コラム(307):夢見る文政権の行く末
文政権はヒトラーと同じ手法で成立した
文大統領の誕生はヒトラーの登場に酷似しています。ヒトラーはユダヤ人への攻撃とドイツ民族の優越性を煽ることで人心を捉え、当時の国際秩序への挑戦と国民生活の安定を約束して政治権力を掌握しました。親衛隊などの軍事警察機構を強化し、言論・政治活動を厳しく規制しナチスドイツという国家社会主義体制をつくりあげました。
一方、原理的社会主義者である文氏は対日批判を軸に国民の団結を促し、「財閥改革、行政改革など、不公正な構造と慣行を正す」として国民の支持を集めました。検察と警察から裁判所までを影響下に置き、ナチスの突撃隊のような労働組合を使い反対意見の抹殺を図っています。今回の曺国氏の法相登用はその流れに沿ったものです。
ナチスドイツはプロパガンダの手法として、内外に作られた情報を繰り返し発信し、都合が悪くなると言葉を置き換えたり、文書を捏造したり資料隠蔽、データの改竄を行いました。
実は文政権も同じ道を辿っているのです。
韓国の社会主義化と核保有が文氏の夢
本年8月、日本のホワイト国から韓国を除外する閣議決定を受け、「南北の経済協力で平和経済を実現すれば、(日本に)一気に追いつくことができる」と発言しました。
文大統領の本心は、『後戻り出来なくなった文大統領』でお伝えした通り、韓国を社会主義国家に移行させ、北朝鮮の核を利用して東アジアにおいて覇を唱えることにあります。
文大統領は、昨年9月に15 万人の平壌市民を前にした演説の中で「平壌市民の皆さん、同胞の皆さん!私たちの民族は優れています。私たちの民族は強靭です。(中略)私たちの民族は共に生きなければなりません」と述べていたように、北朝鮮への強いシンパシーを表現するとともに、核を保有する北朝鮮と手を組めば、国際社会で強固な地位が築けると思い込んでいるのです。
北朝鮮との思惑のズレ
文大統領は社会主義政策を推し進めようとしているのですが、北朝鮮の金委員長は、場合によっては社会主義体制を壊してでもアメリカとの友好関係を築きたいのです。そのためにはアメリカの同盟国である日本と敵対する必要がありません。
実際、8月16日北朝鮮は韓国との交渉打ち切りを発表しました。メディアでは「米韓合同軍事演習への批判」と報道されていますが、本当は、北朝鮮を自己宣伝に利用したり、米朝会談の仲介者面を装う文大統領の態度に腹を立てているのです。
文大統領が北の金日成の思想にこだわって朝鮮半島全体を社会主義化したいと考えているのに対し、金正恩委員長はすでに旧弊の遺物を捨てて新しい国家構想を考えています。
この思惑の違いに文大統領は気づいていません。金委員長が文大統領を冷たくあしらう理由はそこにあるのです。
曺国氏の法相任命を発端に文政権に大きな危機が訪れそうです。
なぜなら韓国の検察当局は、曺氏が法相になろうと決して追及の手を緩めないどころか、検察のプライドにかけて攻勢を強めようとしているからです。今後、検察の捜査は大統領の身辺にも及ぶことになりそうです。
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