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読ホリディ 1

2009年08月09日 | ミステリ
上巻を半分まで読んだだけですが、このあとも同じような論旨が繰り返されるだけでしょうから、とりあえあずの感想を。
もしかしたら本人も最後の評論活動になると思っていたのか、歯に衣きせぬ言い方になっていると思える箇所もあり、とても面白いんです。できればずっと読んでたいくらい。

でも、気になることが。
みんな都筑道夫の言うことを信じているのでしょうか。自分は映像的な描写が好きだと言っているわりに、ご本人の作品にそんな視覚的な文章がありましたか? 都筑道夫作品の魅力はひねったプロットと、そのプロットを生かす文体作法では。プロットをひねりすぎて作り物すぎる設定が気になることも。泡姫シルヴィア、ホテル・ディック、退職刑事、新顎十郎…

一番の傑作は「神州魔法陣」ではないでしょうか。
時代伝奇小説の枠を守って書いたとありながら、大時代にならず現代感覚あふれるモダンな伝奇小説の傑作だと思うんですがねえ。とくにラストの脱力あふれる大技(?)が見事です。
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