コラム(61):野党は社会の動静を認識せよ
10月18日の日曜日に若年層に関する反体制派の動きが二つありました、一つは東京新聞の1面の記事で、もう一つは渋谷でのSEALDsの集会です。
東京新聞の第1面
18日付東京新聞朝刊の第一面には「<親子で学ぶぅ>安保法で『戦える国』に」と題する記事が掲載されていました【※1】。安保法制が成立したので、集団的自衛権を行使することによって「日本が『戦わない国』から『戦える国』に変わり始めた」と解説しています。また、「徴兵制が復活【※2】するかもしれない」との一文を入れています。
【※1】リード文:今は新聞週間(しゅうかん)です。「親子で学ぶぅ」はきょう、特別(とくべつ)に1ページ目に登場(とうじょう)しました。こどもの日に続(つづ)いて2回目の登場です。
【※2】徴兵制はありえない。近代装備を使いこなすには10年近くの訓練が必要で2年程度で入れ替わる徴兵では役に立たない。
そして結論は、「来年から選挙権が18歳までに引き下げられるから、その年齢になったら、自分の考えで投票しましょう」と呼びかけています。早いうちに反体制の考えを若年者層に植え付けようとしています。
SEALDsの集会も高齢者が目立つ
また、日本共産党は、直系組織の民主青年同盟(民青)を前面に出さず、ダミーのSEALDsを使って若者を取り込みたいと考えているようです。
渋谷の集会ではスクランブル交差点の通行を妨げたため、ハチ公前は混雑しましたが、実際の参加者は数百人程度だと考えられます。しかも、若者の集会と言いながら高齢者が多数参加していました。
マスコミがさかんに報道しているにも関わらず、SEALDsに若者が集まらない理由は、きちんとした見識を持たない学生によって構成されているからです。これでは世間の共感を得ることはできません。
SEALDsが頼りの野党
安保法制に反対した野党5党の幹部らは、先日SEALDsと国会内で意見交換会を開き、民主党の枝野幸男幹事長が「今後も連携を続けていくことに意欲を示した」と報道されています。
目的は選挙対策です。民主党などの政党には若年層の組織や支持層が無いので、SEALDsを利用して、若者の票を取り込もうと期待しているのです。
渋谷の集会でも、民主、維新、共産、社民、生活の5野党の国会議員も参加して共闘を叫んでいました。また、この集会に「T-ns SOWL(ティーンズ・ソウル)」という高校生グループも参加し、「来年の参院選は僕たちにも選挙権がある。自分の一票を無駄になんか絶対にしない」と叫んだと報道されています。野党にとっては渋谷のにわか作りのグループが大票田に見えたのだと思います。
野党の支持率が上がらない本当の理由
旧態依然のイデオロギー信奉者は、マスコミや法曹界を含め、その殆どが高齢化した共産党支持者やプロ市民です。マスコミが取り上げるため反体制の人々が大勢いるように見えますが、実際には極めて少数なのです。
一方、若者は保守化傾向が顕著です。彼らは自然と保守になりました。おそらく国際的にはソ連の崩壊や中国の覇権主義の台頭を間近に見ていることにあると思います。また、国内的にはスポーツの振興が関係していると思います。試合前に国旗を掲げ、日本の選手を応援する心は、健全な愛国心を育んでいるのではないかと思います。
こうした世の中の傾向を野党の政治家は認識できません。自分たちの考えを受け入れない国民のほうが間違っていると考えているからです。国民を見下しているから、国民に信頼されないのは当然で、支持率が上がらない理由はここにあります。
選挙でたとえ若者受けする政策を打ち出しても野党5党が勝利することはありません。出来ないと思います。彼らの反体制体質が変わらない限り、若者の票は取り込めないのです。また、民主党政権下の杜撰な政治運営を有権者は決して忘れていないので、にわかに、「国民連合政府」などを提唱されても信じるわけにはいかないのです。
野党議員は、臨時国会が開催されなくなった今こそ、政治家としての使命を熟考し、国民のために何をすべきかを確認していただきたいと思います。その意味で今が大きな分岐点であると思います。
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