簡易的なものだからです。
今回私はこれを利用することにしました。
NASの設定画面でWebアクセスを有効にしてBuffalonasネームとキーを
設定します。
登録が終了しwww.buffalonas.comにアクセスすると、Buffalonasネーム
を入力する画面が出ますので入力すると公開フォルダが表示されます。
スマートフォンでは専用の無料アプリでアクセスします。
詳しい設定の仕方はバッファローのHPに載っていますので参照してください。
設定が修了し、スマートフォンでもアクセスできるようになりました。
めでたしめでたし・・・ではなかったのです。
*)注釈
例に挙げましたSONYなどの大企業はほとんど固定IPアドレスのサービスを
利用していてIPアドレスが変更されることはまずありません。
DDNSの利用は固定IPアドレスサービスの経費を支払えない個人などが主に
対象になっています。