topics(668):中国の「白色革命」の行方
11月24日夜に、ウイグル自治区のウルムチ市にある高層ビルで火災が発生。幼い子供を含む、44名の犠牲者が出ました。この事件を発端に、中国全土、そして世界で抗議運動が始まりました。何も書かれていないA4の白紙を持つだけの抗議活動「白紙革命」。この抗議活動が、今、習近平率いる中国共産党にとって大きな脅威となりつつあります。
果たして、この革命は中国にどのような影響を及ぼすのか? 専門家の分析をお伝えします。
■革命の芽は出ていた
中国では、白い紙を持ちコロナ対策に対する抗議の意を示すという、いわゆる「白紙革命」が起こっています。発端となったのは、ウルムチで起きた、44名の犠牲者が出た火災。
ウルムチは、コロナ対策のためにロックダウン中で、ビルの扉も開けられないよう溶接され、鉄の鍵が外からかけられていました。火災から逃げようとしても、外に出られない。その凄惨な事件で亡くなられた被害者への追悼。それが「白紙革命」の始まりです。
実はその前から、革命の芽はありました。10月13日、北京四通橋で1人の男によって掲げられた横断幕のスローガンは、「不要封控, 要自由(封鎖はいらない。自由がほしい)」というもの。
10月23日、上海市内では、2人の若い女性が「不要 要 (いらない。ほしい)」という横断幕を持って練り歩きました。そして、事件から2日後の11月26日、中国全土で起きたのは何も書かれていないA4の白紙を持つだけの抗議活動。
この白紙革命で証明されたのは、10月13日の北京四通橋のことが中国全土に伝わっていること。もはや字が書かれていなくても、封鎖は不要、自由が欲しいと言う誰もが願う共通意識がそこにはありました。このスローガンが中国人の共感を呼んだことが判明したのです。そして、中国人民は政府のゼロコロナ対策をよく思っていないということ。
このコロナ対策が、公共衛生のためではなく、権力維持の為にしていると人民が気付き始めているということです。
■習近平はどうする
実は習近平は第20回共産党大会の時に「カラー革命は絶対阻止しなければいけない」と何度も言っていました。
カラー革命とは、チュニジアで起こったジャスミン革命やウクライナで起こったオレンジ革命、そして香港の黄色の雨傘革命に見られる民衆レベルで自然発生的に起こった反政府運動です。それほど、この民衆による運動を恐れているということです。
今回、白紙革命によって、ゼロコロナ対策が解除された都市もありますが、これは決して習近平が妥協したわけではありません。人民の声を受け入れるように見える一方で、警察等には一人一人、携帯の中身を確認させています。つまり、実質の両手戦略。
妥協しているように見せる一方で、実は弾圧する準備をしている。中国人のよくやる手口です。今回の場合、このゼロコロナに関して言えば、少なくとも習近平にとって敵は5つあります。
1,中国人民
2.コロナウイルス
3.宣伝
4.コロナ利権
5.党内反対勢力
これらは習近平にとって、どれをとっても絶対油断できない5つの敵です。
■本物の革命になるための7つの鍵
ではこれからこの白紙革命が本物の革命になるために何が必要なのでしょうか?
白紙革命は実際に中国共産党政権を打倒できるのでしょうか?
ポイントは7つ。7つの鍵が全部そろった段階で本物の革命になっていきます。
その体制転換の鍵とは…
1,訴え
2.シンボル
3.連帯
4.組織
5.長期支援
6.体制内部支援
7.国際社会支持
今現在の白紙革命にあるのは、1〜3番の鍵のみです。けれども、革命が始まった11月26日から、たったの2日間で中国全土に広がりました。この運動は完全に消えることは決してないと思います。
これが更に大きな力になるには4〜7が必要となります。どうなっていくのかは、恐らく習近平政権の鎮圧の度合いによってまた違ってきます。
白紙革命は本格的な革命になるかどうかの判断はまだ早いですが、これからの発展は、我々も非常に注意深く観察していく必要があるのではないかと思います。
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