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夜の冒険

2010年05月05日 | ミステリ
ホックの短編は、ミステリ作家らしくどこかに必ず謎がしかけてあります。
しかし戦中から戦後にかけてのデビュー作家らしく人間性にも視点をおいたストーリー作りのためか、
ストーリーの中でミステリ的な謎が浮いた感じがなきにしもあらず。
「ホーソーンシリーズ」「サイモン・アークシリーズ」は謎解きに比重をおいた作品ですが、
こちらのノンシリーズ短編は、人間性をテーマにした作品が多いですね。
それでもミステリの骨法を忘れないホックは偉い。
戦中派世代のせいか、戦争をテーマにした作品にはリアル感があるような。
それにたいして都会を舞台にしたノワールものは、書割りを背景にした芝居みたいで、
往年のアメリカTVドラマみたいにしか思えないのは、なぜなのでしょうか。

■夜の冒険 エドワード・D・ホック著 ハヤカワ文庫
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