赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』(3)
日本の戦後70年の諸問題
二度の総選挙で自民党が圧勝した理由
2012年12月に行われた第46回総選挙は、「日本を取戻す」をテーマに掲げた安倍晋三総裁率いる自民党が圧勝劇を演じ政権の座に復帰しました。次の2014年12月の第47回総選挙でも安倍政権は「日本再生はこの道しかありません」として「日本再生」をキーワードに圧勝しました。この二度にわたる安倍自民党の圧勝の理由は、「日本を取戻す」「日本再生」というキーワードが日本人の心の中に共通して存在するアイデンティティに共鳴し、国民の心を強く捉えて離さなかったからだと思います。
このキーワードの上面だけを見た人は「経済大国日本の復活」と捉えたかもしれません。実際に多くの政治家はこれらの言葉を単なる経済政策だと思い、見当違いな批判をしている人もいます。また、一部の政治家は「戦前の政治体制の復活」「軍国主義の復活」とのレッテルを貼るばかりでした。このような政治家の発言を耳にするたびに、失望を禁じ得ませんでした。野党が伸び悩んだ理由はここにあると思います。
筆者は、「日本を取戻す」「日本再生」と言う言葉は、文字通り「本当の素晴らしい日本を取戻す」ことだと受け止めました。経済のみならず、世界で輝き続ける美しい日本の復活を何よりも待ち望んでいたからです。また、多くの国民も日本に一刻でも早く再生してほしいとの思いがあったのだろうと思います。
異質の歴史、戦後70年
長い日本の歴史の視点から戦後の日本を見てみますと、戦後70年は最も異質な時代になることは明らかです。政治的にも、思想的にも、文化的にも、これまでの日本とはまるで異質に見えます。
ただし、筆者を含めて戦後世代の人間(※1)にとっては、戦後の時代を当たり前に生きていましたので異質であるとは断定できません。それでも、国の形を決める憲法が大きく違っていますから、戦前の日本と戦後の日本の間には大きな断層があるというのはわかります。
※1:2013年4月発表の総務省の統計:1945年8月以降の「戦後生まれ」が1億人を超えて総人口の78.7%を占めるようになった。日本人の4分の3が戦後生まれである。
1945(昭和20)年の大東亜戦争の敗北とアメリカによる日本占領統治は、2000有余年の日本の歴史の上でも未曾有の出来事でした。物質万能主義のアメリカの前に、精神主義の日本が屈服した瞬間だったと思います。
アメリカの占領をもって、物事の考え方や歴史観がアメリカの価値基準に変更されました。日本の伝統や文化も過去の遺物として排除され、日本は精神面で骨抜きにされてしまいました。その上、政治制度の改革で、国のあり方を定める憲法を変えられ、西欧型民主主義を与えられました。戦前と戦後の断層はここから始まります。
また、この時期、ソビエトからの社会主義イデオロギーが侵入してきました。この思想の波は、「変節の知識人」たちを「日本革命」へと駆り立てました。そして、かれらは、日本人の保守回帰への風潮に「保守反動」、「軍国主義」というレッテルを貼ってその道筋を妨害しました。
さらに、1970年代頃から、中国による「歴史戦」が始まりました。内政干渉も甚だしいものなのですが、歴史問題を政治カード化してきたのです。執拗なプロパガンダによって日本を萎縮させながら、経済援助を引き出す外交を続けてきました。これに1990年代から韓国が慰安婦問題で騒ぎ立てるようになりました。韓国による「歴史戦」です。
この間、精神的バックボーンを失った日本人は、経済発展のことばかりに目を向けて、歴史問題には向き合いませんでした。これが日本の戦後だったのです。
日本の危機それは「歴史問題」
さて、現下の日本にはさまざまな危機が存在します。内憂外患はいまもなお存在しています。しかし、その危機の真相を検証してみれば、全てが「歴史認識の問題」に帰結するように思えてなりません。
お隣の中国や韓国が騒ぎたてる靖国問題、歴史教科書問題、南京事件、慰安婦問題、領土問題などはすべて歴史問題、歴史認識に帰着します。自国の歴史認識を日本に押し付けて、その歴史認識に、日本が服従するように迫っているだけだからです。しかも、その歴史認識は改竄し捏造したものですから実に不当な要求をしているのです。
