受験シーズン

　　遂に、我が家のみっ君も受験シーズンに巻き込まれる時期になった。
ここまで成長して来た事は、私としては感慨深い思いだ。
生まれた時は産声がなかなか出ず、漸く聞こえたのは赤ちゃん猫の様な声だった。それでも産声と言うわけで、有難かった。2500ｇ弱の小さな色白の赤ちゃんは唇をチアノーゼの様に紫色になったまま白いうぶ着に包まれてアミーの目の前に現れた。切なくて心配だけれど、いたく感動した事を、15年経っても鮮やかに思い出す。
夜中、先生も疲れてしまって途中で、休憩に行かれたりしながら、赤ちゃんは最後まで頑張って呉れた。あの未明の、切ない感動を呉れたみっ君、一生大事にして上げたいなんて思ったっけ・・・。

そして15年、総領の甚六そのもの、のんびりみっ君は、ママの心配の種が尽きない。大事な高校受験に電車で居眠りをしないだろうか、ちゃんと学校に辿りつくだろうか等々。ママは結局、会社通勤のついでに、門まで送って行ったそうだ。
　　　　　　　　　　　桜が咲きますように。
雨の中、にっこり「アミーただ今。お腹が空いた」と帰って来た。ご苦労様～と出迎えたけれど、楽しそうに今日の受験校の話をして呉れた。まあ一番は人間関係で悩ませたくないので、乗り越えられそうな会話だった。お昼ごはんを食べて帰り、夜は又塾へ。電話がかかって来て「アミー桜咲くか、桜散るかはっきりしたら連絡します」ですって。本人は相当大人っぽい事を言っていると思っているに違いない。