赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

⑧中国のロビー活動の実態——日本中枢に入り込むチャイナマネー その2

2024-12-12 00:00:00 | 政治見解
⑧中国のロビー活動の実態
——日本中枢に入り込むチャイナマネー その2




続きです——本講演録は、特別に許可を頂いて公表いたしております。)


この2万円出して宏池会のパーティーに参加すれば何を見ることができるのかという記事。この記者がパーティーに出席するわけです。その記事の内容は次のとおりです。

「パーティー券は1枚2万円かかる。記者のパー券は日本の企業経営者から送られた。島国にある自民党の宏池会の」この島国という枕言葉が鬱陶しいですね。要らないですよね。

「島国にある自民党の宏池会のパーティーでは、中国人にとって想像もつかないようなことが普通に行われていた。」私も信じられないですよ。「パーティーは有料で、中国人団体も喜んでパーティーに参加していた」というんですからね。北京の中南海とかで釣魚台で日本人がそんなことできるわけないじゃないですか。アメリカでもそうです。

記事を続けます。「記者は多くの中国人を発見したが、日本の過去と現在の政治家に会うために2万円を使うのはかなり高額だ。ただ、地位がどれほど高くても低くても、経歴や職業を尋ねられることはないし、提出する書類もない。セキュリティーチェックもないから、2万円さえ出せば誰だって宏池会のパーティーに参加できるのだ」。



どうでしょうか。中国と契約を結んだ日本のロビー会社と契約するという、回りくどいことをするよりも、現金でパー券を購入して出席して、あとになって脅しすかししながら彼らの要望を通す、これは道筋を宏池会が自ら与えちやっているんですよ。それも総理総裁派閥がですよ。

日本の政界と大手メディアは示し合わせたように、中国に乗つ取られたかのような派閥パーティーの実態を、見て見ぬふりをしています。報道しない自由の発動ですよね。 ネットでは「マスゴミ」なんて言われていますけれども、当たらずとも遠からずだと思います。ネット民を馬鹿にしてはいけません。ネット民と言ったって有権者、国民ですからね。



先の通常国会、1月から6月までやった通常国会では、連日、裏金、裏金の大合唱ですね。環流した金の不記載という政治資金規正法違反なので、それはそれで問題なんですけれども、記載しないから裏金なんて言われるのであって、環流金、ただの還付金ですからね。

問題は問題なんだけれども、中国人によるパー券購入のほうがもっと問題なんですよ。国会議員だって、知らないはずはないんです。こっちのほうが問題ということを。それを許すということは、中国の政治介入を許すことに他ならないんですよ。だから外国人 からの献金寄附は、政治資金規正法で禁止されているんです。

にもかかわらずパー券の購入。寄附と同じですよ。許されている。これは日本と日本人を裏切る行為であることを、 自民党の議員は自覚すべきです。私は何も反自民党でもなければ親中でも親自民党でもないんですけれども、これは党派を超えて一日本人として、非常に許しがたい、そう感じています。

派閥の政治資金パーティー収入の不記載、裏金事件と言っていますけれども、自民党はひとまず党規約などの改正案を整えて、国民向けに何かやった感を出しています。政治団体の会計責任者はかわいそうですね。いわゆるトカゲの尻尾切りですよ。政治家の言われるままにやっただけですから。政治資金規正法違反で逮捕もしくは起訴されれば、議員本人に対してももっとも重い場合でも離党勧告を行える内容を、今回は改正して盛り込んだということでございます。

不記載となった金は裏金と化して、場合によっては所得税法違反の疑いが生じるのですから、議員本人の責任を問うのは当然です。でも、繰り返しますが、何度でも繰り返しますが、それ以上に問題なのが今さんざんっぱら申し上げたとおり、中国人らによるパー ティー券購入の問題なのです。