一方、同盟国でありながら自国の利益のためには日本に服従を迫るアメリカも同様でしょう。戦後体制の頂点に立つアメリカは、対日占領政策の延長線上でこれまでどおり日本を従属させるのは当然と考えています。度重なる経済摩擦での日本バッシング、繰り返されるアメリカのための市場開放要求、さらにはアメリカの戦略目的で閉鎖させられたイランの油田、等々・・・。これらも「戦後体制」という歴史問題に端を発するものなのです。
このような状況の中で、日本が亡国の最大の危機に直面した時代がありました。2009年からの民主党政権のときです。民主党政権は、中国や韓国のプロパガンダ攻勢に屈して円高誘導と資金援助を行いました。それが結果的に日本経済の首を絞める原因となりました。また、尖閣諸島問題も奇妙な宥和政策を行い、侵略される寸前まできていました。沖縄の米軍基地移転問題では同盟国であるアメリカの信頼も失い、同盟関係に亀裂が入るまでになってしまいました。正しい歴史認識のできない政権は国家を危機の淵に導くということを証明したのです。
「日本を取戻す」ことの意味するもの
幸い、2012年末の第二次安倍政権発足が日本の危機を遠ざけてくれました。中国による侵略の危機は回避され、日本を取り巻く情勢も国内の情勢も変化が生じるようになりました。また、あれほど激しかった中国のプロパガンダ攻勢も次第に色あせつつあります。そして、韓国発の慰安婦問題もその真相を世界が理解するようになって、韓国が騒ぐほどの効果は得られなくなっています。
さらに、日本に常に従属を強いるアメリカもいまや安倍総理の毅然たる外交姿勢に敬意を示さざるをえなくなっています。安倍外交の公平な外交姿勢は国際社会では大変高く評価され、日本の地位が非常に高まってきています。このようなことは戦後70年の中で初めてのことです。
一方、国内においても劇的な変化が生じました。朝日新聞が慰安婦報道の捏造を認めました。これにより、朝日新聞を頂点にした勢力が後退を余儀なくされました。安倍総理の「日本を取戻す」「日本再生」の言葉の力に、世論が呼応して、日本を破壊しようとする勢力を封じ込めているのです。つまり、正しい歴史認識に基づく毅然たる姿勢が、不当なもの、よこしまなものを跳ね返すのです。
この「日本を取戻す」「日本再生」という言葉には、「日本の歴史を取戻し、日本の歴史認識に基づいて日本を再生する」という意味が込められていると思います。
これまでの日本は、外交面でも、国内政治においても、他国の歴史戦に押し込まれてきました。近隣諸国から声高に繰り広げられる理不尽な歴史認識の強制に沈黙し、その脅迫の代償としての多額の資金援助を続けてきました。また、国内においても、基地問題に見られるように多額の補助金を支出することにより、問題の解決をはかっていきました。しかし、これらの小手先の対応では問題は何も解決しませんでした。むしろ、欲望の炎を燃え盛らせるだけで、事態を一層悪化させるものでした。
その負の悪循環を、安倍総理は「日本を取戻す」との決意で断ち切ろうとしていると受け止めたいと思います。
「戦後70年談話」に期待する
さて、本年の8月に発表される安倍総理の「戦後70年談話」は、これからの時代精神を形作る画期的なものになると思われます。
そこには、日本の歴史をありのままに見つめ、反省すべきところは反省し、評価すべきところは評価する。その歴史の観点に立って、世界の模範となるような国づくりをしていくという明日の日本の決意も明らかにされることを願っています。
また、国際社会にあっては、正しい歴史認識に基づいて、日本の公平性・公正性の観点に立って、世界の安定と繁栄に貢献する方針を強く打ち出してほしいと思います。
これにより、これまで70年にもわたって呪縛されてきた「戦後体制」から日本が解放されることを大いに期待したいと思います。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com
