赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

新聞に軽減税率は必要か コラム(67)

2015-10-31 00:00:00 | 政治見解



コラム(67):新聞に軽減税率は必要か

新聞は「思索のための食料」?

「自民党新聞販売懇話会は、消費税率を2017年4月に10%へ引き上げると同時に、新聞に軽減税率を適用するよう求める要望書を提出した」との報道がなされています【※1】【※2】。

【※1】軽減税率制度:消費した物やサービスに課税される消費税は、誰にでも同じ税率が適用されるため、低所得者の負担が大きくなる。そのため、消費税に複数の税率を導入し、食料品などの生活必需品には、その他の商品より低い税率を適用して消費者の負担を軽くするためのもの。

【※2】 要望書:「新聞の消費税増税で国民生活の文化水準が低下し、将来的には国の経済へも多大なる影響を及ぼすものと考える」。


日本新聞協会の「なぜ新聞に軽減税率が必要なのですか?」の答えには以下のように書かれています。

「書籍、雑誌も含めて、活字文化は単なる消費財ではなく「思索のための食料」という考え方が欧州にはある。新聞をゼロ税率にしている国もイギリス、ベルギー、デンマーク、ノルウェーの4か国ある。欧州連合(EU)加盟国では、標準税率が20%を超える国がほとんどで、その多くが新聞に対する適用税率を10%以下にしている。」

新聞協会は「思索のための食料」というEUなどの論理を展開し、諸外国を引き合いに出しています。ここに新聞各社の傲慢さを感じます。

新聞は哲学書ではなく、情報の伝達ツールです。「思索のための食料」などという考えは尊大すぎます。このような独善的な考えが、朝日新聞のような国民を見下した記事と捏造を生み出す元凶になっているのです。


新聞は消費税増税に反対すべき

新聞各社で構成される日本新聞協会の綱領には「・・・あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される」とあります。しかし、新聞が軽減税率の適用を「権力」に陳情した時点で、権力に屈したことになります。単なる圧力団体に堕してしまいました。軽減税率を要望した新聞は公器としての役割を放棄したと言えます。

仮にも新聞が、社会の公器として人びとの生活福祉の向上につながるものであるとの認識であれば、宗教法人の非営利事業と同様に非課税措置を要求すべきです。

新聞が本当に権力の監視役を自任するのであれば、消費税増税に正面から反対表明をすべきです。

新聞は自分たちの都合に合わせ「権力の監視」と言う言葉を使い分けている勝手な存在なのです。


勉強不足のマスコミ人

新聞記事を読む限りでは、新聞社に経済がわかる記者は皆無です。経済記事の根幹部分は財務省からの解説抜きには書けません。経済記事で政府批判はあっても財務省批判の記事はお目にかかったことはありません。彼らはそれほど、財務省見解への依存度が高いのです。

民主党政権下では、財務省主導で成立した消費税増税10%について、新聞各社は最初から財務省の主張する「赤字国債発行残高による日本財政の破綻」の意見に同調して、消費税増税の応援団になっていました。これはメディアが権力に屈した屈辱的な出来事だったのではないでしょうか。


不健全な新聞社には重課税を

特定のイデオロギーに隷属し、嘘や捏造、誤報を繰り返しながら社会の健全な発展を阻害している新聞社は重課税の対象とすべきです。

時代の趨勢は、新聞からインターネットに移行しています。新聞業界が自ら期待しているほど新聞が重要視されなくなっている現実を、虚心坦懐に受け入れるときが来ているのではないでしょう



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