岸田政権の中枢をむしばみ、真っ先に除去しなければならない深刻な問題が置き去りにされたままなんですよ。党規約を改正しましたなんて言っていますけれども、ポイントはそこではないんです。彼ら個人や団体が中国共産党の意を汲んだ対日工作の実働部隊として、政権与党の自民党が中国に有利な政治決定をするように、政治的な意図を持って購入しているというのは明らかです。

つきあいで、「いや、口出しませんよ。世話になってるから購入しますよ」って、そんなわけないじゃないですか。あの国が。

これは、今お話ししてきたクリントン大統領らやオルブライト元国務長官らが、チャイナマネーに籠絡されたように、アメリカの例を見るまでもありません。

習近平政権は友好 の仮面をかぶりながら、ニコニコしながら、charm offensiveなんていう言葉もありますけれども、本音では日本を華夷秩序に取り込んで——華夷秩序、中華の「華」と夷狄の 「夷」——、西戎、北狄、南蛮、中華・中原にいる漢人のまわりにいる人々はみんな蛮族であると、そういうことですよ。だからしもべであると。それが華夷秩序と言うんですけどね。

勝手に言ってろという話ですけれども、日本の政財界中枢への浸透をもくろんでいるということも、日本の政界は分からないんでしょうかね。お人好しじゃないですよ、彼らは。戦前、八路軍——中共軍の前身ですけれども、この八路軍を率いた毛沢東以来、プロパガンダにたけた政治宣伝ですね。

プロパガンダにたけた中国共産党のことです。政治的な狙いがあると見て排除するのは当然なのです。もっともパーティー収入の不記載とは違って、外国人によるパー券購入は、政治資金規正法違反ではないんです。合法なんですね。

ならば、ただちに違法とするべく国会の責任で政治資金規正法を改正すべきなんですよ。現行の政治資金規正法では、パー券の購入は20万円以下であれば購入者を明らかにする必要はないとなっていまして、それを自公とか与野党を含めて5万円なんてことをやっていますけれども、そんな額の問題じゃないんですよ。



外国人が買うこと、中国人が買うことが問題なんですね。何万円だから公開してもいい、何万円だから公開しなくてもいいという、そういう問題じやないんです。いずれにしても、匿名での購入がまかり通っているんです。5万以下だったら5万円以下に小口に分けて、いっぱい買わせればいいじゃないですか。私が中国人だったらそうします。これが外国勢力、中国勢力による資金提供の温床になっているんですね。

企業・団体による献金というのは、政党に対してだけ認められています。ですけれども、パー券の購入であれば、政党以外の政治団体からも可能なんですね。国の補助金を受けた法人や赤字法人、外国人、外国法人の寄附は禁じられているにもかかわらずパー券 購入は何の制約もなく、抜け穴になっているわけでございます。

こうした事実を国民の多くは知らないままでいます。知らなければ問題意識を持ちようがないし、政治に対する批判の目を向けることもありません。それが政治家個人の政治活動に対する責任に帰するものであるならまだしも、国のかじ取りを担う政権の屋台骨に影響が及ぶものだから、問題は深刻なのです。

宏池会のパーティーは、日本の政権中枢が根っこから腐り始めていることを如実に示しております。中国ロビーの影響どころではありませな。政治資金規正収支報告書の公開は、要旨を公表して3年を経過すれば削除できるんですね。今はネットで見られますけれども、3年たったらもう削除していいんです。

見られなくなる。なかったことになるんです。中国人がパー券を買って参加したことを、 なかったことになるんです。

岸田さんは、中国のパー券購入問題がこのまま闇から闇に消えて、国民の目にさらされ ないで済むのであれば、やったやったと御の字とでも思っているんじやないでしょうか。 だから政治倫理審査会にもいくらでも出席するよ、派閥だっていくらでも解散するよと、 そういう心境じやないんでしょうか。



さて、随分時間もたちました。本講座はこのあたりで終わりにしたいと思いますけれど も、アメリカにおける中国ロビーの活動実態、その裏返しで中国におけるアメリカのロビー活動の実態、日本における中国ロビー活動の様子は概略、お分かりいただけたでしょうか。

(質疑応答へつづく)
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