FBは https://www.facebook.com/akaminekaz です
日本の戦後70年の諸問題
二度の総選挙で自民党が圧勝した理由
2012年12月に行われた第46回総選挙は、「日本を取戻す」をテーマに掲げた安倍晋三総裁率いる自民党が圧勝劇を演じ政権の座に復帰しました。次の2014年12月の第47回総選挙でも安倍政権は「日本再生はこの道しかありません」として「日本再生」をキーワードに圧勝しました。この二度にわたる安倍自民党の圧勝の理由は、「日本を取戻す」「日本再生」というキーワードが日本人の心の中に共通して存在するアイデンティティに共鳴し、国民の心を強く捉えて離さなかったからだと思います。
このキーワードの上面だけを見た人は「経済大国日本の復活」と捉えたかもしれません。実際に多くの政治家はこれらの言葉を単なる経済政策だと思い、見当違いな批判をしている人もいます。また、一部の政治家は「戦前の政治体制の復活」「軍国主義の復活」とのレッテルを貼るばかりでした。このような政治家の発言を耳にするたびに、失望を禁じ得ませんでした。野党が伸び悩んだ理由はここにあると思います。
筆者は、「日本を取戻す」「日本再生」と言う言葉は、文字通り「本当の素晴らしい日本を取戻す」ことだと受け止めました。経済のみならず、世界で輝き続ける美しい日本の復活を何よりも待ち望んでいたからです。また、多くの国民も日本に一刻でも早く再生してほしいとの思いがあったのだろうと思います。
異質の歴史、戦後70年
長い日本の歴史の視点から戦後の日本を見てみますと、戦後70年は最も異質な時代になることは明らかです。政治的にも、思想的にも、文化的にも、これまでの日本とはまるで異質に見えます。
ただし、筆者を含めて戦後世代の人間(※1)にとっては、戦後の時代を当たり前に生きていましたので異質であるとは断定できません。それでも、国の形を決める憲法が大きく違っていますから、戦前の日本と戦後の日本の間には大きな断層があるというのはわかります。
※1:2013年4月発表の総務省の統計:1945年8月以降の「戦後生まれ」が1億人を超えて総人口の78.7%を占めるようになった。日本人の4分の3が戦後生まれである。
1945(昭和20)年の大東亜戦争の敗北とアメリカによる日本占領統治は、2000有余年の日本の歴史の上でも未曾有の出来事でした。物質万能主義のアメリカの前に、精神主義の日本が屈服した瞬間だったと思います。
アメリカの占領をもって、物事の考え方や歴史観がアメリカの価値基準に変更されました。日本の伝統や文化も過去の遺物として排除され、日本は精神面で骨抜きにされてしまいました。その上、政治制度の改革で、国のあり方を定める憲法を変えられ、西欧型民主主義を与えられました。戦前と戦後の断層はここから始まります。
また、この時期、ソビエトからの社会主義イデオロギーが侵入してきました。この思想の波は、「変節の知識人」たちを「日本革命」へと駆り立てました。そして、かれらは、日本人の保守回帰への風潮に「保守反動」、「軍国主義」というレッテルを貼ってその道筋を妨害しました。
さらに、1970年代頃から、中国による「歴史戦」が始まりました。内政干渉も甚だしいものなのですが、歴史問題を政治カード化してきたのです。執拗なプロパガンダによって日本を萎縮させながら、経済援助を引き出す外交を続けてきました。これに1990年代から韓国が慰安婦問題で騒ぎ立てるようになりました。韓国による「歴史戦」です。
この間、精神的バックボーンを失った日本人は、経済発展のことばかりに目を向けて、歴史問題には向き合いませんでした。これが日本の戦後だったのです。
日本の危機それは「歴史問題」
さて、現下の日本にはさまざまな危機が存在します。内憂外患はいまもなお存在しています。しかし、その危機の真相を検証してみれば、全てが「歴史認識の問題」に帰結するように思えてなりません。
お隣の中国や韓国が騒ぎたてる靖国問題、歴史教科書問題、南京事件、慰安婦問題、領土問題などはすべて歴史問題、歴史認識に帰着します。自国の歴史認識を日本に押し付けて、その歴史認識に、日本が服従するように迫っているだけだからです。しかも、その歴史認識は改竄し捏造したものですから実に不当な要求をしているのです。
