内閣改造と党人事の意味 安保法制成立後の情勢変化(4)
不満を煽るマスコミ
10月7日、自民党五役の続投が決定後、第3次安倍改造内閣が発足しました。また9日には副大臣・政務官人事が決定し、次に党政務調査会(部会・調査会・特別委員会等)の人事が行われました。
こうした一連の人事について、マスコミや野党は「官邸に側近集めるお友達内閣」「閣内に危ない“時限爆弾”を抱えた」「全く新味がない」などの指摘をしています。さらに、党内部の派閥の争いが生じているかの思わせぶりな記事を書いています。
マスコミは、安倍政権がなぜ支持され続けているのかを理解出来ないのです。安倍内閣をかつての自民党政権の延長線上にしか捉えることが出来ず、いまだに派閥力学が働いているとの幻影に踊らされているのです。
人事権は総理総裁にあり
正彦副総裁は記者会見で「政高党低だろうと党高政低だろうと、国民のための政治がいい政治」と述べましたが、まさに至言です。
国会議員となったからには大臣や要職につきたいのは当然ですが、それが個人の名誉欲や特定の利益のためであれば、日本の発展はありません。田中角栄氏とその系譜が主流だった自民党時代の政治、また、民主党政権下の政治を思い出せば、特定の利益や私欲のために、国民が如何に迷惑を被ったか枚挙にいとまがありません。
安倍総理は「奇をてらうのではなく、しっかり仕事をして結果を出す」と記者会見で述べましたが、今回の人事の真意はここにあります。政権のアラを探すだけの報道は慎むべきです。
文部科学省改革を本気で行う
あまり報道はされていないようですが、安倍総理は文部科学省改革に本気で取り組もうとしています。文部官僚は、かつては気骨のある人材が多く、日教組と全面対決をしていました。しかし、リクルート事件以降、彼らには責任逃れの風潮が蔓延してしまいました。最近の東京オリンピックの国立競技場やエンブレムの問題も、文部官僚の無責任風潮の現れです。
さらに、文部官僚の問題点は、民主党政権時代に日教組の軍門に下ってしまったことです。文部科学省と日教組は民主党の輿石東氏の仲介斡旋で裏取引をし、それ以降、文部科学省は弱体化してしまったのです。
文部官僚のこのような状況に対し、安倍総理は文部科学大臣に馳浩(はせひろし)氏、副大臣に義家弘介(よしいえひろゆき)氏を登用しました。
馳氏はプロレスラー出身ですが、星稜高等学校の国語科(古典)教諭でもありました。「子を育て 妻をいたわり 親守ろう」のスローガンを掲げ、『馳浩のやさしい教育論』を含め16冊の著作があります。また、義家氏は「いじめ問題に立ち向かうヤンキー先生」として有名ですが、『ヤンキー最終戦争 本当の敵は日教組だった』を含めて9冊の著作があります。両者に共通しているのは、教育に対する情熱が誰にも負けないという点です。この人選に安倍総理の文部科学省改革と教育改革の本気度がよくわかります。
安保法制が成立したいま、日本を取り戻すために教育改革は必須であり、戦後教育の最大の問題点である日教組に対して、その解体に向けての布陣を敷いたのです。
安倍総理は若手議員時代から、日本の戦後教育のあり方に対し改革の必要性を力説する中心議員でもあり当然のことなのです【※1】。
【※1】1997年設立された「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長。総理大臣であった2006年12月には教育基本法を改正し「教育の目標の一つとして愛国心」を盛り込んだ。さらに、2007年6月には教員免許更新制を導入した。
改革のスピードを上げる
また、自民党税調の役員人事にも着手しました。
安倍総理は野田毅税制調査会長の後任に宮沢洋一前経済産業相を充てる方針を固めました。マスコミは軽減税率問題で公明党に配慮したためと言ってますが、その報道は間違いです。旧大蔵省の出身の野田氏の官僚的な発想が現実にそぐわなくなったことと、秘書の不祥事(覚醒剤所持)が原因です。
新内閣での人選についても身辺に不透明な問題を抱える議員を極力排除していたのですが、党の役員人事に関しても神経をとがらせていました。政治家が清潔であることは当然のことですが、野党やマスコミからの無用な指摘で、政治運営に支障をきたすことを避けたというのが本音です。スピードをもって改革を進めていきたい安倍総理の強い意思を感じます。
日本のために仕事をする政治に期待する
改造内閣の発足に当たり安倍総理は「一億総活躍という輝かしい未来を切り開くため、新しい挑戦を始める」と述べました【※2】
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【※2】安倍総理の冒頭発言:「少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持する。そして、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害のある方も、誰もが今よりももう一歩前へ踏み出すことができる社会をつくる」。
結論部分:「やればできる。その強い自信を持って、国民の皆さんと共に少子高齢化という構造的な課題にチャレンジする。一億総活躍社会という未来に向かって、大いなる挑戦を始めたいと思います」。
この発言は、安倍政権発足から1000日余り、アベノミクスにより雇用が100万人以上増え、デフレを克服した自信から発せられたものだと思います。同時に、安倍政権を信頼して政権選択をした国民の判断が間違っていなかったことを証明するものでもあります。
安倍内閣が、これからも言葉通り力強く挑戦していただくことを望んでいます。
内閣の本気の姿勢は必ず国民の支持を得られます。
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