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チラシの裏

曲った蝶番

2009年01月09日 | JDカー
John Dickson Carr collection 3
曲った蝶番 The Croked Hinge 1938

物語は、現在の准男爵がじつは偽者で、本当の准男爵が屋敷に現れて地位を請求する、というところから始まります。
珍しくストレートなプロットですが、「現在の准男爵が偽者ならば、なぜ偽者が殺されなければならないのか」という、ひねりがうまく働いていません。
Who dune it というより「Why & How」のほうに軸がある感じです、

著者の今回の趣向は、
■人の性質は変わらない、幼い頃の嗜好は変わらない(はず)。作中人物が小さい頃に好きだった本を答える場面で「今も変わっていない」という台詞を言いますが、それがそのまま別の人物の性格を知る手がかりとなっているわけです。
■自動人形の驚くべき操縦方法。
■サバトの実態

これらが重なり、オカルティックで陰鬱な雰囲気の中で物語がカタストロフを向かえます。
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