一方、同盟国でありながら自国の利益のためには日本に服従を迫るアメリカも同様でしょう。戦後体制の頂点に立つアメリカは、対日占領政策の延長線上でこれまでどおり日本を従属させるのは当然と考えています。度重なる経済摩擦での日本バッシング、繰り返されるアメリカのための市場開放要求、さらにはアメリカの戦略目的で閉鎖させられたイランの油田、等々・・・。これらも「戦後体制」という歴史問題に端を発するものなのです。
このような状況の中で、日本が亡国の最大の危機に直面した時代がありました。2009年からの民主党政権のときです。民主党政権は、中国や韓国のプロパガンダ攻勢に屈して円高誘導と資金援助を行いました。それが結果的に日本経済の首を絞める原因となりました。また、尖閣諸島問題も奇妙な宥和政策を行い、侵略される寸前まできていました。沖縄の米軍基地移転問題では同盟国であるアメリカの信頼も失い、同盟関係に亀裂が入るまでになってしまいました。正しい歴史認識のできない政権は国家を危機の淵に導くということを証明したのです。
「日本を取戻す」ことの意味するもの
幸い、2012年末の第二次安倍政権発足が日本の危機を遠ざけてくれました。中国による侵略の危機は回避され、日本を取り巻く情勢も国内の情勢も変化が生じるようになりました。また、あれほど激しかった中国のプロパガンダ攻勢も次第に色あせつつあります。そして、韓国発の慰安婦問題もその真相を世界が理解するようになって、韓国が騒ぐほどの効果は得られなくなっています。
さらに、日本に常に従属を強いるアメリカもいまや安倍総理の毅然たる外交姿勢に敬意を示さざるをえなくなっています。安倍外交の公平な外交姿勢は国際社会では大変高く評価され、日本の地位が非常に高まってきています。このようなことは戦後70年の中で初めてのことです。
一方、国内においても劇的な変化が生じました。朝日新聞が慰安婦報道の捏造を認めました。これにより、朝日新聞を頂点にした勢力が後退を余儀なくされました。安倍総理の「日本を取戻す」「日本再生」の言葉の力に、世論が呼応して、日本を破壊しようとする勢力を封じ込めているのです。つまり、正しい歴史認識に基づく毅然たる姿勢が、不当なもの、よこしまなものを跳ね返すのです。
この「日本を取戻す」「日本再生」という言葉には、「日本の歴史を取戻し、日本の歴史認識に基づいて日本を再生する」という意味が込められていると思います。
これまでの日本は、外交面でも、国内政治においても、他国の歴史戦に押し込まれてきました。近隣諸国から声高に繰り広げられる理不尽な歴史認識の強制に沈黙し、その脅迫の代償としての多額の資金援助を続けてきました。また、国内においても、基地問題に見られるように多額の補助金を支出することにより、問題の解決をはかっていきました。しかし、これらの小手先の対応では問題は何も解決しませんでした。むしろ、欲望の炎を燃え盛らせるだけで、事態を一層悪化させるものでした。
その負の悪循環を、安倍総理は「日本を取戻す」との決意で断ち切ろうとしていると受け止めたいと思います。
「戦後70年談話」に期待する
さて、本年の8月に発表される安倍総理の「戦後70年談話」は、これからの時代精神を形作る画期的なものになると思われます。
そこには、日本の歴史をありのままに見つめ、反省すべきところは反省し、評価すべきところは評価する。その歴史の観点に立って、世界の模範となるような国づくりをしていくという明日の日本の決意も明らかにされることを願っています。
また、国際社会にあっては、正しい歴史認識に基づいて、日本の公平性・公正性の観点に立って、世界の安定と繁栄に貢献する方針を強く打ち出してほしいと思います。
これにより、これまで70年にもわたって呪縛されてきた「戦後体制」から日本が解放されることを大いに期待したいと思います。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com
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