コラム(333):
新型コロナウイルスは人類に何を教えようとしているのか
新型コロナウイルスが突き付けるもの
現代社会は政治的あるいは宗教的イデオロギーで分断と対立を余儀なくされています。人びとは無用な対立に巻き込まれ、常に何かに対して憎しみと怒りをつのらせています。
新型コロナウイルスの感染拡大は、改めて現代の病理を浮き彫りにしています。感染への恐怖から相互の不信と対立は一層鮮明となり、国内ではコロナ対策をめぐり政治的対立が激しさを増しています。さらに、国際関係は国境を閉じ他国民を排除するようになり、地球規模で国家間の分断と対立が起きています。
さらに、新型コロナウイルスは生産や経済活動の制限をもたらし、従来の経済システムが機能しなくなりつつあります。コロナ禍は人々に「何のために経済活動をするのか」との命題を突き付けているように感じます。
結局、新型コロナウイルスは人類に対し「調和や協調、分かち合い」の対極にある「苦しみの現実」を示し体験させることにより、新たな選択を突き付けているように思えてなりません。
分断の対極にあるもの
新型コロナウイルスが人類に与えた最大の衝撃は、人と人との接触ができないことにあります。人びとは行動の自由を制限された上、ソーシャル・ディスタンスを求められたことで他との物理的な距離だけでなく、精神的な距離もとらざるをえなくなりました。このため医療や介護従事者などの仕事以外の多くは、人との関係性が閉ざされ、社会との関わりも薄れています。
人は家庭や会社、組織、地域社会であれ、さまざまなコミュニティの中でそれぞれの葛藤がありながらも、互いに協力し助け合うからこそ、生存する意味、活力を、希望を見出しているということを物語っています。コロナ騒動は私たちに「人が社会的存在」であることを改めて認識させたのです。
精神世界と物質世界の関係を研究する友人が極めて重要なコメントを寄せてくれました。
分断が生じたことで、人びとは何とか繋がろうと必死になったわけです。オフラインになった関係をオンラインにしようと頑張ったわけです。つまり、人々は離れ離れになることや人との関係が途絶えることがどれほど苦しいことなのかを改めて知ったのです。
人々は他と繋がりたいのです。一つになりたいのです。人と一体になりたいのです。別々ではなく一体となって行うのです。これは尊いことだし真理です。コロナ禍は人類にこの課題を突き付けたというのが真相です。
そうであるなら、コロナ後のライフスタイルがどうあるべきかが必然的に見えてくるのではないでしょうか。仕事の在り方、行政の在り方、教育の在り方、医療の在り方など。教師と生徒、医者と患者などすべてが一体となってつながりを深めながら行われるようになります。コロナ禍の前は繋がりが薄かったのです。今後は仮に直接会っていなくてもオンラインでつながり、同時に心も一つにつながる時代が来ます。
コロナ対策の重点の置き方
世界の主要各国では分断と対立に加えて、感染対策と経済対策の間に相克が生じています。日本も例外ではなく、一部の官僚が考えた浅薄な政策に政権が振り回され、混乱に一層拍車がかかっています。
本年2月のはじめ、コロナ禍がクローズアップされはじめた頃、当ブログの信頼する情報源から
日本の国家予算はこれから2年間、すべてコロナ対策に使わなければならない
との指摘を受けたことがあります。
この方から、改めて以下のご意見をいただきました。
「感染防止と経済活動を同時に進める」という言葉が定着して、政治家もメディアも識者と言われる人たちも全員が当たり前のように使っています。しかし、この言葉はみんなが使っているから正しいわけではありません。意見としては少数かもしれませんが、経済活動よりも感染を防ぐための方策を最優先に考えなければなりません。
こうした意見を言うと必ず「仕事が無くなれば金が入らず生活ができない」「会社が潰れる」という声が聞こえてきます。しかし、徹底した防疫体制や衛生管理、移動制限などの措置を優先することで結果的に経済を救うことになるのです。
経済的な救済措置として、単にお金を配るその場しのぎの対策では効果がありません。一年から二年ぐらいの期間、すべての税金を免除にすることです。消費税、所得税、ガソリン税などあらゆる税金の免除です。従って国家予算はかなりの部分が一時凍結です。一年や二年国家予算が少なくても本当はやっていけるのです。
安倍政権は、心底から未曽有の疫病から国民を守りたいと願っているのか、それとも予算を自身の政権存続、保身のため道具として使おうとしているのか、その真価がいま問われています。安倍総理はかつて自らの再起再起を託し国民に呼びかけた「日本を取り戻す」の原点に立ち返って、国民を守る責務を果たしていただきたいと思います。
私たちはこの機会に、新型コロナウイルスから突きつけられた命題と真摯に向き合っていきたいと思います。
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